d news床と小屋プロジェクト。阿久比の風景を残すために進化を。

「町の人と町を作る」
d news aichi aguiが大切にしていることです。
2021年末、愛知県阿久比町に
クラウドファンディングによって
オープンしたこの場所は、
まさに町の人と町を作りながら
素晴らしい場所になりました。
 
しかし、まだまだ発展途上。
 
「町の長く続くものを魅力的に発展させたい」
「町の風景でもある建物を活用して、
結果として町の景色を残したい」
そのためには、さらなる進化が必要です。
 
2度目のクラファンは、
床と小屋プロジェクト。
 
前回ご支援いただいた方も
ご縁があってはじめて知っていただいた方も。
どうかメンバーになっていただき、
新たな町おこしを応援してください!
 
2023.2.15
ナガオカケンメイ
 
ナガオカケンメイが故郷・愛知県阿久比町に開いた店舗 d news aichi agui
d news床と小屋プロジェクト。阿久比の風景を残すために進化を。|READYFOR
プロジェクトの詳細・支援は【こちらのリンク】から

 
d news aichi agui オープンから一年が経ちました
 
d news aichi aguiとは
d news aichi aguiは、私が2000年に立ち上げた、"その県らしい長く続くもの、ことを紹介販売するストア"、「D&DEPARTMENT」(以下d)の「市町村」バージョンです。

d news aichi agui外観

D&DEPARTMENT外観
都道府県単位で日本をダイミックかつ繊細に紹介していくdに対して、d newsは「町の文化度を2度あげよう」をキャッチフレーズに、市町村だからこその時間の流れや、ゆっくりじっくり作り出す食文化や伝統、風土などを都会的なスタイルではなく紹介していくプロジェクト。「その土地のペース、らしいスタイルで無理なく継続的に自分たちが創造していく」ことにチャレンジしています。
私の故郷、愛知県知多郡阿久比町に所在するd news aichi aguiは、d newsの国内1号店です。阿久比町は、深夜まで営業している店がない町。都会的なものはないですが、この町だからこそのゆったりとした時間が流れる場所です。かつては機織り産地だったため、今でもノコギリ屋根の工場跡など良いものがたくさん残っています。d news aichi aguiも機織り工場の跡地を活用して誕生しました。

今も残るノコギリ屋根

ゆったりとした時間が流れる阿久比町
 
ゆっくりと阿久比町に暮らしながら、宣伝やメディア取材に頼らず、土地に暮らす人々の関係性や土地の個性から「町の長く続くものを魅力的に発展させたい」「町の風景でもある建物を活用して、結果として町の景色を残したい」と考えています。
 
皆さんと一緒に立ち上げた場所です
d news aichi aguiは、クラウドファンディング(クラファン)を使い、町民を中心に近隣市町に呼びかけ、集まった支援によって2021年12月に誕生しました。第1回の支援により、阿久比町が機織りの産地である物語を残し、そして、活用することができました。本当にありがとうございました。


支援により実現した工事の様子
 
初めてこの建物の中に入り「わぁ、こんな風になっていたのか」と、感動される様子は、今日までずっと続いています。オープン当初から現在まで、支援者の方々からそのお友達へと広がる輪により、素晴らしいお客様に利用していただいてきました。

クラファン支援者の方々との懇親会も開催
 
ここで言う「素晴らしいお客様」とは、この場所の目的を理解くださり、応援を続けてくださる皆さんです。店と客という垣根を越えなければ「町の長く続くものを魅力的に発展させる」ことなど、できません。実際に店と客の垣根を越えて、スタッフになってくれた方もいました。他にもd news aichi aguiではトークショーや古書市などのイベントが開かれますが、いつもお客様に「どんなイベントが良いか」というのを尋ねながら企画しています。

レジ前に設置されたストーブ。「薪ストーブが欲しいよね」ということでお客様が寄付を集めて設置が実現しました。
 
こうして皆さんと一緒に作り続けて1年。「町の人と町を作っていく」ことを大切に、d news aichi aguiは素晴らしい場所になっています。
 
今回のクラウドファンディング
 
成し遂げたい2つのこと
第1回のクラファンで、皆さんと作り上げ、そして発展してきたd news aichi aguiですが、実はまだまだやりたいことが残っています。それは、次の2つです。

町の長く続くものを魅力的に発展させ、町の風景を残すためには、まだまだ道半ば。第1回のクラファンに続き、どうか今回も新たな一歩を皆さんと踏み出したいと考えています。

