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d design travel JEJU

平和の数だけデザインがある。

火山島という自然環境がつくり上げた壮大な景観と、温暖な気候が育んだ豊かな動植物の生態系。島の守り神・トルハルバンをはじめ、本土とは異なるユニークな文化も魅力的。その一方で、終戦後から続く悲しい記憶……済州には、それらを乗り越え、未来を切り開く、平和への“デザインのヒント”がたくさんあった。

d design travel JEJU
先行発売します!
6月13日(木)より、ネットショップ、渋谷ヒカリエd47、D&DEPARTMENT各店にて販売開始
2024年7月12日(金)全国発売
 
表紙:『漢拏山』 キム・テクファ
済州のカラーと聞いて、誰もがまず頭に浮かぶのが自然の“緑”でしょう。事実、韓国初の世界自然遺産を筆頭に、今も豊かな自然が溢れる島は、多くの人にとっての憧れのリゾートです。ただ、実際には、飛行機の窓から済州島を見下ろすと、海岸線に広がる玄武岩の“黒”が印象的でした。長い間、悲しみと悔しさを耐えてきた済州という土地の強さは、漢拏山(ハルラサン)のように誇らしく、立派で、「済州らしさ」の象徴でもありました。キム・テクファの絵のように、牧歌的でいてクールな愛郷心─それが僕が惚れ込んだ、済州のデザインでした。

ネットショップでのご購入はこちらから


SIGHTS

その土地を知る

  1. 漢拏山
  2. キム・テクファ美術館
  3. 北村トルハルバン美術館
  4. 金永甲ギャラリー ドゥモアク

済州らしい“道”

済州オルレトレイル

「オルレ」とは、済州の言葉で、「狭い路地裏」の意味。一般的には、大通りから家の門まで続く細い道を指します。済州の人が暮らす町では、どこにでもオルレ道があるので、とても親しみのある言葉です。「済州オルレトレイル」は、ジャーナリスト出身のソ・ミョンスク(現・済州オルレ理事長)さんが、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩いた後、心身が治癒されたように感じたことをきっかけに始まった“歩く旅”。そんなオルレを編集部も実際に歩いてみました。

RESTAURANTS

その土地で食事する

  1. ダソニ
  2. ミントレストラン
  3. 海女の台所
  4. 牛島クンゴギ

photo by Sungwook Park
済州道の味

済州定食

朝鮮王朝時代の鎖国環境や、岩盤質の土壌によって土の層が薄いこともあり、食においても耐え忍ばざるを得なかった歴史がある。しかし、だからこそ育った文化がある。どの料理も、未来を思い、仲間や家族と共に創り上げてきた共同体の証となる食文化の集積だろう……(本文より)d47食堂ディレクター相馬夕輝によるエッセイ。実際に済州を旅して考えた済州ならではの一膳。

SHOPS

その土地らしい買物

  1. タムファホン
  2. OSULLOC ティーミュージアム
  3. 済州民俗五日市場
  4. 本屋 小里小文

済州のものづくりを楽しむ

済州甕器

済州島に伝わる工芸品「甕器(オンギ)」。韓国では、キムチやお酒、味噌などを熟成させるために今も使われている焼き物ですが、済州では、水を運ぶ「ホボク」など、より生活になくてはならないものでした。一時は衰退の一途をたどりましたが、今、いくつかの窯元が復活をさせ、その特徴や魅力を伝えています。中でも、モダンでユニークな作り手たちによる現代版「甕器」をカラー写真でご紹介します。

CAFES

その土地で、お茶をする
お酒を飲む

  1. アルマジュンシガン
  2. VEKE
  3. ITAMIJUN MUSEUM

済州道の伝え残すべき歴史

済州4・3

今でこそ世界中から観光客がこぞって訪れる済州島ですが、実は、悲しい歴史があります。それは、この「済州号」を作る上で見過ごせないことで、僕は、そこから「観光」とは、決して“光”だけを観るものではない、ということを改めて学んだものです。戦後、済州島で起きたこの事件は、決して他人事ではなく、日本人として、そして人間としてどう捉えるべきか、この「済州号」を通して一緒に考えていただけたら嬉しいです。現在の済州のデザインが秀逸だからこそ、この事件を特集としました。

HOTELS

その土地に泊まる

  1. PODO HOTEL
  2. Jeju b.ahn
  3. KAL HOTEL 西帰浦
  4. PLAYCE CAMP JEJU

済州道の“民藝”

海女

どの海においても海女たちは海中に潜るたびに、無事を祈り、収穫を祈り、家族の生活を祈りながら潜る。無事に獲物を携え、深い海から浮かび上がってきた時には磯笛と呼ばれる、肺の底から生み出される音を発する。海峡を越え、時代を超えて続いてきた祈りの仕事、それが海女だ……(本文より)「工藝 風向」店主の高木崇雄さんが“民藝”と“ロングライフデザイン”を繋ぐ、連載第23回。

PEOPLE

その土地のキーマン

  1. キム・ギョンチャン
    (済州粘土陶芸研究所)
  2. ソ・ミョンスク(済州オルレ)
  3. ジョン・ジソル(ODUJEJ)
  4. コ・ソンヨン
    (コンテンツグループ 才能商会)

済州道のロングライフな祭り

堂と蛇

済州島や、朝鮮半島南部を中心に「堂」という、聖なるものを祀る聖域があります。そこで行なわれる祭祀を、「クッ」と呼び、西帰浦市の兎山堂では、8日、18日、28日が祭日であるために八日堂と呼ばれます……(本文より)山伏の坂本大三郎さんの文章と絵で、各地域に深く根づいた“祭り”を紹介する連載、第24回。

d design travel JEJU
ディ・デザイントラベル・チェジュ
編集長:神藤秀人
発行元:D&DEPARTMENT PROJECT
様 式:B5判変型 (230mm×175mm) 192ページ フルカラー 日英併記
販売店:全国の主要書店、ライフスタイルショップ、ミュージアムショップ
全国発売日:2024年7月12日(金) ※先行発売は6/13(木)より
表紙:『漢拏山』 キム・テクファ

【チェジュ号は韓国語版も同時出版】

『d design travel JEJU』韓国語版(韓英併記)が、2024年8月に発売予定! 10月には韓国で出版記念イベントも開催予定です。

詳細はソウル店(@d_d_seoulチェジュ店(@d_d_jejuのSNSで順次お知らせしていきます。どうぞお楽しみに。