d SCHOOL わかりやすいお茶染め

お茶染めWashizu.に学ぶ、
文化をつくるものづくりの思考。

d47 MUSEUM「NIPPONの47 2025 CRAFT」展において、静岡県の代表としてご紹介している、駿河和染職人の鷲巣恭一郎さんの工房を訪ね、伝統を進化させながら新しい文化をつくるものづくりの思考を、お茶染めの実践を通して学ぶワークショップを開催します。
 
「お茶染めWashizu.」代表の鷲巣恭一郎さんは、静岡市の染物屋「鷲巣染物店」の5代目として、駿河和染の伝統を継承しつつ、製造工程で出る、商品にならない茶葉を染料に活用した独自の表現技法「お茶染め」を開発。煮出した後の茶殻は堆肥へ加工し、循環するものづくりを実践しながら、染料のレシピ公開や技術の継承、後継者の育成、服の染め直しなどを通じて、お茶染め文化の普及活動にも取り組んでいます。技術を閉鎖的に扱わず“共有財産”とする価値観は、多くの人々による多様な表現を可能にし、後継者育成や文化を広げることに繋がり始めています。
 
本企画では、駿河和染の職人である鷲巣さんに、駿河和染やお茶染めについて解説いただきながら、お茶染めによる衣類の染め替えと、「抜染」の技法を用いた、ハンカチへの柄入れを実践していただきます。また、鷲巣さんに弟子入りし修行中の前田結嬉さんにも、後継者としての視点から感じていることなどを伺います。お茶染めが染色技術としてだけでなく、人々の交流を生み出す媒介として、文化を育て、広がっていく様子を現地での体感をもって学ぶ機会になればと思います。

d SCHOOL わかりやすいお茶染め

日程
2025/3/8(土)
時間
11:00~17:00(現地集合/10:45 受付開始)
場所
駿府の工房 匠宿(静岡県静岡市駿河区丸子3240-1 ) Map 駿府の工房 匠宿
参加費
¥13,500(昼食代・税込)
定員
12名

●お申込み方法:Web
●お問い合わせ:03-6427-2301(d47)

 
〈 事前にご確認ください 〉
・当日染め替える衣類は、2月20日(木)までにd47 MUSEUM宛にお送りください。
・下記「染め替え衣類に関する注意事項」をご一読の上、お申込みください。
・食材等のアレルギーをお持ちの方は備考欄にて事前にお知らせください。
・現地集合、現地解散です。

〈 アクセス 〉
駿府の工房 匠宿|静岡県静岡市駿河区丸子3240-1
JR静岡駅北口7番線のりば しずてつジャストライン
中部国道線 藤枝駅前行き乗車 「吐月峰駿府匠宿入口」にて降車 徒歩約5分
※最新の時刻表は静鉄バスHPをご確認ください。

お茶染めの技術体験では、持ち込み衣類の煮染めと、糊置きから蒸しまで「抜染」の全工程を実践いただきます。
10:45 受付開始・現地集合(駿府の工房 匠宿 エントランスにて受付)
11:00 駿府の工房 匠宿 館長の杉山浩太さんと巡る施設案内
12:00 「和処 若松」にて昼食
13:00 お茶染めの技術体験[持込シャツの煮染め、ハンカチ抜染(糊置き、乾燥、蒸し、洗い、仕上げ)]
    駿河和染やお茶染め、技術継承や後継者育成ついてのお話
17:00 現地解散(~18:00まで館内の物販・飲食の利用が可能です)

〈 染め替え衣類に関する注意事項 〉

染め替えは、衣類や生地に負荷がかかります。見た目にはわからない生地のダメージ、穴、ほつれや劣化等がある場合、染色後に傷み、破損などが起こる場合があります。また、型崩れや引きつれ、付属品の腐食・劣化、破損など染める前には予測できないことが起こる場合があります。万が一障害が発生した場合、弊社では責任を負いかねます。注意事項をご理解、ご了承の上で、申込みくださいますようお願いします。不明点がある場合には、お気軽に問い合わせください。

●受付できる製品【お一人様1点まで】
綿、麻、テンセル、リヨセル、シルク、レーヨン
Tシャツ、カットソー、シャツ、ブラウス、ハンカチ、エプロンなど(裾が腰丈まで、薄手生地)
・交織や混紡は、綿、麻の混用率が低くなるほど染まる色が薄くなります。
・ポリエステルやナイロンなど化学繊維が含まれる場合その部分は染まりません。
劣化やダメージの大きな衣服、デリケートな仕上がりなど、染色に耐えられないと判断した場合、受付をお断りすることがあります。

●受付できない製品
ウール、皮革、ポリエステル、ナイロン/品質表示がついていない/水洗い不可、高温不可の表記がある/撥水加工、形状記憶加工など、特殊な加工が施されている/中綿(ポリエステル、羽毛)のもの/裏地がついている/手書きプリントや漆など特殊なインクを使用している



静岡の「やらまいか」は日本じゅうの勇気の手本です。

川による舟運、海による海運、港、街道。それらによる政治、産業、教育。宿場町や城下町、港町として栄え、戦争や高度経済成長で重化学工業が発展した静岡。そして大地震……。鍛えられた静岡は、日本を支える企業や人材を数多く生んできました。「やらまいか(やってみよう)」。やってみないとわからないじゃないか。やってみる前から議論しても、新しい気づきはないよ、という県民性。この素晴らしい心の開き方こそ、静岡らしさなんだ。
 
【d design travel シリーズ】
約3ヶ月間暮らすように現地を旅して、本当に感動したものだけを「ロングライフデザイン」の視点で、本音で紹介しています。本企画の前後で静岡県を巡ってみるのもおすすめです。
 
増補改訂版 d design travel SHIZUOKA

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鷲巣恭一郎|お茶染めWashizu.

お茶染めWashizu. 代表 1979年静岡市生まれ。静岡の基幹産業である「お茶」の製造工程で廃棄される部分を使った「お茶染め」の研究を始め、お茶染め文化創出のために活動中。伝統工芸体験施設 駿府の工房 匠宿、静岡市、お茶染めWashizu.の三社で連携を取りながらお互いの強みを活かした後継者育成事業を進めている。

・鷲巣染物店 5代目
・静岡市染色組合「駿河和染」 理事
・静岡デザイン専門学校 非常勤講師
・静岡県工芸家協会 会員
・駿府の工房 匠宿 染工房 工房長

お茶染めWashizu.

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前田結嬉|お茶染めWashizu.

お茶染めWashizu. 製造担当 専門学校でデザインを学ぶ。ものづくりの楽しさを実感し、自身の成人式で着用した振袖をきっかけに、染物の世界に入ることを決意。一人一人の気持ちと向き合ったものづくりができる職人を目指し、2023年に「お茶染めWashizu.」に弟子入り。

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駿府の工房 匠宿

駿河竹千筋細工をはじめとした、和染、木工、漆器、蒔絵などの伝統工芸と、その後に興った家具、プラモデルなどの近代産業をテーマにした伝統工芸体験施設。地場産業の振興を目指し、創作体験や各種展示を通じて、来場者が工芸に親しみ、歴史に触れる機会を提供している。

駿府の工房 匠宿