その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来に繋げる。
私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、長く続いていることやものを紹介・販売する《セールス&コミュニケーション》、継続性やその土地の個性づくりを開発する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2024年12月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。
ロングライフクリエイション
d47食堂裁縫部
自分の手で直して、愛着を持って着つづける。
12月初旬、D&DEPARTMENTファッション部門コーディネーターの重松に手ほどきを受け、d47食堂のスタッフみんなで制服の修繕ワークショップを開催。日々、制服として着用しているワイシャツやエプロンの修繕方法を学び、実際に縫い付けるところまで行ないます。これまで割れたお皿の金継ぎは何度かやってきましたが、制服を自分たちで直すことは初めて。みんなそれぞれのデザインを持ち寄り、より愛着が湧く制服が出来上がりました。私たちはお皿や料理だけでなく制服も大切な道具ととらえ、修繕しながらこれらも大切に使いつづけたいと思います。(中田碧/d47食堂)
ロングライフクリエイション
富山|生産者訪問
つづくをつくる、2回目となるハードサイダーの仕込みに参加。
南砺市井波にあるブルワリー「NAT.BREW」へ、2回目となるdオリジナルハードサイダーの仕込みのお手伝いに行ってきました。2024年は猛暑に加え収穫直前の強風の影響で傷がついてしまった林檎が多いものの、美味しさは健在。前年よりもしっかりとした甘みの林檎が届きました。林檎の傷の部分だけを取り除き、茎や種ごと砕いてプレスした、旨みを余すところなく搾り取った林檎ジュース。搾りたてを試飲してみると、甘みと香りが豊かで、仕上がりへの期待が一層高まりました。現在は酵母の発酵を待っており、完成は春頃を予定しています。皆さんにお届けできる日を楽しみにしています!(窪田小春/D&DEPARTMENT DINING TOYAMA)
→ NAT.BREW × D&DEPARTMENT DUNK & DRY HARD CIDER 2024年3月発売
ロングライフクリエイション
京都|メニュー開発
自家製にしんにこだわった「にしん蕎麦」。
京都の名物料理「にしん蕎麦」。あまりにも有名で老舗といわれる蕎麦屋のほとんどが提供していて、私たちが踏み込んでいいものだろうか......。しかし思い返してみると、蕎麦屋で「にしん蕎麦」を全くと言っていいほど食べたことがなかった私は、まずは食べてみようと思い有名店から町の蕎麦屋までさまざま食べ歩いた。その中で出会った一軒は、手間を惜しまず自家製でにしんを炊いていて、他とは一味も二味も違う格別な味。「黒だしつゆ」を使うことできっとおいしいにしんが炊ける!と思い、試作を重ねた末に、ようやく年末の一週間だけd食堂京都で「にしん蕎麦」を提供することができた。今後は京都ならではの麺や丼ものも研究し提供していきたい。(成田和弘/d食堂京都)
→ Instagram|@d_d_kyoto
リサーチ&アーカイブ
鹿児島|種子鋏のもののまわり
企画リサーチのため、5年ぶりに種子島へ。
2019年に初めて企画展でご紹介し、次回で6回目を迎える「種子鋏のもののまわり」。高速船トッピーに乗り込み1時間半。つくり手の「梅木本種子鋏製作所」「池浪刃物製作所」「田畑刃物製作所」を訪れました。目の前で鉄の棒が鋏になるまでの工程を見学。火花を散らして打ちつける工程のほか、いくつもの微調整を重ね出来上がる鋏。刃物を製作する緊張感や工場に漂うピンと張り詰めた空気は、伝統工芸品として受け継がれる魂を感じました。職人の皆さんの想いを企画展に落とし込んでいきたいと思います。2025年5月には企画展「種子鋏のもののまわり」を開催予定。ぜひ店頭で、種子鋏の文化や歴史を広く知り、生活の道具である鋏と庖丁に触れてみてください。(内門美里/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)
リサーチ&アーカイブ
沖縄|生産者訪問