 
成し遂げたいこと① 靴を脱がなくても良い床に
 
「靴を脱いだり履いたりするのが、とても大変なのよ」
立ち上げ時の予算的な制約から一部だけ新調した木の床は、利用する皆さんに「靴を脱いでいただく」ご不便をおかけしています。そこで今回、この床の全面にブロックを敷き詰めて、土足のまま入店できる床にしたいと考えています。

売り場の様子。このエリアは靴を脱ぐ必要があります。
 
そもそも「知多の、この地域のものを手にとって知ってもらいたい」思いで作った場所。この靴脱ぎ問題は、当初は「生活雑貨を家のような居心地(靴を脱いで)で見てもらいたい」と考えていましたが、ある日、一人のお客さんから「あのね、お年寄りの方って、靴を脱いだり履いたりするのが、とても大変なのよ」と、助言いただき、本当にハッとしました。

奥は土間なので靴のままで大丈夫ですが、手前の売り場は靴を脱いでいただく必要があります
 
本来の計画に立ち返って
実は立ち上げ当初の計画としては床の全面にコンクリートを流し込んですべての段差、凹みをなくし、入り口から車椅子の方でもスムーズに入れるよう計画していました。しかし、40年以上使われてこなかった工場を居心地のあるカフェ、ショップに改装するためには、トイレやエアコン、厨房やそもそもの上下水道工事や大型のエアコンを動かせる電気工事などなど、いろんな所にお金が必要となり、店として開業できる状況をまずは目指すことにして、床を諦めました。
そして1年間営業してみた経験から、みなさんに再度、ご協力をお願いすることとしました。
その他、店の中が寒くならないように新たにガラス製の入り口を作成したり、店内に収納棚を新たに作成したりなど、この1年間で見えてきたd news aichi aguiの課題を解消できる工事を実現します。

細かな凸凹が残っている床(今回の工事で解消されます)

店内に風が吹き込まないようガラス製の入り口(風除室)を設置予定

今回の工事後のイメージ図
 
成し遂げたいこと② 小屋の移築
 
町の大切な風景の一部を残す
d news aichi aguiを立ち上げる際、何度かの説明会の中で「町の風景でもある建物を活用して、結果として町の景色を残したい」と、みなさんに呼びかけてきました。ここ阿久比店にいると、お客様とよくこうした話になります。そんなある方が「今度、母屋を解体し、更地にするのでその横の小さな小屋でよかったらもらってくれませんか」と。それが今回、移築をする小屋です。

移築する小屋。屋外トイレだったそうです。
 
今という時代に取り壊される建物は、その大小、公共か個人かに関わらず、町の大切な風景の一部です。この小屋に限らず、今後も町の住人の皆さんと一緒に大切な風景を残し続けたいと思っていますが、まずはその第1弾です。
 
小屋の解体も、お客様と一緒に
実は移築に向けて、小屋の解体はすでに終えています。店のお客様に呼びかけ、10名近いボランティアチームで行いました。

ボランティアの皆さん。本当にありがとうございました。
 
外壁は朽ちてボロボロ。しかし、それが阿久比の風景を作っている一部であることをみんなで共有していますので、ぽろぽろと割れてしまう状態でも丁寧に釘を抜き、一枚一枚、丁寧に取り外し、番号を書いて移動しました。

少し引っ掻いただけでもぼろぼろです。
 
大変だったことは2つ。一つは大工さんの技が感じられる「ほぞ」などの継ぎ方が素晴らしく、とても丈夫に組まれていることで分解が困難だったこと。そして、屋根に乗っている「瓦」を外し、もう一度新しい場所で再現できるように記録していくことでした。
 
移築後は貸しギャラリーに
この小屋はd news aichi aguiの向かい側の駐車場横に建て、阿久比町も含めた知多に暮らす皆さんに使っていただける「貸しギャラリー」に活用させていただきます。
まずは基礎をコンクリートで作り、部材を組み立て、ショップの床に使っていた木材で補強し、同じくショップの床に敷き詰められていた断熱材を小屋の壁に敷き詰め、丁寧に剥がした外壁板を今度も丁寧に釘などで貼り付け、そして、瓦職人によって屋根を葺きます。

