dたべる研究所

7月の研究テーマ「寿司」

稲村香菜

たべる部

2019/07/01

7月は「寿司」をテーマに、全国各地に伝わる郷土寿司を研究していきます。寿司といえば、魚のネタを酢飯の上に乗せた握り寿司を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、全国各地には、さまざまな寿司が伝わっています。

これまでに、山口の岩国寿司、高知の田舎寿司、奈良の柿の葉寿司、滋賀の鮒寿司など、現地の方々から直接作り方を教わるなかで、具材の選び方、作り方、見た目の華やかさにも、それぞれの背景があると、身を以て学んできました。

新鮮な魚が手に入る沿岸地域では、生の魚と酢飯を使った寿司が生まれ、山深い奈良の吉野地域では、柿の葉の抗菌作用を生かした寿司が生まれました。柑橘の豊富な地域では、醸造酢ではなく果実を絞って酸を効かせ、酢が希少だった地域には、灰持酒を使う寿司もあります。

千葉県、にぎりずし

奈良県、柿の葉寿司

高知県、柚子

高知県、金時豆の押し寿司

滋賀県、鮒寿司

寿司のかたちは地域によって千差万別ですが、特別な日のために作り、みんなで食べるものという認識は、どこも共通しています。ひとつひとつの寿司が持つものがたりを、少しでも感じて頂ければ幸いです。

ランチタイムのメニューは日々変動しますが、基本的には、二種類の寿司をお楽しみ頂けます。さまざまな具を好きなだけ盛り込んで頂く「ちらし寿司」。そして、これまで料理人が現地で学んできた「郷土寿司」のなかから、ひと種類をご用意しています。お酢の効いた寿司は、暑い夏の日でも、さっぱりと召し上がって頂けます。