綿花本来の自然の力と風合いをそのまま生かしたカーテン
D&DEPARTMENTが提案するHOME FABRICシリーズは防炎加工や撥水加工など化学化工を行なわず、生地本来の力を活かし、その素材感を楽しむことができるカーテンです。
コットンカーテンは、名前の通りコットン100%の生地を使用していますが、最大の特徴は「自然栽培綿」を使用し作られたカーテンという点です。「自然栽培綿」とは農薬や化学肥料を使ったことのない自然の土壌で栽培された綿のことをいいます。その採取した綿をゆっくりと糸を紡いでいくことで糸の中心に空気が入り、軽く柔らかな糸に仕上げています。
できるだけ少ない工程と後加工を施さないことにより織り上げられたカーテンは、綿本来の綿毛や油分が残り、素材本来の力により紫外線を薄手なもので60%前後、厚手なもので95%前後カットしてくれます。
この綿毛と油分は、自然の中で綿花が太陽の紫外線から種を守るために持つ自然の力をそのまま残しています。
しっかりとした厚みのあるC-1タイプ。斜行した織りの表情もあり、メインのカーテンとして使える厚みです。
C-1より細く紡がれた糸を使用したC-2タイプ。C-1よりサラッとした生地感ながら、光が当たるとガラ紡糸のムラ感ある表情が透けて見えます。こちらもメインのカーテンや厚手なレースカーテン、部屋の間仕切りにもおすすめです。
どちらもしっかり織られた生地感ですが増えてみると軽くて柔らかく、まるで綿花そのままのようなふわふわとした手触りと風合いが心地よく、肌が弱い方や化学物質過敏症の方でも安心して部屋で使えるのが特徴です。
カーテン仕上げに関して
HOME FABRICは、生地の上下をシンプルに縫製したものをクリップタイプで吊るす仕様になっています。それにより、買ったその日からすぐに使える仕様になっています。長さは2300mmに全て統一し、通常の掃き出し窓と言われる大きな窓の規格より大きめのサイズです。あえて大きめのサイズにすることで、折ったり向きを変えるなど部屋に合わせて自由にサイズを調整しながら使えることで、引っ越しの際や使う場所を限定せずに買い替えたりせずに使うことができます。
東京店では既製サイズ以外でのオーダーサイズでの注文や、クリップで吊るす以外のプリーツカーテンの仕様での制作なども対応しています。
プリーツ仕様の場合
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オーガニックコットンと自然栽培綿の違い
オーガニックコットンとは、農薬や化学肥料を2~3年間使用していない土壌で、農薬や化学肥料を使用せずに栽培された、遺伝子組み換えではないコットンであり、それを認証された原料と日本ではされています。またオーガニックコットンを使用した製品は原料段階での認証を受けたものであっても、製品加工時の化学物質の使用は考慮しない物となっています。それに対して自然栽培綿は古くから化学肥料・有機肥料も農薬も一度も使われていない自然の土壌である中国の土地で、昔から続く栽培方法で綿花が栽培され、その綿花を化学物質は使わずにカーテンを製作しています。
コットンカーテンを制作しているきなりの部屋では、一般的なオーガニックコットンとして定義されている製法とは分けるために、自然栽培綿のカーテンと呼んでいます。
きなりの部屋HP写真より
つづく産業
原料となる綿花栽培とそれを糸に紡ぐ工程は、中国の山東省で行なわれています。綿花は5月に種を蒔き、夏頃に花を咲かせ、秋には白い綿が外に出たコットンボールと言われる状態になります。日々の水やりや雑草取り、剪定などの作業は全て機械などを使わずに手作業で行なわれます。また綿花の栽培時期と入れ替わりでその土地でにんにくを育てることで害虫を寄せ付けないようにする、古くからの農法をずっと続けています。
画像左 綿花の芽/ 画像右 栽培風景
画像左 綿花の花/画像右 白い綿のような部分が糸の原材料
収穫された綿は、紡いで糸にしていきます。糸は古くは手紡ぎという方法で、糸車を使い人の手で糸を紡いでいく製法で作られていましたが、現在はガラ紡機を使いゆっくりと糸を紡いでいきます。この「ガラ紡機」は明治時代に日本で開発された紡績機で、手紡ぎの原理を動力化した機械です。
ガラ紡機の筒一本一本に手で綿を詰めて、撚っていくことで糸ができます。
ガラ紡機での作業風景
ガラ紡機は、通常の均一な糸を作る紡績機に比べ、1/100のスピードでゆっくりと紡ぎ、太さにムラが生まれ手紡ぎのような風合いを生み出しています。
