創業200年余り、京都府宇治市に工房を構える南條工房は、仏具のおりんや祇園祭の鉦など、鳴物神仏具を型作りから仕上げまでひとつひとつ手作業で製造する国内でも数少ない工房です。
今回は、D&DEPARTMENT KYOTOにて開催する「おりんのもののまわり」関連企画として、南條工房のおりんができる工程を目の前で体感する工房見学ツアーを開催します。
おりんの素材は、「佐波理(さはり)」という銅と錫の合金を使用します。代々受け継ぐ工房独自の配合率と薪を用いた伝統的な「焼型鋳造法*1)」で素材の特性を活かし、唯一無二の音色を生み出しています。
「佐波理」製の金属のみを扱うことで、鋳型に使う土や金属加工の際に出る削りかすも再利用が可能。型作りに使う水に雨水を溜めて使用するなど、できる限り廃棄物を出さない循環するものづくりが実現されています。
工房見学ツアーは、月に2度行われる「鋳造(金属を型に流し込む工程)」に合わせて開催します。1000℃を超える金属を型に流し込む現場は、熱気に包まれた緊張感の漂う空間です。
循環するものづくりや、唯一無二の美しい音色のおりんができる工程を現地で体感できる貴重な機会です。また、2023年に工房横に誕生したおりんの音色を感じてもらうための拠点「LinNe STUDIO」も合わせて見学。完成したおりんの視聴や商品の購入も可能です。
このツアーを通して、南條工房の音色にこだわったものづくりに触れ、自分に合ったおりん選びについて考えるきっかけになれば幸いです。
*1)「焼型鋳造法」とは
鋳造法の中でも最も原始的な技法で、弥生時代の銅鐸などの製法と同様の技法で鋳型を作成。土と粘土を捏ねて鋳型を作り、薪で素焼きにしてから鋳込むことで、鋳造が難しい佐波理の成型を可能にしています。
【ツアーの流れ】
◯10:50 集合(南條工房 現地集合)
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◯11:00-11:30 スタート/加工場案内
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◯11:30-11:50 鋳造見学/切削加工の実演
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◯11:50-12:00 「LinNeSTUDIO」案内(完成したおりんの視聴)
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◯12:00 -12:20 フリータイム( LinNeSTUDIO見学)
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◯12:20 終了・解散 (LinNe STUDIOでのお買い物やおりんの視聴をお楽しみください)
【参加にあたっての注意事項】
・当日は工房内など、足元が不安定な場所も歩きます。履き慣れた靴、動きやすい服装でお越しください。(ヒールは避けてください)
・工房内は空気中や壁面に煤や灰が付着しています。汚れても良い服装、気になる方はマスクの持参をお願いいたします。
・寒い時期の工房見学です。暖かい服装でお越しください。
【推奨交通手段】
・公共交通機関(電車)
・車(お車でお越しの方へは、お申し込み後に駐車場をご案内いたします)
集合場所:南條工房(京都府宇治市槙島町千足42-2)
<最寄り駅>
近鉄京都線「向島駅」※駅から徒歩約22分
京阪「黄檗駅」※駅から徒歩約23分