6月から改革を進めています。その大きな目玉は2つは「つくる」部と、「まなぶ」部の設立です。簡単に言うと、「dらしい商品を積極的に開発していく」ことと「これまでのd SCHOOLなどを事業化していく」ということです。そこで、今日は「まなぶ」部について書きます。
私たちdは、日々、全国のどこかで「d SCHOOL」という名前で、また、貴重な休みを使ってみなさんスタッフの意思で産地を訪ね、作り手の現場を訪問したりしています。また、渋谷ヒカリエ8/には、日本初の47都道府県の物産MUSEUM「d47 MUSEUM」を運営し、多くの意識の高い活動家、生産者を紹介し、そこでも定期的に実演会などをやっています。これらには店にお客さんに来てもらう来店動機としての「イベント」という見え方とともに、生産者、スタッフ、お客さんそれぞれの立場での「学び」があります。前回も書きましたが、これからdはこの3者の垣根を取ることを考えて行動したいと思っていて、立場は違いますが、この3者がdという場所に集まるということは、よく考えなくてもとても貴重なことだと考えます。生産者はお客さんの声を聞き、私たち売り手の意見を聞く。お客さんは、生産者の創意に触れ、売り手の経験に触れる。そして、働いている私たちは、ただ、どこにでもある「職場」という意識ではなく、積極的に「学びの場」と捉えることで、通勤し、お給料をもらう職場という感覚から、「学びの場」として積極的に参加し、意識し、dで働くことで、明確に得られるお金以外の「自己実現」的なものの存在を意識する。貴重な時間で労働的感覚で働くだけでなく、この3者の存在を意識して考え、創意し、行動する。そういうことがなされたらどんなにいいかと思うのです。もちろん、日々の業務はそんなに甘く、簡単なことではないことはわかっています。しかし、みんなに意識により、そうした職場意識、労働意識がわかるといいなと思うと同時に、会社もそういう意識で職場、働き方の改革をしなくてはダメだと思っていることを伝え、実行していかなくてはならないと思っています。
文化意識の高い企業ほど、しっかりとした商品を作り、お客さんとの関係性を、売り手との関係性を大切に商いしています。簡単にいうと、「儲けていないと、余裕が出ない」わけで、少し、みんなの教育体制、職場改善のために儲けようというのが、ざっくりとした考えです。そのための商品開発の「つくる」部設立なのです。
ここで誤解して欲しくないのですが、「つくる」「商品開発を加速する」とはいえ、そもそも「もう、新しいものはいらない」と言って立ち上がったD&DEPARTMENTです。基本的には「無駄なものづくり」には反対です。dの「つくる」とは、これまでの考え通りですが、dでしか買えない創意あるもの、アイディア、コラボレーションなどを考えています。代表的なものに「ラワンシェルブズ」や「ライフストック」などや、サンラメラ、マダムサイトウなど、私たちが見つけ出し、積極的に販売を始めたものなど、「見つけ出す」「見方を変える」など、「もうひとつのデザイン」でも書いた通り、あれが「dの新しく作る」であり、みんなでアイディアを凝らし、創意工夫によってオリジナルな商品を展開していきましょう。
さて、「つくる」部の部長は、d47 MUSEUMの館長であり、神藤編集長(店長からディレクターへ)同様、d47 design travel storeのディレクターである黒江にお願いしました。今、彼女を中心にdのあらゆる前記した活動、スクールなどを「価値」としての整理をして、あらゆる業務、活動を「まなび」と置き換え、お客さんや生産者も参加できるようなカリキュラムにしたり、無料、有料のコンテンツとして整理しようとしています。「まなぶ」部として人員を増員し、会社にその体制を作り、働くこととまなぶことをごっちゃにしていこうと考えています。もちろん、そんなに見事にはいきませんが、dのみんなの働く環境のあちこちに「まなび」をちりばめていこうと思っています。そして、本格的な「まなび」のカリキュラムを組んだ、例えば「生活の中のお直し術 全20回」みたいなことも有料でやっていこうと思います。
あらゆることを「まなび」と捉え、参加しやすいようなカリキュラムに組む。普段からやっている生産者との交流も、予算をつけて撮影してもらい、全体で共有する…。ムービーでのアーカイブも整えていこうと考えています。
「まなぶ」部のスタンスは、各店から「これをまなびのプログラムにできないか」という案件を整理、パッケージ化、アーカイブ化するお手伝い部署。もちろん、皆さんの普段の様子から、「これ、まなびなんじゃないの??」と発見、整理、パッケージ化することもありますが、主は各店のみんなです。日々の業務の合間に、そうした意識で目を凝らし、一緒にdという職場をまなびがちりばめられた環境にしていきましょう。