食の語り部2016レポート 5 再発見する胡麻の力と、生活への生かし方

第14回 良い食品博覧会にてd47食堂内で開催された「食の語り部」講座のレポートです。
第5回目は大阪府で胡麻を用いた商品をつくる、大村屋の田中洋治(たなか・ようじ)さんに、「再発見する胡麻の力と、生活への生かし方」についてお話しいただきました。


様々な料理に使用される胡麻。世界中で300万トン栽培され、日本では約16万トンの胡麻を消費します。そして日本は、一人当たりの胡麻の消費量が世界第2位。そんな身近な存在である胡麻を40年間、毎日食べているという大村屋の田中さんに詳しくお聞きしました。

まずは、胡麻のつくられる環境について。
胡麻は、生命力のある植物で、暖かい場所でも寒い場所でも育ちますが、輸出している国の多くはアフリカ、アジア、中南米など暖かい地域が多いようです。
実は日本で食べられる胡麻は、99%が輸入品です。1940年までは、日本国内のごま生産量は多かったようですが、戦後、お米や小麦の畑が増え、生産量が減ってしまいました。労働者の賃金や土地の安さから、現在では胡麻の生産のほとんどが、発展途上国で行われています。

続いて胡麻の栄養分のお話。
胡麻には、カルシウム、鉄分、タンパク質、各種ビタミンなどの成分を含んでいるため、非常にバランスのとれた食品といえます。
田中さんは毎日20g食べるのが良いとおっしゃっていました。多すぎず、少なすぎない毎日摂取するのにちょうど良い量のようです。

今回ペーストにした白胡麻、金胡麻、黒胡麻を食べ比べてみました。金胡麻と黒ごまは、表皮をつけたまま、すりつぶしているので、香りが強く、特に金胡麻の香りが強いなと感じました。黒胡麻の表皮にはアントシアニンが含まれており、健康食品として食べる方が多いようです。

実際に食べ方も教えていただきました。

ねり胡麻とハチミツを7:3の割合で混ぜ合わせたものをトーストに。


牛乳に黒ごまときな粉を混ぜたジュース。

とても美味しく、そして食べやすく、どちらも毎日食べたいと思いました。
無理せず毎日食べ続けることができる食べ方を見つけていただき、おいしい胡麻で栄養をとってみてはいかがでしょうか。