静岡県の遠州産地・天龍社産地へ行ってきました

静岡県磐田市へ、「LIFE STOCKプロジェクト」で使用する遠州織物の生地探しに行ってきました!

静岡県には、日本三大綿織物産地としても知られている「遠州産地」と、全国生産量の95%以上を占めるベッチン、コーデュロイの産地である「天龍社産地」という2つの産地があります。この二つを合わせた織物が「遠州織物」と呼ばれています。

今回の産地巡りは、磐田市商工会経営支援課の鈴木さんに案内していただきます。鈴木さんは、何かファッション周りで困ったことがあると、一緒に解決してくれる頼れるキーマンです。

まずは天龍社産地にある、コットンガーゼストールの生地を織ってもらっている「遠州ネット」へ。新商品のカーテンについて打ち合わせを兼ねて工場を見学させていただきました。

遠州ネットは、からみ織に特化した機屋です。からみ織は、ねじりながら交差させた経糸に緯糸を通すことで糸と糸の間に隙間が作り出されます。そのため、透け感や立体感を生み出し、清涼感ある織物となります。元々は、伝統的な蚊帳に使用されていたようですが、今では、衣料品として使われることが多くなっているそう。


乾燥して糸が切れないように、加湿器が点々とあります。


からみ織の中にも種類があり、透け具合を変えたり、からみ織と他の織組織を組み合わせ、生地に模様や凸凹感を付けたりなどと、デザイン性の高い生地も生み出せるようです。代表の佐野さんは、鈴木さんと話している中で「こういう生地もつくってみたい」と話されていたり、私たちがこんな生地はないですか?と尋ねると、すぐに要望の生地を出していただいて見せてくれたりと、今ではなかなか作ることのできないからみ織を続けていくその姿に職人魂を感じました。
からみ織の特性を生かしたカーテン、とても良いものが出来上がりそうで楽しみです!

 
次に、生地探しへ。
コーデュロイやベッチンをはじめとした生地を選んでいきます。

コーデュロイといえど、全て同じでなく、畝の幅が細かったり、太かったり、生地の厚みが少しでも異なるだけで、印象が違うのがおもしろい生地です。ついつい、その差を見ては睨めっこをして選んでいました。

 
磐田市商工会にも生地があるそうで、見に行きました。ここでも、またまた良いコーデュロイの生地とベッチンの生地を見つけてきました!

 
続いて、浜松産地にある「鈴木晒整理」さんへ向かいます。

鈴木晒整理は、染色や特殊仕上げ加工をしている会社です。生地が出来上がる中で、この最後の工程の“仕上げ”が肝になるのだが、鈴木晒整理さんの加工は本当に素晴らしいという事を鈴木さんに車内で教えていただきました。

実際に鈴木晒整理が加工をした生地を触らせていただくと、一同とっても良いね…と半ばため息混じりに話していました。質感や風合い、光沢感など、見せていただいたどれもに惹かれ、胸をときめかせていました。そして、展示会の際に製作する見本反を購入させていただきました。

さらに、加工をしている工場を代表の鈴木希昌さんに案内していただきました。

工場内のどこを見ても、常時、さまざまな機械と生地が工程毎に、自由自在に動いていて、テーマパークにいるかのように高揚していました。どの工程もタイミングやその日の天気などに合わせて調合したり、細やかに配慮して仕上げをしていることを教えてもらいました。

 
移動中はノコギリ屋根の工場が見えたり、鈴木さんがあそこも工場だよ、と教えてくれたりするので、この街が織物の町であることを実感しました。そして、いつもお世話になっている方とお会いできることがこんなにも嬉しいのか!と身にしみる訪問となりました。日頃の感謝も直接伝えられ、これからは顔を思い浮かべて仕事をできるのが嬉しいです。