dの活動報告|2022.11

その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来につなげる。

私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものの価値を学び伝える《セールス&コミュニケーション》、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、継続性やその土地の個性づくりを開発・支援する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2022年11月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。


 
ロングライフクリエイション
D&DEPARTMENTオリジナル商品
価値ある素材を再利用。オリジナルクッションを開発しました。

ものづくりの現場(ファクトリー)で廃棄されてしまう価値ある素材を再利用した「ファクトリークッション」が誕生。家具メーカー「秋田木工」や椅子張替業者から椅子の座面の製作時に出るウレタンクッションの端材を分けていただき、就労継続支援B型事業所で働く方々にお願いをして小さくカット、透ける生地で包みました。中身が異なる個性を活かして、カバーをかけずにそのままアートピースの様にインテリアに取り入れてほしいクッションです。(笹倉隆子/D&DEPARTMENT 商品部)

特集|ものづくりの現場から生まれたファクトリークッション


 
リサーチ&アーカイブ
埼玉|「紙宮|和紙作家 森田千晶展」飯山市美術館
埼玉の自然と暮らしから生まれる、森田千晶さんの手仕事。

d design travel SAITAMA』の表紙を飾った、和紙作家・森田千晶さんの企画展へ行ってきました。壮大な世界観に圧倒されつつも、母性的な温かさの漂う空間。巨大な和紙作品を用いてデザインされた「紙宮(かみぐう)」の中心では、身体中で癒しを感じました。森田さんの和紙作品は、その土地の自然と暮らしから生まれる究極のクリエイティブであり、それが“埼玉にある”ということを改めて誇りに思いました。森田さんの手仕事から学ぶ土地の豊かさや自然との繋がり方を、今回の感動とともに伝えていきます。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)

→ Instagram|@d_d_saitama


 
ロングライフクリエイション
d47食堂|木桶による発酵文化サミット2022 in 東京
日本の食文化に欠かせない木桶を次世代へ繋ぐ、「木桶サミット」を主催しました。

毎年恒例、全国の生産者さんを応援する「木桶サミット in 東京」を開催。「木桶職人復活プロジェクト」の発起人である「ヤマロク醤油」の代表・山本康夫さん、「職人醤油」の高橋万太郎さんと一緒に、半年前から打ち合わせを行い、企画を練り上げてきました。
今年のテーマは「海外」。世界に活動の幅を広げる「木桶」に関わるゲストを迎えたトークセミナーや、海外に向けたプロモーション映像を上映。参加者の方々は、メモを取ったり登壇者に質問を投げかけたりと、熱心に学ぶ姿勢が見られました。また、一般のお客さんへ向けた木桶酒の角打ちでは、今年初めて木桶を作り、仕込み始めた「土田酒造」の希少な新酒や、イタリアで作られた木桶仕込みのクラフトビール(バーレイワイン=長期熟成ビール)が人気。知らない文化に触れられて楽しかったと好評をいただき、イベントを通して、木桶に関わる活動の活性化に力添えができたとのではと思います。来年の開催に向け、反省点や改善点など課題を見直し、今後も取り組んでいきます。(石橋 歩/d47食堂)

木桶による発酵文化サミット2022 in 東京 2022年11月13日(日)開催
木桶職人復活プロジェクト


 
セールス&コミュニケーション
東京|d SCHOOLわかりやすいプラスチック
プラマグ2023の開発秘話から、プラスチック製品との向き合い方を学ぶ。

12月にリリース予定の「Long Life Plastic Project 2023 プラスチックマグカップ」の発売に先駆けた記念企画として、三井化学株式会社の松永有理さんをお招きし、ナガオカが聞き手となり、バイオプラスチックのことなどをお聞きしました。会のはじまりは、参加者全員がプラマグで乾杯!多くの方に、「プラスチック=悪」から、「プラスチック=一生使う素材」だと思ってもらえるよう、今後もプラスチックの「まわり」に関する企画を開催していきます。 (平田鈴乃/D&DEPARTMENT TOKYO)

d SCHOOL わかりやすいプラスチック 2022年11月4日(金)開催
Long Life Plastic Project 2023 nagaoka kenmei plastics 3 2022年12月8日(木)~2023年2月3日(金)毎週木金のみOPEN(club d by D&DESIGN)


