『わかりやすい民藝』のカバーに使った黒い紙は、柳宗悦が指導したことでも知られる、島根県の手すき和紙「出雲民藝紙」。かねてより、著者の高木崇雄さんと親交のあった出雲民藝紙工房の職人・山野孝弘さんに制作をお願いしました。
印刷も同じく島根県の松陽印刷さん。凹凸のある和紙に印刷できるよう樹脂凸版をつくっていただき、手すきの和紙に1枚1枚タイトルと著者名を印刷。手仕事の良さを活かしながら、たくさんの方に届けられる本が完成しました。
【著者 高木崇雄さんより】
ふだん名刺を作る際には、地元の印刷会社にお願いして、毎回異なる和紙に活版で印刷してもらっています。出雲民藝紙、斐伊川和紙、大因州製紙、備中和紙、などなど。たとえ同じ産地でも、楮(こうぞ)だったり三椏(みつまた)だったり、雁皮(がんぴ)だったりと、素材によっても姿を変え、毎回楽しみです。そんなわけで今回、本書の表紙カバーについて何か希望はありませんか、と言っていただいたので、まっさきに和紙を使えたらとお答えしました。柳がかつて出版した雑誌『工藝』も様々な和紙が使われているので、あやかる気持ちも込めて。そして、出雲民藝紙の山野さんだったらきっとこちらのわがままにも応えてくれるだろう、とも思い。期待以上の仕上がりとなりました。お手にとってその柔らかさを楽しんでいただけると嬉しいです。
【松陽印刷さんの現場】
普段、私たちが目にするカット済みの紙と違い、四辺に耳がつく手すき和紙。厚みや表面の平滑度も、一点一点微妙に異なる。(写真:松陽印刷)
左:完成した樹脂凸版を組み付け。
右:版を印刷機にセットし、印刷圧を調整しながら仕上がりの様子を見る。
(写真:ともに松陽印刷)
【ブックデザインを担当したD&DESIGNの制作風景】
左:初期表紙案の数々。徐々にデザインが絞られていきました。
右:カバーに使う紙の選定。出雲民藝紙工房さんで作られる美しい和紙。
黒い手すき和紙に決まった後も、カバー上端の白いラインを手で塗ってみたり…と試行錯誤が続きました。
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