スタッフの商品日記　076
白雪ふきん

蚊帳（かや）生地から生まれた丈夫なふきん

奈良県で長年、蚊帳の製造業を営んできた株式会社白雪による蚊帳生地の特性を生かしたふきん。厳選した原材料で糸を紡ぎ、織りあげた生地なので、丈夫で長持ち。柔らかく、汚れ落ちがよいのが特徴です。

つづく産業
古来、王朝文化の中心地であった奈良。宮廷の建築物や寺院神社の内装、儀式のために特殊な織物が必要となり、応えるかたちで技術が発達。地場産業に成長しました。中でも麻織物は、鎌倉時代、南部寺院用に織られていたという記録があり、16世紀末頃には現代においても上質な晒の代名詞である「奈良晒（さらし）」が誕生。江戸時代になると奈良は、大和木綿・大和絣など綿織物の技法と融合することで大きく発展しました。それまで綿糸は人の手でつむぐのが一般的でしたが、明治時代に機械式紡績が導入され、タテ糸に機械式紡績糸を使用した片麻蚊帳が普及。 以降、高級品として庶民に手の届かなかった蚊帳が一気に身近なものになり、奈良の地場産業として大きな発展を遂げました。
白雪ふきんも長年、蚊帳生地の製造業を営んできました。現当主垣谷欣司さんの祖母が、蚊帳生地を裁断する際にできるハギレを有効活用しようと生地を重ね折りし自家用にふきんに仕立て使用したのがはじまり。使い勝手が良かったため、周りの人たちに配ったところ、評判となり口コミが広がっていきました。その後、より多くの方に使っていただけるようにと、一定の寸法で製造がスタート。商品名となる白雪は垣谷さんの母が、雪のように白いからと「白雪ふきん」と名付けました。毎年、白雪ふきんは奈良の東大寺で夏に行われる大仏さまの「ほこり」を取り除くため行われる行事「お身ぬぐい」に献納されています。

現当主の垣谷さんは、原糸を仕入れる際のこだわりを「パティシエが、銘柄を指定して小麦粉を持って来てもらうのと同じ」と言われており、d design travel奈良号の取材時に「白くて、繊細で、フワフワの布巾を使って、日本人は食べこぼした醤油を拭くでしょう。文化とは、そういう事。だから、品質は最高でも、醤油を拭ける値段じゃないとダメ」と。その言葉には白雪ふきんへの思いとこだわり、そして使う人の目線に立ったものづくりを強く感じました。白雪ふきんの製造は、垣谷さんによって目利きされた生地を裁断し、縫製から検品までのすべて自社工場で行われています。

D&DEPARTMENT各店舗の催事では、色鮮やかな友禅染が施されたふきんが並びます。色鮮やかで多種多様な絵柄のほとんどは垣谷さんが絵を描きテキスタイルに落とし込まれています。（写真：奈良の自社工場内にある商品ギャラリー)

白雪ふきんの蚊帳生地は目の粗い平織生地で、素材は、 綿・レーヨンを使用しています。中でもレーヨンという素材は、木材パルプを原料とすることから生分解で自然に還る再生繊維です。綿や麻と比較すると吸湿性・放湿性に優れておりニオイの付きにくさ・しなやかな手触りもありふきんに最適な素材と言えます。綿は、吸水性ではレーヨンに、耐久性では麻に劣りますが、吸水性と耐久性を備えた最も馴染み深い素材。 中でも糸切れや毛羽立ちの少ない、良質な綿を採用しています。白雪ふきんの丈夫で柔らか汚れ落ちがよい特徴は、この綿・レーヨンの特性と蚊帳生地が組み合わさって生まれています。

ながく使いつづける
〈使いはじめ〉
薄い織物を縫製するため、生地には鹿児島産サツマ芋でんぷん糊を使用しています。使用前には手洗いでお湯が濁らなくなるまで、何度かお湯を取り替えて落としてください。
でんぷん糊は水には溶けにくい為、約40℃のお湯がおすすめです。

〈洗濯方法〉
柔らかさを保つためには手洗いがおすすめです。ふきんに着いた汚れなどは手洗いで洗い落せます。洗濯機をご使用の際は、ネットに入れ弱水流で洗ってください。中でもドラム式の場合は、少ない水でたたき洗いをすることにより、生地が著しく縮んだり、かたくなる場合がありますので必ず手洗いモードで洗ってください。
漂白剤は塩素系・酸素系ともに使用可能です。生地が劣化するため、規定量・規定時間内でご使用ください。

お気に入りのポイント
白雪ふきんの商品の中で愛用しているのはふきんだけでなく、浴室で使用するバスタオルやボディタオル、枕に敷くタオルなど様々な用途によって使い分けています。その中でも10年以上愛用しているのが、『白雪ふきん』。白雪ふきんが紹介される際に『おしぼりや布巾として使った後は、台拭きに、最後は雑巾として』という言葉を目にしますが、私も同様に、使いはじめはディッシュクロスとして使用しています。ディッシュクロスの役目が終わったら台拭きに。我が家ではこの期間が一番長く、丈夫で吸水性が続くこともあり雑巾にするタイミングがわからないほど。子どもが食べこぼした後のテーブルも、粗めだけれどしっかりとした生地が食べこぼしをキャッチしてくれます。なかなか破れないので、破れていないけれど雑巾にするタイミングを決めています。雑巾としては主にベランダの砂埃を拭く用に使っています。布についた汚れも落ちやすく雑巾としても長く活躍してくれます。他のふきんを使用しても最終的には白雪ふきんに戻ってしまっています。友人へのプレゼントにもおすすめで、「渡した人が気に入って他の人にもプレゼントした」という事を聞くと嬉しくなります。

白雪ふきんの商品ページ

【引用】
白雪ふきんWEBサイト( https://www.shirayuki-fukin.com )