使いやすさを重視したデザイン
誕生と特徴
デザイナー製品はほとんど単発の物しかなかった時代にキッチンにブランド商品を並べようと、柳宗理デザインが展開されました。その中で、料理で使用頻度の高い行平鍋をイメージして製作されました。元々の石膏モデルの縁は垂直でしたが、試作・使い勝手を検証している過程で注ぎ口が外に張り出だした形状になりました。成形途中での材料破断やシワの発生をクリアするための製造方法が定まるまで試行錯誤し、商品化に成功。片手鍋は1997年に発売されました。1998年にグッドデザイン賞を受賞。
バリエーション
『柳宗理デザインシリーズ』は、販売元である佐藤商事が柳宗理氏にデザインを依頼して、1974年にステンレスカトラリーから始まりました。その後、ステンレスケトル、ステンレス片手鍋などのステンレス製品を中心に様々なアイテムの企画製造を行ってきました。
柳宗理ステンレスケトルの商品ページ
柳宗理カトラリーの商品ページ
つづく産業
ステンレスは約50%のリサイクル原料が使用されています。ステンレスは耐蝕性に優れ長期にわたって使用でき、廃棄物となっても素材としての品位をほとんど低下させないため再利用が可能です。工場で製造課程において発生した廃棄物(プレス加工の切断くずや不良品など)も回収され、電気炉で溶かし原料として再利用されます。
製造工程の様子
つづく暮らし
柳宗理デザイン事務所では、実際に模型を作りながら製作することで使いやすさを重視したものがうまれています。「これ見よがしの派手さやファッションを追ったようなものはかえって飽きが来る。本当の美しさは自然のままの姿にある。」と柳宗理氏が言った様に、シンプルながら使いやすさを重視したデザインであることで長く愛されるものになっているのではないかと考えられている。
メンテナンス
食器用洗剤で洗って頂き、よくすすいだあとは、水気を拭き取っての保管していただくだけなので、手間は掛かりません。長く使用する中で、変色や錆が出てしまった場合は、市販のステンレスクリーナーやクリームクレンザーを乾いた柔らかい布に付け、磨いてください。クレンザーやクリーナーの中には研磨剤が含まれており、粒子によって表面に擦り傷が残る場合がありますので、ご使用前に目立たない場所で試してからご使用ください。また、ひとつのものを長くお使いいただけるよう、修理や部品交換もお受けしております。
お気に入りのポイント
10年くらい使っています。大きな注ぎ口が左右についているので、蓋をずらすと、隙間から蒸気を逃がす事が出来、吹きこぼれを防いだり、中身を押さえて湯切りが出来ます。このデザインが使いやすかったので同じデザインのフライパンも使用しています!シンプルなデザインに使いやすい工夫がプラスされたこの片手鍋は、長く使い続けられる、ロングライフデザインだと思います。
柳宗理 片手鍋の商品ページ