こどもの頃から物を丁寧に扱う経験を育む
誕生
つよいこグラスは、石塚硝子株式会社によって、2007年に誕生。2005年に「食育基本法」が制定されたことから「食育」への関心が高まり、開発担当者も子を持つ親として、食育指導士でもある保育士さんの意見を参考にし、子供用のガラスコップの開発を開始。 "硝子食器は割れる"という理由で子供から遠ざけるのではなく、ガラスは丁寧に扱わないと割れるという経験をすることは、ものを大切にする心を養うと考え、子どものうちから天然素材に触れることが食育にもつながる。という考えから開発された、子ども用のガラス食器。
食育指導士でもある保育士さんの視点
「食事」、それは単に空腹を満たすだけのものではありません。彩りや味わいなどを通じて、心を豊かにするものです。そのひとつの大切な要素に食器を選ぶことがあります。たとえば、ご飯は陶器の茶碗でいただくのが一番おいしく感じますし、お味噌汁には漆器のお椀が合う。また、ジュースはガラスのコップのほうが美味しいという様に食材の持ち味を一番引き出してくれるパートナー、それが食器なのです。大人だから判ること?いいえ、子どもたちは大人以上に食器から色々なことを感じ学びます。毎日の生活の中で、小さな手や唇が本物に触れることで心が豊かに育まれる、そんな食器を選んでいただきたいと思います。(食育指導士 保育士 中西郁代)
形のこだわり
グラスは中程にくびれがあり、小さな手でも持ちやすい形状。グラス表面に強化加工(ION-PRO-TECT 加工 )を施し、口部強化により通常のグラスより飲み口の割れ・欠けに強いので安心感があり、安全面に考慮。硝子は天然素材で作られ、製造は創業200年を超える石塚硝子(株)であり 安全・安心の日本製。8分目まで飲み物を注ぐとSサイズは100mlほど、Mサイズは150mlほどで、小さなお子さまにもちょうど良い容量。
IPT(ION-PRO-TECT)
1993年、国内初のプロユースイオン強化グラス「Gライン」シリーズの発売から20年の歳月を経て、石塚硝子独自のノウハウを革新的に洗練し、より強度の安定化を実現した「ION-PRO-TECT」が誕生。物理的衝撃、食器洗浄機に対する耐久性の向上による高いコストパフォーマンスを実現。
自社工場の様子
本社工場外観
ガラスの成型など、大規模で特殊な設備と製造ノウハウを必要とするため、専門メーカーとして、永年の技術の蓄積、徹底した品質管理のもと、日本製にこだわったモノづくりを続けている。
溶解炉
溶解炉の確認窓から見た溶けたガラス原料
成型機
成型後の口部カット機(画像のグラスはつよいこグラスとは異なるものです)
コンベアで徐冷炉へ運ばれる様子
徐冷炉入口(徐冷炉とは成型後に時間をかけてゆっくりと冷まし強度を確保する工程)
徐冷炉出口
つづく仲間
石塚硝子株式会社は、1819年(文政2年)に石塚岩三郎(初代)が創業し、2022年で創業203年。安心出来る「日本製」にこだわり続け、ガラスびん、ガラス食器、紙容器、プラスチック容器、セラミックス製品の総合メーカーとして、生活に欠かせない容器、食器の製造販売を行なっている。「モノづくり ヒトづくり ユメづくり」をビジョンとして、変化を先取る強い企業であり続け、くらしに彩り、豊かさと安心を届けることを目指している企業。
つづく産業
硝子食器産業は、大きく分けると、①機械生産による量産メーカー②ガラス職人による手造りメーカー、の2つであるが、①30年前と比較して国内メーカーが激減している(7社→3社)国内需要減と輸入品の増加に依るところが大きく、新規参入するには設備投資が大きいため、メーカーが増えない。②同じように手造りメーカーも激減。後継者不足(経営者・職人)などの要因が大きい。一方で、需給バランスがとれ始めた部分もある。食卓の必需品としての普遍的なニーズや、伝統的なクラフト製品が見直されてきたこと、環境に良い素材、という認識が高まってきたことが主な要因と考えられる。
つづく環境
石塚硝子(株)は、業界初、ガラス原料として廃棄卵殻の産業利用を実現。液卵加工業者から産業廃棄物として排出される「卵の殻」に着目し、有効利用。ガラス製造に おける炭酸カルシウム原料(石灰石)の代替としての産業利用を初めて実現。
日本では、鶏卵が全国で年間約263万トン生産されており(令和2年農林水産統計)、卵殻は総重量10%程度を占めるため、毎年約26万トンが廃棄されていることになる。このうち、土壌改良剤などの形で再利用されているのは全廃棄量の2-3割程度であり、残りの約8割は費用をかけて産業廃棄物として処分されている。
従来廃棄されていた卵殻を原料として使用することで、環境負荷を低減。卵加工工場からの廃棄物排出量の削減。ガラス化する際に炭酸カルシウムから生じるCO2が、太古のサンゴ等から形成される石灰石ではなく、食物連鎖により比較的短期間にCO2を吸収、循環する卵殻由来となり、大気中のCO2の増加を抑制。サーキュラーエコノミー(循環型経済)への貢献を推進している。 なお、卵殻を使用したガラスの品質は、従来と全く変わらない。また、ガラスの溶融は1500°C程度の高温で行われるため、卵由来のアレルゲンがガラスに残存するこ とはないため、安心して使用可能となる。
つづく暮らし
つよいこグラスが長く、愛されている理由は、ターゲットであるママ層に認知が広がっていることが大きい。国内ガラス食器専門メーカーが子供用に専用設計したグラスは、他メーカーには無い点もポイント。コロナ禍で一層定着した家庭内食を背景に、食育への関心は増々高まっている点も近年ならではの理由。“ホンモノを見て触って感じて食べて学ぶ” 保育を提唱する2021年3月開園の保育園 “KIDS SMILE LABO” でも、つよいこグラスのコンセプトに共感し、開園当初から給食用のグラスとして採用している。強化ガラスで作られているつよいこグラスは、食洗機が使えるところも、日々の暮らしの中では嬉しい。
お気に入りのポイント
息子が哺乳瓶を卒業してから使い続けています。プラスチックのマグカップももちろん使いますが、食卓では、なるべく大人と同じ材質の食器を使わせたい思いがあり、つよいこグラスを使っています。ガラスなので割れることを前提として使用していますが、ガラスに強化加工がされていることで通常のグラスよりは安心して使えています。何より、グラスの形状とサイズ感が哺乳瓶を卒業したての小さな手でも、しっかりと持てたので、「落とさないかな、、」という心配をせずに使えた事もポイントでした。3歳になる今も小さなサイズを使っていますが、そろそろ大きいサイズに変更したいと思っています。(笹倉隆子/商品部)
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