旅を自宅に。 SAGA TRIP PACK - TRIP.2

その土地に長く続く「個性」「らしさ」を、デザイン的観点で選び出し紹介する観光ガイドブック『d design travel』編集部が、佐賀の名産品の中から“佐賀らしさ”を感じる8つの商品を厳選。特別編集号のトラベルガイドを読み、選んだギフトを味わいながら、産地を訪ねるオンライン体験で、その土地の風景を体感する。新しい観光スタイルの旅を、ご自宅にお届けします。

唐津エリア

有田焼から唐津焼へ、時代を遡るように巡る歴史探訪。
佐賀の陶磁器の進化を、佐賀の食とともに味わう。
佐賀を代表するお祭り「唐津くんち」も必見。

  • 唐津くんち
  • 曳山展示場
  • 鳴滝酒造株式会社
  • 川島豆腐店 有限会社
  • 隆太窯

唐津の14の魂

佐賀を代表する秋祭り「唐津くんち」。巨大な獅子や兜、飛龍に鳳凰、そして鯛―総数14台の曳山は、溢れるように子どもたちを乗せて、火消し姿の若い曳子衆に曳かれる。町ごとに異なる曳山。魚屋町の真っ赤な鯛のボディーは大きく上下し、胸びれは、飛ぶがごとく左右に開く。「エンヤーエンヤー」「ヨイサーヨイサー」、大歓声を背負って曳山が疾走する光景は、強く心に残る。曳山は、くんちの3日間以外は、「曳山展示場」に勢揃いしていていつでも鑑賞できる。

唐津くんち
唐津市
0955-74-3355(一般社団法人唐津観光協会)

唐津市で、11月2日から4日に開催される唐津神社の秋季例大祭。巡行する全14台の曳山は各町が所持しており、鯛、龍、浦島太郎など多種多彩。曳山を曳けるのは町民だけという、各町のプライドを懸けた祭り。2日の宵曳山は、曳山のカッコよさが極めて引き立つので、ぜひ。(※2020年の曳山巡行は中止)

曳山展示場
佐賀県唐津市西城内6-33
0955-73-4361

唐津曳山14台を一堂に見せる展示室は、薄暗く照明を落とした一部屋のみ。約200年にわたり、直し使い続けられてきた日本最大級の漆工芸品の造形美と迫力を、強烈に印象づける。パネルには、それぞれの制作年、重量、お囃子のリズムなどのエピソード。「唐津くんち」を、当日以外で最も体感できる場所。

最も古い刀町の赤獅子のデビューは、なんと1819年。米屋町の酒吞童子と源頼光の兜は、血走った眼球が印象的で、どこよりも恐ろしい。数百枚もの和紙を貼り重ね、麻布で覆い、幾重にも漆を塗る、独特の制作方法の曳山。また、くんちでは、各家庭にたくさんの人を招くため、女性陣は、ひと月前から「アラの姿煮」などの〝くんち料理〞を仕込む。〝ソウルドリンク〞の地酒「聚楽太閤」も忘れてはならない。無形の祭りと、有形の工芸、どちらも大切に受け継がれる〝唐津っ子〞の心意気。そして、郷土愛。

鳴滝酒造株式会社
佐賀県唐津市神田3272-1
0955-74-3125

日本最古の水稲耕作遺跡の「菜畑遺跡」を有し、豊かな水に恵まれた米どころ唐津市で、300年にわたり酒造りを営んできた太閤酒造を中心に酒造3社の企業合同で設立。「お茶の水」と呼ばれる名水を仕込み水とし、代表銘柄「聚楽太閤」をはじめとした郷土に根づいた酒造りで、唐津の風土と文化を発信する酒蔵。

熱気を味わう
「唐津くんち」曳山カップ
¥4,246(税・送料込)

町ごとに異なる豪華絢爛な曳山14種類が一つ一つ描かれた「曳山カップ」に、鳴滝酒造古舘さんおすすめの唐津産おつまみいりこを詰め合わせました。おつまみいりこは曳山カップの瓶に入れた特別仕様。1~7番曳山、8~14番曳山の組み合わせから選べる、唐津くんちファンにも、初心者にも嬉しい、佐賀の酒と唐津の熱気を手軽に楽しめるセットです。

