d47 MUSEUMにて2013年に開催しました「NIPPONの47人 2013 CRAFT」展が、ブラジル サンパウロのJAPAN HOUSEにて巡回展として開催しております。
【ごあいさつ】
日本の47人の手から生まれる、クラフトの今とその土地らしさ
D&DEPARTMENT PROJECTは「ロングライフデザイン」をテーマに、地域の「個性」と「息の長いその土地らしいデザイン」を見直し、紹介する活動を行っています。日本ではその「ロングライフデザイン」というテーマを47都道府県と言う日本の行政区画に重ねた、食堂、ショップ、ミュージアムとして運営しています。
2012年に開館した物産ミュージアム「d47 MUSEUM」では、「旅」「物産」「地域問題」「食文化」など毎回様々なテーマで、日本の行政区画である47都道府県のそれぞれの個性を47の常設展示台を使い紹介してきました。
今回の展示では、若々しい感性を持つクラフト作家を47都道府県から1人ずつ選び、彼らの作品を紹介します。その土地の歴史風土を背景に持ちながら、自身の創造性と社会の需要をバランス良くミックスし、器や道具に形を変えて自分を表現していきます。一見すると「その土地らしさ」とはかけ離れているように見えるかもしれません。しかし、それぞれの土地で日々を暮らしながら制作する彼らには、生まれ育った故郷の記憶が創作の原点になっていたり、その土地に昔から、あたり前のものとしてある素材や技術を受け継ぐ環境であったり、今そこにいる理由があります。
47人の作品を通して見えてくる、日本各地の豊かな個性と日本のクラフトの今を感じて下さい。
D&DEPARTMENT PROJECT 代表
ナガオカケンメイ
【展覧会に寄せて】
「NIPPONの47人 CRAFT」展では、様々な側面から日本の個性を発見することができます。
まず、日本という非常に独特な地形をしている国に47の都道府県が存在しているという発見から始まります。その47都道府県がそれぞれ異なった個性を持つ一方で、日本全体を通して見ると、デザインや美しさを尊重する姿勢や、伝統とイノベーションとの絶妙なバランスといった共通点を感じることができます。
若手の職人達による現代のものづくりは、伝統技術やその土地ならではの材料を過去に取り残すのではなく、自分たちのルーツとして活かし、現代に通じる形や利便性で表現しています。この展示の全ての作品は、見る人々に対して日本の過去と伝統に関する感度を最大限まで向上させるのではないでしょうか。また、伝統を認識することはリノベーションとイノベーションの刺激にもつながります。
ここ、ジャパン・ハウス サンパウロでの展示では、日本のパノラマを「物」を通じて見せています。しかし、デザイナーのナガオカケイメイ氏が2000年に創立したD&DEPARTMENTの活動は更に広く、雑誌、展示、食、ワークショップや観光といったあらゆる側面から、日本の紹介とそれらへの気づきを提供しています。地域を尊重することで日本各地を繋げ、長く息づく持続性のある魅力があることを伝えています。
急速的に変化を遂げる現代の世界において、伝統を持続するために生まれたこれらの情報の共有・伝達は、例えるなら実際に触感と感覚で感じることのできるソーシャルネットワークと言えるでしょう。
ナターシャ・バルザギ・ジーネン
ジャパンハウス サンパウロ 企画局長
出展者一覧
北海道:瀬戸晋/青森:島守宏和/岩手:田代淳/宮城:村山耕二/秋田:田村一/山形:下山普行/福島:亀田大介/茨城:古橋治人/栃木:佐々木康弘/群馬:萩原将之/埼玉:高橋欣之/千葉:安達綾子/東京:西本良太/神奈川:清水勇太/新潟:大桃沙織/富山:木下宝/石川:山田真子/福井:鈴木美央/山梨:後藤晃一/長野:平勝久/岐阜:安土草多/静岡:吉田直嗣/愛知:岡崎達也/三重:山本忠正/滋賀:大谷哲也/京都:奥村紳介/大阪:稲垣大/兵庫:斉藤幸代/奈良:山本直美/和歌山:梅本敏明/鳥取:山下裕代/島根:石飛勲/岡山:小林克久/広島:しゅんしゅん/山口:原田和明/徳島:矢野美穂/香川:石井章/愛媛:篠原元郁/高知:森澤真紀/福岡:和田義弘/佐賀:山本亮平/長崎:小島鉄平/熊本:高光太郎/大分:松田浩樹/宮崎:サキムラ久/鹿児島:榮大貴/沖縄:玉元利幸