7月21日(土)に、京都店で「d SCHOOLわかりやすい組紐」を開催しました。
講師は、京都府宇治市に創業して70年の「昇苑くみひも」より、中村新さんにお越しいただきました。
組紐は、仏具や武具、茶道具、帯締めなど、時代によって形を変えて、古くから日本の暮らしの中で使われてきた伝統工芸です。
ですが和装離れが進むにつれ、触れる機会が少なくなりつつあります。そこで「昇苑くみひも」では、昔ながらの帯締めや神社仏閣などの飾りに加え、靴紐やアクセサリーなど、現代の生活に合わせた組紐の役割を考えたものづくりをされています。
今回は、組紐を使った結びでブレスレットを作り、その中で組紐に込められた先人の知恵や文化について学びました。
まずは中村さんより、そもそも「組紐とは?」というお話を伺いました。
組紐は、織物、編物と並ぶ、組物(くみもの)のひとつで、糸を縦横に編む織物に比べ、糸を左右斜めに組み合わせて作られます。斜めに組むことで糸がきゅっと締まり、結びに向いたものとして、帯締めなどといった「紐」として発展してきました。
身近なものでは、お守りや寺社仏閣の飾り紐に使われています。平安時代には、茶壺をその家独自の結び方で結ぶことで部外者に毒を盛られることを防ぎ、結び方が鍵の役割にもなったのだそうです。
今回は「釈迦結び」という、平安時代では服の留め具として使われていた結びを実践しました。仏様の螺髪に似ていることから縁起が良い結びとされ、美しくありながら緩みにくい特徴もあります。
まずは、紐選びです。釈迦結びをする細い組紐2本と、土台となる太めの組紐を1本選びます。
そして、中村さんのレクチャーを受けながら、一緒に結んでいきます。まずは釈迦結びに挑戦。
等間隔で隙間ができるよう、紐がねじれないように整えながら紐を通していきます。
紐の流れを目で追うことで、どの紐を触ればどこの隙間が狭くなるのかがわかるのですが、目が慣れるまでが難しく、みなさん苦戦されていました。
また、締めすぎると今度は紐が絡まってしまったり、結びが潰れてしまうので、紐を締める力加減に慣れるまでも一苦労でした。隙間を均等に少しずつ締めていくことで綺麗な形になります。
いつの間にか思わず無言に。みなさん集中して形を整えていました。
完成したら、結びの部分だけをボンドで固定して切り取ります。そして土台となる紐と繋げることで、ブレスレットの完成です。
みなさん喜ばれ、早速腕につけられていました。
組紐を使って結びを実践し、身につけていただくことで、受け継がれて来た組紐の文化を体験して頂けたのではと思います。
京都店では、昇苑くみひもさんのグラスコードや御朱印帳の留め具、キーチェーンを販売しています。どれも組紐が持つ組目の美しさや結びやすさが活かされた商品です。ぜひ京都店にお越しの際は、実際にお手にとってご覧ください。