「醤油屋から発注が来たのは戦後初めて。」
寿命100~150年といわれる木桶は、現在使われているのは戦前につくられたものがほとんどのため、約50年後には使えなくなる。そうなれば、木桶で仕込むことも、木桶仕込みの醤油を味わうこともできなくなる。
「木桶による醤油づくりを次の世代に残すために、
醤油屋が木桶をつくらなければいけない。」
当時、醸造用の大きな木桶をつくることができるのは、大阪府堺市にある藤井製桶所の一軒のみ。山本さんは、信頼する地元の大工・坂本直人さん、三宅真一さんと共に弟子入りを決意します。
2012年に、全国で木桶を使う蔵元と連携して「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げ、木桶の使い手を増やしながら、木桶づくりやメンテナンスの技術の共有を図るため、毎年1月には小豆島で新桶づくりを行っています。