静岡県浜松市は、江戸時代から綿織物や染色の産業が発達し、最盛期には約100軒程の染工場があったと言われています。天竜川の豊かな水と、温暖な気候、時折吹く“遠州の空っ風”は、大量の水と乾燥を必要とする染色業にとって、恵まれた土地でした。
染色家・山内武志さんは、紺屋(染物屋)に生まれ、高校を卒業と同時に人間国宝の染色家・故 芹沢_介の元に6年間師事。地元に戻り、父と紺屋を営みながら、1968年に独立。工房を新設し、染色作家として、独自のものづくりに向き合われています。
染めの仕事は、私たちが想像するよりも遥かに体力を必要とします。山内さんは、86歳を迎えた今でも日々工房に立ち、型紙を彫ることから、糊つけ、調色、染色までのすべての工程をひとりで行なっています。
山内さんが染め上げる富士山を代表とする山々や、遠州灘の波を連想する曲線を帯びたダイナミックな図案、色彩はとても潔く美しく、私たちの暮らしに取り入れたくなる染物ばかり。
京都店では初めてとなる今回は、人気の高い山の暖簾をはじめ、風呂敷や椅子敷、卓布、手拭いなどたくさんご用意していただきます。山内さんの染物が一堂に集まる貴重な機会です。ぜひお立ち寄りください。
※初日 3/28(木)は、山内武志さんが在店される予定です。(当日のご体調、交通状況によりやむをえず在店ができなくなる可能性がございます。あらかじめご了承ください。)