dの活動報告|2025.1

その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来に繋げる。

私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、長く続いていることやものを紹介・販売する《セールス&コミュニケーション》、継続性やその土地の個性づくりを開発する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2025年1月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。


 
リサーチ&アーカイブ
沖縄|生産者訪問
トークイベントに向けて、朝倉圭一さんと北窯を訪問。

2025年秋、沖縄店でお披露目する「松田米司工房」松田健悟さんの器。それに合わせて、ゲストに岐阜県高山市「やわい屋」の朝倉圭一さんをお招きしたトークイベントの開催を予定しており、その準備も兼ねて、朝倉さんと一緒に北窯に行ってきました。松田米司工房の米司親方も交え、それぞれの立場から思うものづくりの歴史や文化の形成について伺い、修復作業中の窯も見学。飛騨と読谷、全く違う文化が根付いている中、お二人に共通する次世代への思いを感じた訪問となりました。定期的に窯にも訪問させていただきながら、しなやかに変化し続けるもの、変わらないもの、地方ごとに異なる暮らしの魅力を、さまざまな角度から紐解いていきたいと思います。(島袋みのり/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)


 
ロングライフクリエイション
埼玉|d SCHOOLわかりやすいワインづくり
最終回を迎えた福島塾。自然の恵みを集結させたワインが完成。

小川町にある「武蔵ワイナリー」を舞台に、5回渡り開催してきた「醸造編」。最終回となる今回は、新作ワイン「DAIKANPAI 2024」と「DAIRENAI 2023」の瓶詰めとラベル貼りを行ないました。昨年夏に収穫し、搾汁後に醗酵させた小公子100%のDAIKANPAI。小公子にメルローを配合したDAIRENAI。今回のラベルも、和紙作家の森田千晶さんに制作いただき、『d design travel SAITAMA』の表紙でもある鳥籠をイメージしたデザインに。塾生同士の繋がりはさらに濃さを増し、d SCHOOLの枠を超えた活動が始まりそうです。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)

福島塾 d SCHOOL わかりやすいワイン 2024年4月25日(木)~全5回


 
ロングライフクリエイション
富山|メニュー開発
期間限定、富山らしいカレーを週替わりで提供。

毎年1月、3週に渡って提供している「週替わりカレー」。1週目は、砕いたいりことdオリジナル「白だし」を使った「いりこのキーマと白だしつゆの冬瓜すりながしカレー」。2週目は、とろろや素揚げ、昆布締めや炙り昆布オイルなど、さまざまなかたちの昆布を取り入れた「とろろ昆布と昆布締め鶏のスープカレー」。3週目は、富山固有種の梅を使った「鶏手羽元のマッサマンカレー 氷見稲積梅添え」と、多様な切り口から富山ダイニングらしいカレーをお届けしました。このカレーを楽しみに毎週食べに来てくださる方や、食材の使い方に興味を持ってくださる方もいて嬉しい反応をいただきました。これからも料理を通して、地元の食材の魅力や生産者さんの活動を伝えていきます。(窪田小春/D&DEPARTMENT DINING TOYAMA)

いりこのキーマと白だしつゆの冬瓜すりながしカレー
とろろ昆布と昆布締め鶏のスープカレー
鶏手羽元のマッサマンカレー 氷見稲積梅添え


 
ロングライフクリエイション
三重|メニュー開発
「dどら」におもたせ箱ができました!

三重店がオープンした2021年、自然に囲まれたこの場所で、散策をしながら手軽に持ち運べるものを。と考え、三重の素材を使ったどら焼き「dどら」は生まれました。これまで沢山の方に出来立てを味わっていただきましたが、旅のお土産や贈り物に使いたいという声をいただき、今回、お持ち帰り用の「おもたせ箱」が完成。「家族からまた買ってきて!と頼まれました」と嬉しいお声も。これからも三重の“美味しい素材”を使い、一人でも多くの方にdどらをお届けしていきます。お土産はもちろん、銅板で焼いた焼き立てのdどらも食べにお越しください。(溝田麻子/D&DEPARTMENT MIE by VISON)

