その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来に繋げる。
私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、長く続いていることやものを紹介・販売する《セールス&コミュニケーション》、継続性やその土地の個性づくりを開発する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2024年10月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。
リサーチ&アーカイブ
ロングライフデザインの会|第16回 dd SCHOOL
簗田寺から学ぶ、地域と繋がる“みんなの場所”
「ロングライフデザインの会」の会員の皆さんとdスタッフが、「ロングライフデザイン」の先駆者から学ぶ勉強会を開催。講師は、東京・町田市にある「東向山 簗田寺」の副住職・齋藤紘良さん。当日は、鳥の声や木々の揺れる音など、齋藤さんが簗田寺の裏山で収録した音源をBGMにスタート。お寺に隣接する焙煎所「OCNZEN COFFEE」の小井土雄太さんによるドリップコーヒーや精進弁当を味わいながら、実店舗の在り方において、みんなの場所になるために必要なことは何か? を紐解きました。
齋藤さんのお話の中で特に印象的だったのが、仏教用語でもある「知足安分(ちそくあんぶん)」という言葉。ないものを求めるのではなく、すでにあるものごとに目を向け捉え直す。足元を見直すことが、活動の幅を広げ深めていくことに繋がるのだと感じました。さらに、「関わる人が増えることで、500年続く場所になる」と、齋藤さん。私たちも過去と未来の人も含め、思いを共にする仲間を増やしながら、 “つづくをつくる“を生み出していきたいと思います。(渡邉壽枝/ロングライフデザインの会 事務局)
→ 第16回dd SCHOOL 簗田寺から学ぶ、地域と繋がる“みんなの場所” 2024年10月18日(金)開催
リサーチ&アーカイブ
富山|とやまのサ活 –みんなで育てる富山のサウナ文化–
富山のものづくり、自然、食の魅力を「サウナ」の視点で考える。
D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERYの58回目となる展覧会は、「サウナ」を切り口に、富山の多様なものづくりや、豊かな自然・食文化を伝える試みです。サウナ向けにつくられたものに加え、すでにあるものをサウナ視点で再評価したり、県内の資源を使って新しいサウナグッズを開発したり、現代のニーズに合ったものづくりや体験を提案。12月4日には、富山の文化としてサウナを根付かせるために必要なことを考えるトークイベントも開催予定。県内のサウナファンの皆さまを繋ぎ、一緒に富山のサウナ文化を盛り上げるきっかけにしたいと思います。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)
→ とやまのサ活 –みんなで育てる富山のサウナ文化– 2024年10月18日(金)~12月8日(日)開催
→ GALLERY TALK とやまのサウナの魅力をみんなで考える 2024年12月4日(水)開催
リサーチ&アーカイブ
鹿児島|生産者訪問
誰もが自然体で活動できる、工房しょうぶを訪問。
緑いっぱいの心地よい環境の中で、木工・陶芸・和紙・布といった工芸の創作を通し、個性を発揮できる居場所と自由な表現の場をつくり出す、知的障がい者支援施設 「しょうぶ学園」。針1本で縫い続ける「nui project 刺繍のシャツとバッグ展」では、自然体で活動できる環境によって生み出された、創造力に富んだ各者各様の世界を味わうことができ、“障がい”こそ豊かな表現を生む“特性”だと訴えかけてきます。
今回買い付けた作品は、鹿児島店の店頭にてご紹介。また、12月開催の企画展「岩手 滴生舎の漆器」では、“もののまわり”として「工房しょうぶ」の漆器も展開予定です。商品を販売するだけではなく、見て、聞いて、感じたことを“私たちらしい”言葉で伝えていく活動を続けていきます。(鶴窪美佳 /D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)
