日本人のお茶離れ。そこには3つの理由があると思います。1つ目はお茶以外の選択肢が増えた。珈琲だっておいしいですから、これはもはや仕方ない。2つ目は、お茶屋さんに行って、ブレンド配合、品種、品質によって様々に名付けられた商品種類に圧倒されて、何を選べば良いのかわからなくなってしまうこと。3つ目は、正しさ、格式、礼儀、様々に文化として良い部分と、日常としてとっつきにくい部分があること。
堀井七茗園さんとお茶をつくる取り組みは、そんなお茶離れした日本でも、お茶が日常にある生活になることを思い、そのハードルをできるだけなくせるお茶にすることを考えていきました。そして、京都らしい、宇治らしい、やわらかい風格ある味わいのお茶で、それでいて体にするすると沁み込む、過度な主張を削ぎ落とした健康なお茶。もちろん、なるべく良質で、なるべく手頃な価格にと思ってつくっています。日常をちょっと豊かに。特別な時間をちょっと日常の中にも。そんなお茶として、シンプルに、煎茶、玉露、抹茶の3種類をつくりました。これから、お茶の世界、宇治茶の魅力を知ってみたいなと思っている方の、ぜひ入り口のお茶にしてください。
d47食堂ディレクター
相馬夕輝