鳴滝酒造 古舘正典さんに聞く
唐津の伝統文化の味わい方

伝統的な曳山組織の一員として、郷土の歴史や文化、先人たちの情熱を今に伝える鳴滝酒造代表の古舘正典さんに、唐津くんちや唐津の地酒の味わい方、楽しみ方を伺います。

ライブ配信日時:2020年11月23日 18:00-19:00
(ライブ配信日以降は見逃し配信でいつでも視聴できます)

茶陶から豆腐料理へ

九州最初の焼物「唐津焼」。その技法には、碗や皿などの「蹴ろくろ」、壺や甕などの「叩き」といった成形を基本に、「朝鮮唐津」「三島」「絵唐津」「斑唐津」などの特徴的な種類がある。茶陶として愛好家もいたほどの唐津焼は、有田の磁器の発展と、廃藩置県などの影響もあって、一度は衰退の一途をたどった。しかし、昭和初期、中里無庵(一二代中里太郎右衛門)により、復活。その五男、中里隆さんが開窯した「隆太窯」こそ、現代の唐津焼の筆頭だと思う。現在は、息子の太亀さんと孫の健太さんも陶工として活躍し、町の飲食店でも彼らの器を目にする。「銀すし」や「日本料理 会席かわしま」など、隆さんも御用達の店は、デザインはもちろん、味も唸るほど。また、旅館「洋々閣」には、当窯専門のギャラリーも併設していて、娘の花子さんのブランド「Monohanako」の作品もあり、宿泊客でなくても入れるが、ぜひ、全品「隆太窯」の器でいただく自慢の夕食を食べるためにも、宿泊をおすすめする。

隆太窯
佐賀県唐津市見借4333-1
0955-74-3503

唐津焼の人間国宝・一二代中里太郎右衛門の五男・隆氏が開いた窯。市郊外の里山にあり、廃線の路線バス停を再現した看板が目印。「洋々閣」「日本料理 会席かわしま」「銀すし」など、地元・唐津の名店の器を数々手がける、中里隆氏、中里太亀氏、中里健太氏、親子三代の器が買える、窯工房併設のギャラリー。

隆太窯の面々も一目おく、「日本料理 会席かわしま」は、現役の豆腐店(川島豆腐店)に併設していて、ランチは、「豆腐料理かわしま」として、濃厚な豆乳から始まる〝豆腐会席〞がいただける。「おから炒り」「胡麻豆腐」「厚揚げ」、珍しいところでは豆腐を麦で覆った「うずみ豆腐」など。九州産の大豆「ふくゆたか」を使った「ざる豆腐」は、お土産に店舗で購入もできる。自宅でも、ぜひ、唐津焼の器に盛りたい。

川島豆腐店 有限会社
佐賀県唐津市京町1775
0955-72-2423

創業200年以上の老舗で、明治5年に当地へ移転。併設の「豆腐料理かわしま」では、1日3回の完全予約制で、主に九州で育った大豆を使用した、味の濃い絶品ざる豆腐と豆腐コース料理を、現代唐津を代表する「隆太窯」の中里隆氏がこのお店のために作った美しい器で、1,500円(税抜き)から味わうことができる。

川島豆腐店のこだわり
「豆乳鍋」セット
¥6,070(税・送料込)

大豆の豊潤な風味をそのまま味わえる「川島豆腐店」こだわりのざる豆腐と、豆乳、胡麻豆腐、おすすめの野菜を組み合わせた、豆乳鍋のセットです。まずはそのままいただいて、素材の豊かな風味を、お鍋に入れて食感や味わいの変化を楽しむ。ふわりと弾力のある舌触りと豆腐の奥深さを、たっぷりとご堪能ください。
※お届けする野菜は予告なく変更になる場合があります。

「川島豆腐店」に教わる
美味しい豆腐の味わい方

「川島豆腐店」店長 杉山愛子さんに、実際にその土地でしか味わえない、絶品ざる豆腐の魅力を伺いながら、美味しい豆腐の味わい方を教えていただきます。

公開日:2020 年 10月26日
(公開日よりいつでも視聴できます)