ワタを糸にする工程でこのガラ紡機を使うことが最大のポイントで、工程数が少ないことにより、綿本来の自然の力を残した糸に仕上がります。
ガラ紡糸と紡績糸の違い
この糸を、広幅で織ることのできる動力織機を使い織り上げた後に、最後にガラ紡糸が柔らかい故に起こる糸切れ部分を一点一点縫うように補修をし完成します。
糸の原料の綿花を作るところから人の手で手間暇かけて育てながら、ゆっくりと時間をかけて綿花の風合いの良さ、最大限の素材の力を残すように時間をかけることでカーテンの元となる生地は作られています。
つづく仲間
コットンカーテンを制作しているきなりの部屋は、東京都立川市に事務所を構えています。
きなりの部屋代表の芥川さんは、1983年に前身となるカーテン会社を設立し、2000年からオリジナルのカーテンを企画・販売をしていた時に、このカーテンの元となる生地を制作していた「益久染織研究所の廣田益久さんとの出会い」から、2003年にきなりの部屋をスタートしました。
この生地を開発した廣田益久さんは、メーカーやインテリア業界での製品化が中々実現せずにいたところで芥川さんに出会いました。芥川さんは早速この生地をカーテンとして売り出そうとしたところ、生地が柔らかすぎるという理由で縫製業者から断られ続けました。それでもこの生地の面白さをカーテンとして使うにはと試行錯誤し、クリップや安全ピンで止めたりしながら使い続けていました。
そんなある日、訪れたお客様がその縫製が施されていない生地に目を止め購入されたので話を伺うと、化学物質過敏症で通常のカーテンが使えずに困っていたことを教えてもらいました。その時、世の中には当時当たり前であった化学加工や化学物質が使われていたカーテンを使えない方々がいることを知り、今まで化学物質が使われたものに囲まれた生活空間が当たり前であったことへの疑問から、自然栽培綿を使用した生地だけを使用しできるだけシンプルな縫製を施したカーテンのみの展開へと切り替え、今に至っています。
また化学物質過敏症のお客様との出会いと合わせるように、芥川さん自身も幼い頃からの手先の乾燥や、50歳の時に患った気管支喘息の症状が同じ原因だったことに気づいたそうです。そしてこのカーテンを部屋で使い始めたことで、そういった症状が改善していくのを感じていたこともこのカーテンのみを展開することの後押しとなりました。
お手入れに関して
薬品加工処理を施していないため、季節や湿気・乾燥により伸縮がおこります。
色落ち防止加工や、合成着色をしていない綿本来の色が生地になっています。紫外線に反応し、色によっては色が抜けていきます。
綿花の油分や綿毛の特性を生かした製品なので、洗濯することでその油分や綿花が取れて、紫外線のカット力なども落ちるのであまりおすすめはしていません。
どうしても洗いたい場合は、2~3年に一度、つけおき洗い、押し洗いでやさしく洗ってください。洗濯機を使う場合は手洗いコースなどの一番やさしく洗えるコースで洗うようにしてください。洗濯後は陰干ししてください。直射日光にあてると、激しく縮む場合があります。
化学洗剤を使用せず、無添加洗剤、無化学物質洗剤を使い洗濯してください。
カーテン自体は埃を中に入れず、綿毛により表面で止めている状態なので、埃はたきで月に2~3回埃を叩いて落としてください。
綿生地は静電気は起きにくい素材です。
お気に入りのポイント
C-1タイプはしっかりとした生地感だったので固い生地感を想像していましたが、触ってみると柔らかかく、ウールの表面のような、毛足のあるふわふわ感のある生地でとても不思議な心地よさでした。部屋では簡単につけられるクリップ仕様で使っています。日が当たった時に見せる生地の表情が素敵で、糸のムラ感がある生地だからこそ、シンプルなクリップカーテン仕様の方が素材感が際立ち、柔らかなオフホワイトのような色感も気に入っています。化学加工をしていない為日焼けなどは長く使うとどうしても起きてしまいますが、ちゃんとした素材を使い時間をかけて作っているからこそ、部屋で快適に使える綿本来の自然の力を持たせているので、経年変化はしても、劣化はせずに長く使えるので、買い換えずに使えることを考えたら、一度手に入れたら、長く使うことのできるカーテンだと思います。
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