セールス&コミュニケーション
埼玉|d SCHOOLわかりやすい自然栽培 関野塾
冬野菜の種蒔きから、間引き菜のご褒美。
夏野菜の片付けを終え、冬野菜の種を蒔く時期になりました。芽が出ていない箇所は蒔き直しを行ない、固定種は確実に発芽を促すため、少し多めに種を蒔きます。2週間後には、たくさんの小さな芽が土から顔を出し、間引きをしながら1本を残し成長を促します。そして、採れたての間引き菜を食べられるのが、生産者の特権。大変な作業の後には、スペシャルな副産物を得ることができます。「自然栽培の野菜を食べる」ことが、もっとたくさんの人の「ふつう」になるよう活動を続けていきます。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)
→ d SCHOOLわかりやすい自然栽培 関野塾 2024年3月5日(火)~全22回
セールス&コミュニケーション
d47食堂|広島のつづくをたべる会
編集部と一緒に、広島のつづくを食の視点から考える。
『d design travel』広島号の発刊に合わせて、d47食堂のスタッフも現地に足を運び、地元の方々に環境や食文化を取材。私たちの視点で編集した「広島定食」を開発しました。関連イベントである「広島のつづくをたべる会」では、定食で紹介しきれなかった料理を一夜限りでご用意。在来のお茶をつくる「TEA FACTORY GEN」や「岡本醤油」などの生産者さんをご紹介すると共に、西条市の酒文化から学んだおもてなし料理「美酒鍋」を、食堂の料理人・安部の実演を交えながら提供しました。参加いただいた方からは「進化し続けている広島を感じることができた」と嬉しいお声も。広島定食は、12月上旬までお召し上がりいただけますので、ぜひお立ち寄りください。(大北吾子/d47食堂)
→ 広島のつづくをたべる会 2024年10月5日(土)開催
→ 広島定食 2024年9月20日~12月上旬提供予定
セールス&コミュニケーション
d47|Classic Ko 蒔絵・螺鈿のアクセサリー
漆の装飾技法を学び、手を動かすことで見えるもの。
石川県「漆工芸大下香仙工房」の5代目で、伝統工芸士の大下香仙さんに漆の装飾技法を学び、アクセサリーをつくるワークショップ。土台となる白蝶貝や琥珀に、自分で考えたデザインを蒔絵や螺鈿で表現していきます。漆で細い線を引くことがどれだけ大変か、実際に体験することで職人の技術の高さを痛感。漆などの素材や道具に触れ、自ら手を動かすことで、伝統工芸についての解像度が上がる機会になったと思います。参加いただいた皆さんが、「手先が震える!見ない!」と言い合いながら、終始笑いの絶えない時間を過ごされていたのも印象的でした。(長島加奈恵/d47 MUSEUM
→ d47 蒔絵・螺鈿でつくるアクセサリーワークショップ 2024年10月12日(土)~10月14日(月・祝)開催
→ Classic Ko 蒔絵・螺鈿のアクセサリー 2024年10月12日(土)~10月27日(日)開催
セールス&コミュニケーション
京都|滋賀のつづくをたべる朝ごはんの会
食堂の縁側で、人が繋がる朝。
10月29日、滋賀県「針江 のんきぃふぁーむ」の石津さんを迎え、品種の異なるお米「いのちの壱」と「滋賀旭27号」を竈門で炊いて食べ比べました。滋賀県「魚治」の佃煮、大阪府「谷町納豆工房」で作っていただいたdオリジナル納豆、長野県「稲村豆腐店」の木綿豆腐もご紹介。さらに滋賀県「冨田酒造」の「七本槍」などで角打ちと、もりだくさん。「縁側に座ってみたかった!」と旅行中の家族や常連の方、京都の作り手や谷町納豆工房の方、たまたま京都にいらっしゃった岡山県「ルーラルカプリ農場」の方にも参加いただきました。食について、たべる場について、発酵について……語り合いながらの爽やかで和やかな会。甘い湯気を出して炊きあげた新米で、皆さんの心とお腹をいっぱいにできたでしょうか。“つづくをたべる”京都の縁側での催しは、その解放感や満足感も含めて、人を繋ぐ場に育てていきたいと改めて感じた朝でした。(内田幸映/d食堂京都)