三重の素材をつかったどら焼き「dどら」


 
ロングライフクリエイション
京都|京都店オリジナル商品開発
木地・漆器開発がスタート!木地師さんを訪問しました。

京都店から徒歩約3分の所にある漆店「堤淺吉漆店」。これまでギャラリーでの展示や取材を通し、私たちも漆について少しずつ理解を深めてきました。今回、ものづくりの現場が続くための応援として、堤淺吉漆店とオリジナルの木地と漆器の開発に取り組みます。漆芸をやりたい若手職人の育成や、d食堂 京都の汁椀の制作などを目標に掲げ、まずは器のベースとなる木地づくりの現場へ。京北にある「Fab Village Keihoku」にお伺いしました。材木の品種、仕上げにするのか、修復できることなど、さまざまなアイデアが出たところで、ひとまず食堂で普段どのように使っているかを出し合うことになりました。木地・漆器の開発の様子は、今後も随時お知らせしていきます!(門脇万莉奈/D&DEPARTMENT KYOTO)


 
セールス&コミュニケーション
d47食堂|堀井七茗園の宇治茶試飲会
南部鉄瓶「あかいんご」で淹れた宇治煎茶を楽しむ。

d47食堂の店頭では、日本各地の生産者の方による角打ちや試飲会を定期的に開催しています。今回、京都府「堀井七茗園」の前田真吾さんにお越しいただき、dオリジナルの煎茶・玉露・抹茶の試飲会を開催。開催前日、1月11日の「鏡開き」に合わせて、玉露を使ったぜんざいもご用意。お湯を沸かす際は、d47 MUSEUMで開催中の展覧会『CRAFT』展で、山形代表としてご紹介している南部鉄瓶「あかいりんご」を使っていただきました。鉄瓶でお湯を沸かすことで、よりマイルドになり深い味わいに。今後も、生産者の方やお客さまにd47でご紹介しているプロダクトを使っていただく機会をつくっていきます。(大北吾子/d47食堂)

堀井七茗園の宇治茶試飲会 2025年1月12日(日)開催


 
セールス&コミュニケーション
d47|浄法寺漆のもののまわり
漆塗りの奥深さを体感するワークショップを開催。

岩手県「滴生舎」の塗師の方にお越しいただき、3年ぶりとなる、漆塗りのお椀をつくるワークショップを開催。まずは映像を見ながら漆のまわりの仕事や歴史を学び、その後、漆塗りの最終工程である「上塗り」を実践。刷毛を使い、お椀の内側を「黒漆」で塗っていきます。手首だけではなく、肩や腕全体を使う塗り方に苦戦しながらも、職人技の奥深さを体感。参加者の方からは、「漆器だけでなく、漆を取り巻く仕事を知ることができた」「十分な練習時間があり、安心して取り組めた」というお声をいただきました。今後は、初心者から上級者まで楽しめるような内容で、幅広く展開していきます。今秋には、滴生舎の特集と塗りのワークショップを実施予定! 漆の魅力をさらに深く伝えていきます。(上久保杏子/d47 MUSEUM)

漆塗りのお椀をつくろう 2025年1月20日(月)開催

浄法寺漆のもののまわり 滴生舎の漆器 2024年12月27日(金)~2025年1月26日(日)開催


 
セールス&コミュニケーション
富山|d SCHOOL わかりやすい洗濯
洗濯のプロから、服を長くきれいに着続ける洗濯の基本を学ぶ。

講師は、60年以上、地元で愛されるクリーニング店「くまの洗濯堂」の熊野皓太さん。今回、醤油、口紅、油性ペンといった、ガンコ汚れの代表を落とすことに挑戦。汚れには性質ごとに落とし方のコツがあり、それを覚えるだけで、汚れがスルスル落ちていきます。その様子が面白く、参加者の皆さんは夢中になって手を動かしていました。手間をかけることが“面倒”ではなく“気持ちいい!”と思っていただけたようです。面白い・楽しいが何より長く続くコツ! 今後も季節を変えて、洗濯のお悩みを解決するワークショップを開催していきます。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)

d SCHOOL わかりやすい洗濯 2024年11月23日(土)開催


 
セールス&コミュニケーション
京都|新春餅つき大会
「おくむら米穀」による新年の餅つき大会。

京都店の食堂前で開催する、毎年恒例の餅つき大会。境内に来た方に、「らくだ坂納豆工房」の納豆を使った納豆餅ときな粉の2種類を振る舞いました。子どもはもちろん、大人も順番に餅つきを体験。みんなでついた、できたてのお餅は絶品! 昨年を上回る人手で、終日賑わいました。おくむら米穀の奥村さんも楽しんでくださり、イベントでの雰囲気づくりはとても参考になります。主催する側とお客さんが一体となって楽しめるような、縁側イベントを今後も企画していきます。(塩貝悠佳有/d食堂京都)