個性やパーソナルをファッションで表現する服づくり。
沖縄県北中城村にアトリエを構える「中村洋装」の服は、一見シンプルだが、とても凝ったデザイン。現在活躍中のクリエイターを数多く育ててきた人でもあるオーナーの中村卓矢さんのものづくりに興味が湧き、アトリエを訪問しました。豊富な知識に裏付けされた個性豊かな作品が並ぶアトリエ。中村さんが大切にしているのはお客さんとの対話で、その先の信頼関係の上に出来上がるその人の個性やパーソナリティに寄り添った1着。中村さんのインスピレーションの源はなにか? を探るため、自分たちの視点で深堀りしていきます。(田口陽子/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)
→ 中村洋装の服づくり 2025年1月22日(水)~3月17日(月)開催
リサーチ&アーカイブ
沖縄|生産者訪問
共同窯を次世代に繋げる北窯の文化。
沖縄県読谷村で、親方たちが築いた登り窯のある「読谷山焼 北窯」。日々修繕を繰り返しながら、年に4回、4工房共同で窯を稼働させ、原料となる土づくりから、やちむんを製作されています。その営みを続けてきた工房の1つである「松田米司工房」の窯出しを特別にお手伝いさせていただくことに。次世代の親方となる松田健悟さんの器は、2025年9月に沖縄店でお披露目です。そのタイミングに合わせて、北窯の「伝統を受け継ぎ繋ぐ」思いをテーマにトークイベントも開催予定。これからも体験しながら、器に込められた思いもお伝えしていきます。(島袋みのり/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)
セールス&コミュニケーション
北海道|靴下産業のもののまわり
色とりどりの糸で繕う、saredoのダーニング。
11月から開催した『靴下産業のもののまわり –saredoの靴下と帽子–』の連動企画として、「saredo」の萱澤さんをお招きしダーニングのワークショップを開催。参加者は裁縫経験者から初心者までとさまざまですが、皆さん一緒にダーニングの方法を実践しながら学んでいきます。色の組み合わせや糸の詰め方に、それぞれ個性が現れる様子が印象的で、楽しみながら一つの服を長く使うことの大切さを感じました。持続可能なものづくりを行なっているsaredoの魅力を知ってもらえるよう、今後も継続的に開催していきます。(望月哲門/D&DEPARTMENT HOKKAIDO by 3KG)
→ 靴下産業のもののまわり –saredoの靴下と帽子– 2024年11月4日(月)~12月27日(金)開催
セールス&コミュニケーション
福島|d SCHOOLわかりやすい中ノ沢こけし
おかげさまで京都店は10周年を迎えました。
東北には、こけしが12系統ある。「たこ坊主」という愛称で呼ばれる中ノ沢こけしは、うっすらと赤らんだぎょろっとした目と、大きな頭と細い胴体に牡丹や桜が描かれているのが特徴です。今回はその代表的なこけしの描き方を、小林澄子工人にレクチャーいただきました。さらに、材料を山から切り出してくるところから、多くの工程についても学び、実際に一筆で描く緊張感や失敗を許されない絵付けを体験することで、よりこけしの貴重さを感じました。注目されやすい最後の工程、絵付けだけでない知識を深める機会となりました。(山本阿子/D&DEPARTMENT FUKUSHIMA by KORIYAMA CITY)
→ d SCHOOL わかりやすい中ノ沢こけし 2024年12月14日(土)、12月15日(日)開催
→ 中ノ沢こけしのもののまわり 2024年10月1日(火)~12月29日(日)開催
セールス&コミュニケーション
埼玉|メニュー開発
関野塾の野菜を、黒だしと白だしで味わう。
「d SCHOOLわかりやすい自然栽培 関野塾」で収穫した季節の野菜をグリルし、dオリジナルの黒だしと白だしを添えた「野菜ステーキ」を開発。埼玉店の母体である飲食店部門にて提供しています。d SCHOOLや自然栽培のお話、そして黒だしと白だしのご紹介ができる“三方良し”のメニューで、大変な人気となっています。
野菜のそのもののおいしさを黒だしと白だしが引き出し、だしの新しい使い方の提案にもなっています。組み合わせの商品展開により、さまざまな角度からdの活動を知っていただける良い機会となりました。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)