解体した部品は全て大切に保存しています。ここからスタートです。

小屋の瓦は隣町「高浜市」産。高浜市長の助言を頂き、瓦生産者さんや屋根職人さんの協力も。
 
広さはおよそ3畳と狭いのですが、1日単位で有料にて貸し出し、お孫さんの作品展や、それぞれの得意を生かした出張店舗、マッサージや個人リサイクル店など、いろんなアイディアを募り、活用し、住人の個性の発揮される場としていけたらと思っています。

移築後の小屋のイメージ図
 
「クラファン」を続ける理由
 
「町を良くしたい」という目標を一緒に目指す覚悟
前回のクラファンは、完成予想スケッチを描いたチラシを地域の仲間「チーム愛知」のみんなで一軒一軒ポスティングしたり、町内で商売をやられている会社の方に説明をして回ったり、まるで選挙運動のような思いでした。

プロジェクト特に応援くださった地域の仲間「チーム愛知」のメンバー
 
でも、自己資金で一方的に作るのではなく、みんなの理解という一票をいただく。こちらのビジョンを共有して「町を良くしたい」という目標を一緒に目指す。クラファンという方法は、それができる素敵なスタイルだと、この時思いました。
第1回もそうでしたが、今回もAll or Nothingという、終了日までに目標金額に到達していなければ不成立となり、1円も手元に入らないシステムで挑戦しています。これは、こちらの「覚悟」です。
 
クラファンをきっかけに生まれるつながり
また、クラファン支援者の方々の名前は店の壁にネームプレートとして刻まれています。これはd news aichi aguiが続く限り残るので「自分の支援をきっかけに生まれた場所である」ことをずっと意識できます。中にはプレートの前で記念写真を撮り、この場所の説明をしてくださる方もいらっしゃいます。この光景を見ていると、クラファンは、その支援をきっかけに社会に参加できるということなのではと、僕は感じています。

壁のプレートにはクラファン支援者の方々のお名前が。
 
これからも、壊される町の風景になっていた建物や工場が見つかるたびに、みなさんにクラファンを呼びかけていこうと考えています。その一つ一つが、みんなの一票一票が、具体的に町の風景を残すアクションにつながる。そう願って。
 
まだまだ道のりは途中です
 
町の人と町を作る
改めてお話ししますが、d news aichi aguiをはじめ、d newsで一番やりたいことは第1回のクラウドファンディングから何一つ変わっていません。それは、「町の人と町を作っていく」こと。
会社の経営者や車の修理やさんだけではなく、子供やお年寄りや家庭を守るお母さんなどなど。カフェがあって、売り場があり、僕らとのなんてことのない立ち話から、アイディアが出ることはあります。

「阿久比の町歩き」に参加されたみなさんと
 
最終的にはそのアイディアで町に昔からあるものを新しく進化させたり、見え方を変えて若返らせたりできる。そんな「商品開発型カフェ」になれたらと思っています。それには町の人と技術を持った人、国家資格を持った人やアーティストなどが、偏らずに楽しく絶妙に混じり合い続けられる場所が必要です。新しく建てるのではなく、その町の風景の中で、ゆっくりじっくりやっていく。
 
昔を感じながら、新しい明日へ
そのためには昔の要素と今の若々しい要素、建築の要素、ファッションの要素、食文化の要素やトレンドな香りもちょっとだけ必要です。偏った人だけが面白がる場所ではなく、子供達も来れる場所。そんな場所をみんなと一緒に作っていきたいと思っています。

今のような古いままでも、ショップやカフェはもちろんできます。しかし、僕がこの場所で目指したかったことは、「昔の様子の保存」ではなく「未来をあらゆる世代と感じ考える場所」です。昔を感じながら、新しい明日をイメージしてもらいたい。そのためにも床と、小屋の移築を完成させたいのです。
そんなことに関心のあるみなさんの「私的な文化予算」の中から、「町のためになるな、これは」と、思って頂き支援で参加していただけたら、一緒にこのd newsを通じて、町の文化度をあげていけたらと思います。

 
 
応援の声をいただきました
山下アキさん(イラストレーター)
山下さんには、昨年d news aichi aguiのゲストルームに特別滞在していただきました。

チーム愛知メンバーと山下アキさん(写真左から3番目)

今回のクラファンのリターンにも、ゲストルームの特別ご招待がついているコースがありますので、ぜひご検討ください。
 


 
ナガオカケンメイが故郷・愛知県阿久比町に開いた店舗 d news aichi agui
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