 
セールス&コミュニケーション
鹿児島|薩摩焼のもののまわり
龍門司焼の魅力を知り、自分だけの器をつくるツアーを実施。

「薩摩焼のもののまわり」の関連企画として、350年の歴史を受け継ぐ「龍門司焼企業組合」を訪れました。工房を見学しながら、土や釉薬づくり、登り窯について学んだ後は、ろくろを使って器を製作。少しの力加減で広がったり歪んだり……苦戦しながらも陶工の方にサポートいただき、みなさん、思い思いの器を作ることができました。終始質問が飛び交い、お客さん同志の交流も生まれるなど、内容の濃い学びの場になりました。今後もツアーなどを通して、「龍門司焼」を、見る、知る、使う、触れることができるような企画を開催していきます。(鶴窪美佳/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)

d SCHOOL わかりやすい龍門司焼 2025年1月25日(土)開催
薩摩焼のもののまわり –沈壽官窯と龍門司焼– 2025年1月9日(木)~3月4日(火)開催


 
セールス&コミュニケーション
鹿児島|立ち会い販売会
鹿児島に根付くおもてなしの文化、“茶いっぺ”。

鹿児島県薩摩郡さつま町の「長野製茶工場」の長野さんにお越しいただき、立ち会い販売会を開催。北薩地域特有の「浅蒸茶」に、サワーポメロや春菊で香りを付ける新たな楽しみ方も。さつまいもやいちごなど、その時期の旬の食べ物でも同様にアレンジが楽しめるそう。お茶の美味しさや楽しみ方をより多くの方に知っていただけるよう、継続的に開催しながら、さらに掘り下げていきます。そして、長野製茶工場のお茶と共に、鹿児島の方言で「お茶でも一杯飲んでいきなさい」という意味の“茶いっぺ”の心を持ち、穏やかな時間を過ごすきっかけをつくれるよう活動していきます。(鶴窪美佳/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)

→ Instagram|@d_d_kagoshima


 
セールス&コミュニケーション
沖縄|saredoのダーニングワークショップ
楽しみながら長く使うための手法を学ぶ。

奈良県より「saredo」の萱澤夫妻にお越しいただき、沖縄店では3度目となるダーニングのワークショップを開催。萱澤さんの丁寧なレクチャーを受けながら、参加者の皆さんが持参した衣服に、リサイクルコットンで刺繍をしていきます。穴の空いた箇所を補修したり、新たなデザインを加えた衣服は、いっそう愛着の湧く、長く使える“作品”に。自宅用にダーニングセットを買われる方も。持続可能な暮らしへの選択は、身近なところから楽しんで出来るということを体感できたワークショップとなりました。次回は、saredoの糸を使った編み物のワークショップを企画中です。お楽しみに!(吉川寧々/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)

saredoのダーニングワークショップ 2025年1月25日(土)開催
saredoの糸と靴下 2024年12月18日(水)~2月17日(月)開催


 
セールス&コミュニケーション
沖縄|中村洋装の服づくり
“中村洋装のいま”を表現する展示会を開催。

沖縄県北中城村にアトリエを構える「中村洋装」。オーナーの中村卓矢さんのものづくりに興味が湧き、開催に至った本企画展。普段は入ることのないアトリエにお邪魔し、そこでの様子が伝わるような、中村さん愛用の道具たちが並びます。そうした道具を使い仕上がった数々の服は、個性的でありながら、着る人を選ばない魅力があります。さらにその先には、全ての服をオリジナルの一着に仕上げるための“対話”が待っているのです。オーダーメイドに敷居の高さを感じている多くの方に、自分だけの服を仕立て着る機会を提供していきたいと思います。(田口陽子/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)

中村洋装の服づくり 2025年1月22日(水)~3月17日(月)開催
→ dの活動報告|2024.12 アトリエ訪問