皆さんが鋏を選ぶとき、使うときに思い浮かぶポイントはありますか。
切れ味はもちろんのこと、軽やかさ、見た目、価格などでしょうか。
私たちにとって身近な道具だからこそ、選択肢のひとつとして長く使いつづけられる鋏づくりに取り組む、多鹿治夫鋏製作所の手づくり鋏をご紹介します。
兵庫県小野市の地場産業のひとつ、包丁や鋏を含む家庭用刃物は、江戸時代から農家の副業として広がり、現在では播州刃物として根付いています。昭和初期に「ラシャ切鋏」が開発され、華道の池坊鋏や散髪鋏など依頼人の要望に応じ、さまざまな刃物製造に対応してきたことで産地としての基盤が築かれてきました。

多鹿治夫鋏製作所は4代に渡り、手づくりで鋏製造を行う製作所。
初代・多鹿竹二により1938年に創業し、裁鋏を中心に多種多様な職業に応じたプロ向け特殊鋏の製造も請け負っています。


2008年に立ち上げたブランドライン「TAjiKA」では、裁鋏を軸にしながら、園芸、キッチン用などより多くの人に手づくり鋏の良さを知ってもらい、使ってもらうための入り口として新たな魅力も伝えています。
多鹿治夫鋏製作所の鋏は、シャキンとした心地よい切れ味と、開閉の軽やかさがあります。そして手元に置いておきたくなるような、単なる道具に留まらない魅力も併せ持ちます。
ぜひ、店頭で実際に手に取り、切れ味、持ち心地を試してみてください。2枚の刃とネジで繋ぎ合わせたシンプルな構造だからこそ、より良いものづくりに向き合い、一生ものの道具を届けたいという、多鹿治夫鋏製作所の姿勢を体感する機会になれば幸いです。
