「想いの湊」ツアー〈前編〉

2月19日に鹿児島県いちき串木野市を巡る「想いの湊ツアー」に鹿児島店スタッフで行ってきました。
いちき串木野市は鹿児島県の西部に位置し、東シナ海の玄関口とも言われています。
薩摩スチューデント旅立ちの地でもあり、常に海を介して外との関わりがありました。多くの文化や歴史が薫るいちき串木野市。大漁旗つくり手の亀崎染工、中国風庭園の冠嶽園、つけあげの寺田屋、老舗焼酎蔵の大和桜酒造を巡り、様々な『想い』を体感してきました。
〈前編〉では亀崎染工と冠嶽園の様子をご紹介します。

鹿児島中央駅から串木野駅までJRで吹上浜の美しい自然や田園風景などを見ながら揺られること約40分。到着後、串木野市役所の奥ノ園さんと西久保さんと合流し、串木野のことを伺いながら最初の目的地、亀崎染工へ向かいます。

亀崎染工は明治2年から創業しており現在も大漁旗や五月のぼりを作り続けている染物屋です。日本の伝統文化や四季を大切に、代々伝承されている色鮮やかな印染で一つ一つ丁寧に真心を込めて染めているそうです。

船を新調した際に安全や豊漁を祈って贈られる大漁旗。近年では結婚や出産祝い、節句や入学、開店、創業、還暦の祝いなど、船以外のお祝い事にも記念品として利用されているそう。漁師にとって誇りでもあるが、贈る人と贈られる人の想いを繋ぐ職人の伝統の技を感じました。

(間近で見ると迫力が凄いんです!)
普段からもイベント等で染め体験を行なっているそうで、私達も体験させていただきました。
下書きの絵に砂でのり付けされた旗。印染の歴史や技術を分かりやすくレクチャーしていただき、何色にしようと悩みながら筆を握り、のりからはみ出ないように慎重に慎重に塗っていきます。集中しすぎて思わず無言で塗る私たち。


なんとか塗るコツをつかみながら黙々と塗り続けること1時間半。塗り終わると達成感が沸き、嬉しくてみんな笑顔が溢れ出していました。それぞれ個性あふれる旗が出来あがりました。

私たちが体験させていただいた旗は35cm×45cmの小さな旗ですが、とても集中力が必要で、これがあの大きな大漁節や五月のぼりとなると、相当な集中力と楽しみにしてくれる人への真心が必要なんだと感じました。

続いて冠嶽園を散策しました。
冠嶽園は薬草の宝庫でもある山岳仏教の名山「冠岳」の縮景と、その名の由来である「方士徐福」の伝承を顕現するため頂峯院跡地に建てられており、串木野市が東海(東中国海)をはさんで面している南部諸市省を中心に、中国との友好関係を深めたいと作庭された中国風庭園です。
古代中国を思わせる庭園と山々との景色はとても綺麗で、ここは本当に鹿児島なのか?と思うほど。

また、いちき串木野市の冠嶽の麓には日本一の徐福像があります。
徐福は秦の始皇帝の命を受けて不老不死の薬草を求めて日本にやってきたと言われており、日本各地に残る徐福伝説の一つがいちき串木野市にも伝わっているそうです。
なんと徐福像、中国の方向を向いているんだとか。凄い、、、!

冠嶽園周辺は四季を通して自然が豊かで春は桜、秋になれば銀杏や紅葉など四季折々の景観も美しく、それを楽しみに多くの人が訪れるそうです。

沢山の見どころがある冠嶽園には時を越えた願いが込められており、日本と中国の関係性を改めて考えさせてくれるとても素敵な場所でした。そしてこの願いをこれからも受け継がれるよう応援したいと思いました。

後編へつづく