→ d47食堂の味を家庭で 白だしつゆ・黒だしつゆ
→ d SCHOOL わかりやすい自然栽培 関野塾 2024年3月5日(火)~全22回
セールス&コミュニケーション
富山|GALLERY TALK
富山のサウナ文化を育てる。キックオフイベントを開催。
ギャラリーでの展覧会「とやまのサ活 –みんなで育てる富山のサウナ文化–」の関連イベントとして、トーク&交流会を開催。この展覧会は、富山のものづくり・自然・食などの魅力を「サウナ」を切り口に編集して伝えてみるという試み。現状では、富山のサウナの魅力が知られていない、そして、つくり手自身もサウナ向けにどう商品を提案したらよいのか手探り。トークを通じて富山のサウナの魅力と可能性をお伝えし、各事業者同士が交流できる機会を創出。この会をきっかけに、県内で新しいサウナの取り組みが生まれるといいなと思っています。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)
→ GALLERY TALK とやまのサウナの魅力をみんなで考える 2024年12月4日(水)開催
→ とやまのサ活 –みんなで育てる富山のサウナ文化– 2024年10月18日(金)~12月8日(日)開催
セールス&コミュニケーション
d47食堂|季節のディナー
富山の食文化を伝える、クリスマスディナーを提供。
2024年にお世話になったお客さまと生産者の皆さんに感謝の気持ちを込めて、クリスマスディナー会を開催。富山の食材を取り入れたさまざまな料理をはじめ、郷土料理の「かぶら寿司」や「たら汁」をダイニングらしく洋食に再構築したメニューをお届け。お酒も合わせて楽しんでいただけるよう、料理にも使っている「AGUMOGU」のお米を使った日本酒スパークリングや氷見のワイナリー「SAYSFARM」のシャルドネなど、富山を味わうディナー会となりました。
お客さんからは「馴染みのある郷土料理が洋食として味わえて楽しかった」「またディナー会に参加したい」と、喜んでいただきました。これからも料理を通して生産者さんの食材や、富山の食文化の魅力を伝えていきます。(窪田小春/D&DEPARTMENT DINING TOYAMA)
→ Christmas dinner 2024 2024年12月24日(火)開催
セールス&コミュニケーション
京都|堀井七茗園の宇治茶
堀井七茗園の宇治茶を味わう、試飲会を開催。
2023年から年末の恒例となった「堀井七茗園」の試飲会。今回も茶商・前田真吾さんにお越しいただき、dオリジナル宇治茶を中心に試飲会を開催していただきました。抹茶を希望された方には、特別に「京菓子司 金谷正廣」の金谷亘さんが手がけた、この日だけの生菓子も提供。(dオリジナル調味料「ごまがら実山椒佃煮」入り!)体験された方もお茶とお話を楽しむ機会となりました。同じ茶葉でも淹れる温度や抽出時間によって、味わいが変わることに毎回驚くのですが、茶葉の種類、淹れ方……と、まだまだ奥が深いお茶の世界をこれからも掘り下げていきます。(門脇万莉奈/D&DEPARTMENT KYOTO)
→ 堀井七茗園の宇治茶 2024年12月12日(木)~2025年1月26日(日)開催
セールス&コミュニケーション
沖縄|ホーケンのはちみつ化粧品
初開催!化粧品を通して伝えるロングライフデザイン。
『d design travel』埼玉号からのご縁で、d47で定期的にイベントを開催している基礎化粧品ブランド「ホーケン」が沖縄店に初上陸。「ひとりひとりのお客様を大切に」という創業者の遺志を継ぎ、宣伝を一切行なわず通信販売と口コミだけで販売し続けて今年で97年。ミツバチロゴのパッケージは、創業当時から変わらないデザインです。今回、それほど長く愛され続けている商品を、沖縄で実際に手にとっていただける貴重な機会となりました。沖縄店スタッフもいちファンとして、これからもその魅力を発信していこうと思います。(田口陽子/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)
→ ホーケンのはちみつ化粧品 2024年12月4日(水)~12月23日(月)開催