→ Instagram|@d_d_kyoto
セールス&コミュニケーション
京都|d SCHOOL わかりやすい米づくり
作り手の思いを聞いて、食べて、お米本来の美味しさを知る。
米農家・齋藤碌さんへの取材で訪れた際の感動体験をきっかけに、「d SCHOOL わかりやすい米づくり」を開催。日本の主食であり、農業の原点ともいえる「米」を知ることで、稲作と日本の暮らしの深い関係性と、今の暮らしにも繋がるヒントがあると考えました。会の途中で、碌さんの新米でつくったおむすびを提供。作り手の思いを聞き、食べることで碌さんの米づくりの姿勢に惹かれ、美山町への興味に繋がったことも嬉しい出来事でした。会の終了後も、質問や参加者同士の会話が絶えず、私たちも継続して向き合いたいテーマとなりました。(岩橋辰洋/D&DEPARTMENT KYOTO)
→ d SCHOOL わかりやすい米づくり 2024年10月25日(金)開催
→ レポート| 「おかわりしたいお米」美山町 齋藤 碌さんの米作り
セールス&コミュニケーション
沖縄|NIPPON VISION MARKET
沖縄の自然の恵みを身につける。
沖縄本島中部東方に位置する浜比嘉島で、自然の恩恵を受けながらアクセサリーを制作する「かいのわ」の川初真さんと純子さん。貝の輝きに魅了された川初さんが、今回、新たなチャレンジとして取り組まれた指輪をご紹介。会期中は、制作に使用する機械を持ち込んでいただき、研磨実演会も開催。夜行貝が変容していく様子や貝の魅力、川初さんのものづくりに対する熱い思いを知っていただく機会となりました。今後はワークショップも行なう予定で、さらに魅力を伝える活動が始まります!(田口陽子/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA 3)
→ 「かいのわ」のゆびわ 2024年8月28日(水)~10月28日(月)
ロングライフクリエイション
富山|メニュー開発
食事から魅力を伝える、富山オリジナルメニューを提供。
小麦のみでつくる「日東醸造」の麦醤と、「やまくに」のいりこを組み合わせたdオリジナル「白だしつゆ」。富山ダイニングでは、サラダのドレッシングや限定メニュー「いりこのキーマと白だしつゆの冬瓜すりながしカレー」、週替わりパスタ「生ハム、秋茄子、プチトマトの『やまくに』いりこ出汁ソース」を開発し提供。白だしつゆの上品でまろやかな風味と豊かな香りが料理の素材を引き立て、「やまくに」のいりこがさらにうま味を追加。料理を食べていただいた方が「自宅でもいりこカレーを作りたい!」と、商品を購入くださる場面も。食事を通して、商品の魅力をより身近に感じてもらえるよう、そして暮らしに取り入れてもらえるよう、これからもメニューや生産者さんの紹介に努めていきます。(窪田小春/D&DEPARTMENT DINING TOYAMA)
→ Instagram|@d_d_toyama
→ d47食堂の味を家庭で 白だしつゆ・黒だしつゆ D&DEPARTMENT各店、ネットショップで販売
ロングライフクリエイション
三重|メニュー提供
3年目を迎えた、秋限定の栗dどら。
三重県津市産の栗を使った自家製の甘露煮と、「伊勢製餡所」と共同開発したdオリジナルの白あんを合わせた秋限定の「栗dどら」。一つひとつ栗の皮を剥き、コトコト時間をかけて仕込む甘露煮は、三重店メニューの中でも一二を争うほど手間がかかりますが、その分美味しさも詰まっています。
昨年買えなかったからと何度も足を運んでくださる方や、以前食べて美味しかったから今年も買いに来ました! と、楽しみにされている方がいることが何よりも嬉しい。三重の豊かな素材を使いながら、これからも変わらずにおいしいdどらをつくり続けていきます。(溝田麻子/D&DEPARTMENT MIE by VISON)
→ Instagram|@d_d_mie