 
リサーチ&アーカイブ
富山|めぐりファームの新米と発芽玄米サラダ
自然栽培米の販売と特別メニューの提供。

無農薬5年以上、無肥料3年以上の圃場で作付された「めぐりファーム」のお米。10月末から開始した自然栽培の新米販売に合わせて、発芽玄米をサラダに使用した特別メニューを提供しました。昨年に続き2回目となる新米販売では、コシヒカリ、ササニシキ共に人気。水の綺麗な入善町で、手間暇かけて自然栽培で作られたお米を、お客さんに味わっていただき、生産者さんにも喜んでいただけました。(田中陽子/D&DEPARTMENT TOYAMA ダイニング)

→ Instagram|@d_d_toyama


 
セールス&コミュニケーション
富山|d SCHOOL わかりやすい民藝 ~ 城端まち歩きツアー ~
民藝の精神とそれを育んだ風土を、現地で体感しながら学びを深めました。

2019年より続けている富山と民藝について学ぶ勉強会。今年は、民藝の聖地である城端別院善徳寺と、その門前町である城端の町巡りを開催。ゲストの一人、城端最後の絹織物メーカー「松井機業」の松井紀子さんのお話で、「お蚕さんの命を頂くことに悩んだ時期もあったが、善徳寺の法話を毎日聞き、ひたすら感謝するしかないと気づいた」という言葉が印象的でした。謙虚な姿勢の中にある民藝の精神と、それを育んだ城端の風土を体感するツアーとなりました。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)

d SCHOOL わかりやすい民藝 ~ 城端まち歩きツアー ~ 2022年10月23日(日)開催


 
リサーチ&アーカイブ
三重|レストラン カルティベイト コラボレーションイベント
「カルティベイトの伊勢うどん」をコース料理で提供しました。

三重県松阪市嬉野にて地元の旬の食材を使用し、三重の魅力を発信する創作中華店「レストランカルティベイト」。オーナーシェフの山本さん、スタッフさんをお招きし、1日限定でカルティベイトならでは、「伊勢うどん」をテーマにしたコース料理を提供しました。コラボレーション企画ということで、「三重らしさ」をカルティベイトの視点で表現。シェフをお招きしての料理イベントは初の試みでしたが、多くの方に普段は食べられない伊勢うどんを楽しんでいただきました。これからも三重の生産者や作り手の方々と関係を深め、「三重らしさ」を発信していきます。(清水友麻/D&DEPARTMENT MIE by VISON)

カルティベイトの伊勢うどん 2022年11月12日(土)開催
→ Instagram|@d_d_mie


 
リサーチ&アーカイブ
三重|d design travel show MIE と 出版記念交流パーティー in 三重
三重号の完成をお客さんや生産者さんとお祝いしました。

d design travel MIE』の発刊を記念し、編集部と共に開催。第1部は、旅の間に撮影した写真を見ながら、本誌には掲載しきれなかったエピソードを語り尽くすスライド形式のトークショー。編集部が三重で感じた、ここでしか聞けないトークや三重店スタッフとの秘話も。第2部は、三重号に関わる全ての人に集まっていただき、交流会を行いました。参加者の皆さんが垣根を超えて繋がり、今後の三重らしさについて熱く考える会となりました。(高田弘介/D&DEPARTMENT MIE by VISON)

