その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来に繋げる。
私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、長く続いていることやものを紹介・販売する《セールス&コミュニケーション》、継続性やその土地の個性づくりを開発する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2025年2月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。
リサーチ&アーカイブ
d47食堂|生産者訪問
その土地らしい醤油をつくり続ける、弓削田醤油を訪問。

d47食堂では、定休日を利用して、スタッフのみんなで生産者さんを訪問し、学ぶ機会を設けています。今回は、食堂の醤油だけでなく、dオリジナルの「黒だしつゆ」でもお世話になっている埼玉県日高市にある「弓削多醤油」へ。醤油醸造の奥深さや発酵にまつわる菌について熱く語る弓削多さん。特に印象的だったのは、その土地らしい醤油の味を出すためには、やはり木桶が欠かせないということ。ものが簡単に手に入り便利になる世の中ですが、多様性大切にし、理解し、自分で選ぶ力が必要だということを改めて感じました。d47食堂では、これからもものづくりの現場へ行き、「もののまわり」を伝えていきます。(大北吾子/d47食堂)
セールス&コミュニケーション
埼玉|d SCHOOLわかりやすい自然栽培
3期目の関野塾最終日は、国産の金ごまを学ぶ特別講義を開催。

国内での自給率がとても低い「国産の金ごま」。講師に、金ごまを自然栽培で育てている鈴木香純さんをお招きし、金ごまの栽培に至った経緯や栽培の大変さなど、実体験を惜しみなく交え、お話しいただきました。若い世代のバイタリティー溢れる行動力に、塾生も終始感心。金ごま生産者として、きちんと生計を立て、ブランド化した商品を世に出す事業センスも素晴らしい鈴木さん。自然栽培塾でも、継続させるための事業性にも着目して取り組んでいく必要があると、改めて感じた回となりました。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)
→ d SCHOOLわかりやすい自然栽培 関野塾【特別編】国産の金ごまと、農と食の未来 2025年2月18日(火)開催
セールス&コミュニケーション
富山|郷土食販売
「かぶらずし」の販売を通して、富山の文化や風土を伝え季節を楽しむ提案をお客さまへ

「かぶらずし」とは、塩漬けした蕪と魚を糀につけた発酵食で、主に呉西地域で食べられる冬のご馳走です。県民でも食べたことがない方も多く、このおいしさを知っていただくため、今年から商品の販売を始めました。食べ比べができるよう鰤を使った「つりや」のものと鯖を使った「gonma」のもの、2種類をご用意。初めて食べた方にも好評で、どちらが好みだったかなど、会話も弾みました。冬の楽しみとして「かぶらずし」を心待ちにする文化を、私たちも受け継ぎつつ、ゆくゆくは自分たちでつくる機会も企画したいと思っています。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)
セールス&コミュニケーション
京都|京都のつづくをたべる朝ごはんの会
立春に京都三大漬物を体験。お粥や漬物、畑菜の辛子和えを召し上がれ!

京都大原「志ば久」の久保統さんから、「夏の紫蘇(紫蘇シロップのワークショップを毎年恒例で開催)だけでなく、今の時期なら、京都の三大漬物を全部見てもらえる!」というお話しをいただき、自分たちも見たい!体験したい!と思い、実現した朝ごはんの会。立春の日、京都食堂の縁側の竈門でお粥を炊いて、京都の三大漬物(すぐき、しば漬け、千枚漬け)の成り立ちや、その作り方を体験。千枚漬けとなる聖護院かぶらを薄く切る鉋がけや、漬樽から出し立ての志ば漬を食べる!という、他では味わえない貴重な時間だったのではないでしょうか。久保さんと、夏だけでなく冬も何か出来たらなぁ……と思い続けていただけに、今回の開催が嬉しく、また次、そのまた次と続けられるよう気持ちを新たにした朝となりました。(内田幸映/d食堂京都)
→ 京都のつづくをたべる朝ごはんの会 志ば久の漬物と朝粥 2025年2月3日(月)開催
セールス&コミュニケーション
京都|おりんのもののまわり
循環するおりんづくり、南條工房ツアー。

京都府宇治市にある「南條工房」のおりん製作の現場と、循環するものづくりを体感するツアーを開催。型作り、鋳造風景、切削加工の実演など、鋳型に使う土や金属加工の際に出る削りかすも再利用し、できる限り廃棄物を出さないものづくりの仕組みを目の当たりにし、参加者の皆さんも関心しきり。工房見学の後は、一つひとつ異なる音色をじっくり聴き比べ、おりんを鳴らす際の意識の変化や、自分にとって心地よい音を選ぶことに集中している様子が印象的でした。京都店では、これからもおりん選びの選択肢の一つとして、“音色で選ぶ”ことを提案していきます。(岩橋辰洋/D&DEPARTMENT KYOTO)
→ 循環するおりんづくり、南條工房見学ツアー 2025年2月5日(水)開催
セールス&コミュニケーション
沖縄|d SCHOOLわかりやすい民具
第2回、民具づくりを学ぶワークショップ。

講師は、「かぁらんやー」の比嘉ご夫妻。「月桃の鍋敷き」「ススキの箒」「民具の材料」をつくるワークショップでは、原料となる植物に触れるところからスタート。チャームとして、沖縄のお守り「サングワー」を付ける工程もあり、沖縄の文化についても学ぶことができました。民具の材料をつくる会では、沖縄に自生する植物が民具の材料に変わるまでの工程を体験。参加者からは「暮らしの知恵を楽しく得られた」「生活の中でも取り入れたい」などのお声がありました。民具づくりを身近に感じられ、つくったものをずっと大切にしたくなるワークショップ。次回は4月に開催予定です。(吉川寧々/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)
→ d SCHOOL わかりやすい民具 ススキの箒をつくる会 2025年2月8日(土)~9日(日)開催
ロングライフクリエイション
富山|メニュー開発
誰もが富山の日本酒を味わえる一皿。

富山市婦中町で田んぼの自然栽培を行なう「AGUMOGU」と、富山市八尾町の老舗酒造「福鶴酒造」の福縁により生まれた純米生原酒「福むすび」。低精米の雄山錦を使っているため、お米本来の香りと味わいを感じられます。今回、福むすびを使用し、週替わりパスタ「豚ばら肉、新玉ねぎ、三つ葉の日本酒チーズソース」を提供しました。もろみを含んだまま瓶詰めし、生きた酵母の力で発泡している福むすびで豚ばら肉を漬け込むことで、柔らかく仕上げました。さらに、パスタソースにもお酒を使うことで、より日本酒のうまみを感じられ、お酒が得意ではない方にも、その魅力を楽しんでいただける一皿に。これからも、素材の持ち味を生かした料理をお届けしていきます。(窪田小春/D&DEPARTMENT DINING TOYAMA)
→ @d_d_toyama|豚ばら肉、新玉ねぎ、三つ葉の日本酒チーズソース