和ろうそくの灯で、火と人が寄り添う
1914年創業。滋賀県高島市の和ろうそく専門店「和ろうそく 大與(だいよ)」。
「植物性100%」「国産の原料」「日本で作られている」この3つを和ろうそくの定義と考え、職人の手によって作られる和ろうそくは、天然の櫨と米ぬかの植物蝋のみを使用。原料の全てが純植物性のため、煤は少なく、い草と和紙を巻きつけた芯は、溶けた蝋を吸収しながら燃焼し蝋を垂らすこともありません。高くても良い材料で良いものを作る。正直なものづくりを大切にする大與の和ろうそくのは、燃焼時間が長く、綺麗に炎を灯します。
創業から100年が経ち、四代目の当主となった大西巧さんは、和ろうそくをこれからの100年先に繋ぐため、伝統的な和ろうそくづくりを続けながら、今の暮らしのなかで使う和ろうそくを提案。新商品の開発や海外へ向けた発信など、和ろうそくの可能性を広げるものづくりをされています。
企画展では食事や祈りの時間など、暮らしの中のシーンに合わせて使いやすい形や大きさ、燃焼時間も様々な和ろうそくを展開。和ろうそくと併せて使って欲しい燭台、火消しや芯切り鋏など「灯のまわり」の道具もご紹介します。
火に代わり、電力が暮らしを支える今の時代だからこそ、和ろうそくの生きた灯に触れることは、太古から人類にとって大切な火の存在に改めて目を向けるきっかけにもなります。ぜひこの機会に、暮らしのなかで使う和ろうそくの灯を体験してみてください。