こんにちは。東京店ショップスタッフの有賀です。
2019年11月21日(木)~2020年1月14日(火)に、NIPPON VISION MARKET「HARIO Lampwork Factoryのアクセサリー」の開催が決まりました!その展示内容や取り扱い商品のリサーチとして、東京・日本橋にあるショップ併設の工房に見学に行ってきましたのでレポートします。
「HARIO Lampwork Factory」は、みなさんもご存知、”耐熱ガラス”のキッチンウェアを製造するあの「HARIO」が立ち上げたアクセサリーのブランドです。
1921年、「HARIO」はガラス職人の手仕事により、東京・神田で理化学用のガラス器具の製造・販売を開始。職人の体の大きさを超えるほどの大きなビーカーやフラスコなども作っていました。創業100年を迎えようとしている今では、国内に大きな工場を構えていて、機械の技術を駆使した生産で私たち現代人の日常生活を支えてくれています。コーヒー周りの道具のイメージを持っている方も多いかもしれませんね。(私はティーポットを重宝しています!)
そういった大規模工場内にはいまや人の姿はありません。2015年、企業の原点である職人の手仕事技術を後世にも伝えようと、全行程を手作りで行うガラスのアクセサリーブランド「HARIO Lampwork Factory」(以下HARIO LWF)を立ち上げました。そのきっかけが気になっていたので聞いてみると驚きの事件が。ーー3.11震災の停電でプールほどの大きさの電気炉が止まり、中で溶けた状態で保たれていたガラス原料が大きな塊になってしまった。取り出すことも出来ず、炉を壊して救出したガラスを少しずつ割ってみたが、どう使おうか。そうだ、アクセサリーを作ってみようか!ーーと、重要な転機があったのだそうです。とても興味深いので、無理を言って写真を探して頂きました。これは、塊の一部だそうです。左に足が写っているのですが、かなりの大きさです。
手作りのアクセサリー工房を設立しようという流れから考えたビジネスモデルで、2014年時にグッドデザイン賞も受賞しています。
今回は、HARIO LWFチーフデザイナーである内山さんと、HARIO企画開発の瀧華さんに案内をして頂きました。
日本橋工房は、3階建。1階がショップになっていて、2席の作業台が見学できるようになっています。2階には、6席の作業台。こちらで日々、ガラスアクセサリーの制作が行われています。
HARIO LWFの商品は、2人の社内デザイナーが手がけていて、定番のデザインに加えて季節限定のものや、メーカーやショップとのコラボ商品など幅広いラインナップを18名のガラス職人で生産。作家活動をしながら働いている方もいて、「この道具がこの工程にいい」など、情報交換で教えてもらった機械を工房に導入することもあるそうです。なんだか共同体みたいなチームで、いいなと思いました。
原料は、HARIOの製造する耐熱ガラス。棒状になっていて、太さ長さが様々です。管状のものは、球状のものを作るのに使用。D&DEPARTMENT オリジナルの「ピアス カプセル」は、この管状のものを熱して膨らまし、球の形を崩さないように余分なガラスを糸を引くように除いていくという工程で作られます。難易度が高い…!
バーナーでガラスの棒を熱し、柔らかくなったガラスをつまんだり、伸ばしたりして自由自在に形を作っているのですが、それが、遠目で原図を見ながら、なのです…。型はなく、棒から職人の手によりこのアクセサリーが出来るんだという事実を私はここで突きつけられた思いがしました。
展示のメインビジュアルであり、こちらの記事のトップ画像にも出てきている「アール」は小さな球を連ねていくのですが、これも非常に難しい。球にしたものをくっつけていったり、棒をつねるようにして球の連続に見せていったり...職人によって作り方が違うというのも面白いですね。NOPPON VISION MARKETでは、「カプセル」と「アール」の工程をクローズアップしてお伝えしていきたいと思います!
聞くと、制作しているのはオリジナル商品だけでなく、最近はOEMが増えてきているそう。OEMとは、他社ブランドの製品を製造することを指しますが、型を作らないので膨大な初期費用もかからず、つまりロットも融通がきく。小規模で作りたい、お店や作家さんの強い味方なんですね。プロダクトの一部にガラスを使う場合の、部品としての注文を受けることもありそうです。
耐熱ガラスは、「軽い」「丈夫」「品質を落とさず再加工が出来る」ので、アクセサリーにうってつけです。まさに、HARIOの長年培ってきた技術が実現するプロダクト。(お直しは、一律1100円です。18金・10金商品の修理は別途料金。東京店までご相談ください。)
D&DEPARTMENT TOKYOでは、東京店限定セレクトとしてピアスやイヤリングを販売していますが、あまりに形がきれいに揃っているので、「全て手作業」ということが想像しづらいなと感じたこともありました。改めて職人技術を目の当たりにし、伝え販売することで応援していきたいと思いました。
会期限定で、リングや晴れ着に使いたいガラスの帯留めも取り扱う予定です。シンプルなデザインのものを中心にセレクトしますので、ギフトにも選びやすいと思います。東京店のSNSで取り扱い商品をご紹介していく予定なので、そちらも是非ご覧くださいませ。
では、お店で存分にお伝えできることを楽しみにしています!ご来店お待ちしています。