地域の魅力を再確認し、発信するワークショップ『d design travel WORKSHOP』特別号に参加してみよう

都道府県ごとにそれぞれの土地の魅力をまとめてきた『d design travel』。これまでに24の都道府県が発刊され、先日は24号目となる岩手号が発刊されました。

『d design travel』では取材対象選定の考え方として

・その土地らしいこと

・その土地の大切なメッセージを伝えていること

・その土地の人がやっていること

・価格が手頃であること

・デザインの工夫があること

という基準があり、編集部が自信をもってこの土地に行く際はぜひここを訪れてほしい!という場所のみが厳選して掲載されています。

逆に、自分たちの町に大切なお客様がいらっしゃった場合、どんな場所にお連れしようかと思いを巡らせてみたことはあるでしょうか?この場所に来てよかった、また来たいと思っていただけるような場所、巡り方、過ごし方…など、もしかしたらいくつかは頭に浮かんでくるかもしれません。

そんな風に、自分たちの町の魅力を「その土地ならではの楽しみ方」を基準に考え、一冊の特別号として市民参加でまとめていくのが『d design travel WORKSHOP』特別編集号です。

これまでいくつかのワークショップが開催されてきましたが、今回は私が参加させていただいた、沖縄県うるま市、そして埼玉県熊谷市の例を参考にご紹介していきます。

初回は、『d design travel』の発行人であるナガオカケンメイが、『d design travel』発行の経緯、そしてその土地の魅力の見つけ方などを講演することから始まります。のちに、自分たちの町らしさってなんだろう?というワークショップへ。

参加者はその土地の方が多く、地域に精通しているため、様々な候補が出てきます。

その後、希望者24名を選抜し、いよいよ特別編集号の制作ワークショップがスタートします。

参加者は、大学生を始め、サラリーマンやOL、主婦、ショップの店員、デザイナー、建築家…など、それぞれ年齢や立場も違う人たち。

このワークショップがなければ、繋がることがなかなかできなかったであろう人たちが、6つのカテゴリごとのグループに別れ、グループリーダーを決めつつ、それぞれのチームごとに特色が表れてくるのも楽しいものです。

第1回のワークショップでは、候補地の選定のための「ロケハン」について。 どんな視点でロケハンをするのか?ロケハン時のマナーや、見るべきポイントなどを学んだ後、グループごとにロケハンに巡ります。ロケハンの報告は、LINEやFacebookグループなどのグループ内で公開され、それぞれのグループごとの盛り上がりを感じられます。

第2回のワークショップでは、ロケハンの発表と取材先の選定。参加者たちはロケハン先の魅力をPRし編集部へ提案していくのですが、自分たち目線で見た町の印象と、外から見たその町の印象、その双方で何をどう整理して掲載していくのかを、すこしずつ学んでいきます。

時には「その土地らしさってなんだ?」ということに、ウンウンと悩むことも。でも、この悩みの時間が、後々に完成の喜びを最大限に膨らます過程にもなるわけです。

いよいよ候補地が決まると、それぞれが1件ずつを担当して取材と撮影、そして原稿の執筆へ。

コーディネーターと事前に質問事項の内容を確認して準備を整え、ペアになってお互いをフォローし合いつつ、緊張の初取材を。限られた時間の中で、お店のこと、話をしてくださる方のことを理解していくのは難しいのですが、これまで知らなかった取材先の想いを知ることで、地域の魅力としてきちんと伝えていこうという気持ちに拍車がかかります。

もちろん、原稿を書くのは大変。「伝えたい思いがこの文字数では収まらない!」とか、「伝えたいことをどう表現していいのかわからない」など、さまざまな想いが溢れてくるのもワークショップならではの醍醐味です。

第3回は、編集部の校正確認の回。頑張って書いたはずの原稿に真っ赤な修正指示が入るの見るのは、ショッキング!!でもあるわけですが、なぜその修正が必要か、この修正を通してさらにより伝わる原稿に仕上げていくためにとても大切な工程です。そこに住んでいる人には当たり前だと思っていた文化や風習が、外からの人には新鮮で知らないことだったり、より魅力を感じる視点が、別であったり……。そんな風に精査を重ねて仕上がった原稿は、取材先への確認を経て、いよいよ誌面デザインへ。

そして、待ちに待った特別号の完成です。

どうでしょう、この笑顔の数。これまでひとつの原稿を仕上げるために、悩んだこと、思いを巡らせたこと、仲間同士で励まし合ったこと。

様々な過程を経て、完成した特別号を手にし、参加者皆さんが満面の笑み。そして自分たちの町の魅力をたくさんの人に伝えていきたいという気持ちにあふれています。

ワークショップ自体は、とてもわかりやすいもので、どんな方でもお気軽にご参加いただけます。

初めての取材や原稿を書く時など、思い詰まることもありますが、参加者同士や、編集部やコーディネーターのサポートを経て仕上がった特別号を手にした時の感動はひとしおのもの。この感動を、地域の皆さんと共に味わえるのが、コーディネーターとして一番の喜びです。

ワークショップ号を作る……というだけでなく、共通の目標をもって参加した方同士の繋がりが地域を盛り上げていく動きにも繋がっています。

熊谷のワークショップでは、提案するホテルにワークショップ参加者が合宿のように集い、今後の熊谷を盛り上げるためにどんな活動が必要なのか……と、夜な夜な語り合ったり、地域のタグラグビーイベントに、「d design travel KUMAGAYA」編集チームで参加したり……、参加者で熊谷うどんを作ってみたり……強い結束で繋がるチームが作られていきます。

 

近々のワークショップは、千葉県海浜エリアを中心に開催が予定されています。

初回のトークショーは11月25日(日)。その後の連続ワークショップは12月8日(土)から開催されます。是非皆さんも、地域の魅力を発信していくワークショップに参加されませんか?

d design travel WORKSHOP 千葉海浜エリア号

 

●トークイベント

『d design travel』発行人ナガオカケンメイが、トラベル誌を発刊するに至った経緯や、これまでの取材を通して地域をまわりながら感じたこと、“その土地らしさ”とは?について、お話しします。

日時:2018年11月25日(日)13:30~16:00(受付・開場13:00)

会場:幕張テクノガーデン1401号室(D棟)/千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目3番地

詳細はこちら

 

●ワークショップ(全3回)

d design travel 編集部による3回のレクチャーにより、ワークショップ号に掲載する「その土地らしさ」が見出せる場所の選定、取材の方法、自分たちの言葉で伝える原稿の書き方を学べるワークショップです。実際にご寄稿いただいた原稿をもとに、一冊のタブロイド誌を作り上げていきます。

 

ワークショップ①

2018年12月8日(土)18:00~20:00

会場:幕張テクノガーデン

 

ワークショップ②

2019年3月2日(土)18:00~20:00

会場:JR京葉線 検見川浜駅周辺(後日参加者へご連絡)

 

ワークショップ③

2019年5月11日(土)18:00~20:00

会場:JR京葉線 検見川浜駅周辺(後日参加者へご連絡)

詳細はこちら

 

主催:海浜くらしの研究所

運営:D&DEPARTMENT PROJECT