d design travel show MIE と 出版記念交流パーティー in 三重 2022年11月26日(土)開催


 
リサーチ&アーカイブ
京都|第2回 滋賀をたべる会「ろうそくディナー」
ろうそくの灯りと向き合い、近江高島の食をたべる夜。

「大與」の和蝋燭を灯し、電気とは違う灯りの中、焔のあたたかさや、その揺らぎを楽しみながらお食事を楽しんでいただく「滋賀をたべる会」は、2020年に続き2回目の開催となりました。今年は、ゲストシェフに滋賀県在住「local food cafe」の加藤めぐみさん(元d47食堂料理長)をお招きして、いつもより、ちょっとゆっくりした時間を滋賀の食とともに、味わっていただきました。日常とはまた違った店内の空間で、「大與」の大西さんが各テーブルを(炎が消えぬよう、消えかかると隣のテーブルから火をわけてもらうなど)火の守をしてくださり、終始、灯りを絶やさぬ会になりました。初めての試みは、やはり沢山の課題を残しましたが(お料理が細部まで見えない、配膳が難しい、料理の減り具合がわかりにくい、などなど)次回改善へ。それとは別にお客様との会話も親密で、貴重な経験になりました。(内田幸映/D&DEPARTMENT KYOTO d食堂京都)

第2回 滋賀をたべる会「ろうそくディナー」 2022年11月5日(土)開催
→ Instagram|@d_d_kyoto


 
セールス&コミュニケーション
京都|京あられ専門店「京都 鳴海屋」訪問
鳴海屋のあられが美味しい理由。

餅・和菓子を商う老舗「鳴海餅本店」より独立し創業した、京あられ専門店「京都 鳴海屋」。社長の鳴海悠太さんは、「作り手も食べる人もみんなが幸せであってほしい」という想いから、自ら生産者を訪れ、適正価格で継続的な取引を行っています。食べた人がお米の美味しさを感じられるよう、檜のセイロ蒸しと杵つき製法であることや、人の目でおかきの焼き上がりを確かめていることなど、一手間かけて美味しいものを届けたいという気持ちが、隅々まで伝わってきました。(立道絢音/D&DEPARTMENT KYOTO SHOP)


 
リサーチ&アーカイブ
鹿児島|鹿児島のやきもの 龍門司焼のもののまわり
龍門司焼の窯出しに行ってきました。

黒薩摩を代表する「龍門司焼企業組合」は、年に2回、登り窯での焼成を行っています。窯焚きから4日後、窯の中で冷まされたうつわを取り出す“窯出し”に伺い、うつわを運び出す作業をお手伝いしました。狭い窯の中では中腰がやっと。とても重たく、慎重に運ぶため、緊張感のある作業。登り窯での焼成は、うつわを置く位置や天気や気温などのさまざま要因によって、焼き上がりが毎回異なります。今回スタッフが体験を通して感じた魅力も、店頭でお伝えしていきます。(鶴窪美佳/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)

鹿児島の焼きもの 龍門司焼のもののまわり 2022年11月3日(木)~12月6日(火)開催
→ 2019年のレポート|行ってきました。黒薩摩、龍門司焼の窯焚き


 
セールス&コミュニケーション
沖縄|d SCHOOL 日本の未来をつくる食の生産者たち in 沖縄
食の生産者たちによるトークやワークショップ、マーケットイベントを開催しました。

東京と沖縄の学生が、生産現場を体験し、記事にした『d design travel ニッポンフードシフト特別編集号』の発行に伴い、生産者と学生によるd school を開催!「食」の未来を繋ぐため、日々活動されている生産者のみなさんと、抱えている課題や、これから目指すべき未来について、会話をしながら一緒に考えるイベントになりました。トークのアーカイブは来年1月末に公開予定。今後も継続的に生産者の活動をお届けし、沖縄の豊かな「食」を未来へ繋ぎます。(島袋みのり/D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA3)

食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.沖縄 d SCHOOL 日本の未来をつくる食の生産者たち in 沖縄 2022年11月26日(土)、27日(日)開催
→ レポート|沖縄に根づいた食と文化 東京・沖縄の学生記者と日本の未来をつくる食の生産者を訪れる旅