高野竹工のもののまわり

高野竹工が管理する竹林に息づく、京都の竹たち

世界に約1300種以上あるとされる「竹」。そのうちの半分近くの種類が日本に成育しています。 もともと日本の暮らしに竹林は身近な存在でした。建築資材や災害から家を守る役割を担い、人々が集う憩いの場としての機能など、生活に欠かせない身近な資源として重宝されてきました。プラスチックや木材の技術が普及するにつれ、竹は日用品から工芸品へと移り変わり、今では竹林の荒廃や後継者不足にも直面しています。

 

高野竹工は、竹の産地として知られる京都の乙訓地域に竹林と工房を構え、「良い商品を目指すなら、素材も納得いくものを使いたい」というものづくりに対して妥協を許さない姿勢から、竹林の管理、伐採、商品化までを一貫して行なっています。実際に現場で竹林を管理する「伐り子(きりこ)」は、常に10年後、20年後を見据えて日々取り組み、竹それぞれに現れる自然の美を取り入れたものづくりが実現しています。

京都店で4回目となる今回の展示では、高野竹工が管理する「竹林」をテーマに、竹林の一年や歴史、竹の年齢や種類によって変わる日用具や茶道具のものづくりをご紹介します。そして、会期中には京都の竹林を訪れる竹林ツアーを開催。日々竹と向き合い、対話をしてきた「伐り子」の東前りささんに、高野竹工が管理する竹林を案内していただきます。

 

竹は知れば知るほどおもしろい植物です。竹林を取り巻く環境を知ることで、積み重ねてられきた時代背景や京都ならではの風土、茶道文化との深い繋がりが浮かびあがってきます。道具の選択肢が多様な現代において、本企画展で竹のある暮らしから生まれる豊かさを体感し、ものづくりのその先を考えるきっかけになれば幸いです。

高野竹工のもののまわり

日程
2023/12/01(木)~2024/01/30(火)
時間
11:00~18:00(水曜定休 )
場所
D&DEPARTMENT KYOTO Map D&DEPARTMENT KYOTO

●お問い合わせ:お問い合わせ:075-343-3217(京都店SHOP)

<年末年始の営業について>
年内最終営業日:2023年12月26日(火)
年始営業日:2024年1月2日(火)

営業時間
1/2(火)1/3(水) 短縮営業(11:00-17:00)
1/4(木)休業
1/5(木)通常営業(11:00~18:00)

\関連企画①/
会期中、d 食堂 京都で竹の器をお使いいただけます
展示開催中は、京都に古くから伝わるお正月限定の大福茶を、竹の皮を削ってつくられた錫蒔地のカップとともにd食堂京都にて提供します。お席でくつろぎながら、軽く丈夫で、保温性に優れた竹の艶やかな手触りをお楽しみください。

※混雑状況によってはご用意できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
\関連企画②/
高野竹工の伐り子とゆく竹林ツアー
会期中の1月中旬には、高野竹工の管理する竹林ツアーを開催!
日々竹と向き合い、対話をしてきた「伐り子」の東前りささんに、竹林を案内していただきます。竹はもともと私たちの暮らしにとってどんな存在だったか、生態系との共存などのお話や、竹林の状態を見極め竹を活かす、暮らしに寄り沿った高野竹工のものづくりについても掘り下げていきます。

※詳細・お申込みについては、近日中にご案内いたします。
高野竹工のもののまわり

高野竹工

高野竹工は1973年に創業。創業者で茶道具職人であった高野忠男さん(平成22年没)は、自然の竹の美を茶道具に取り入れた千利休の心眼に深く感銘を受けこの道に入りました。高野竹工創業後は、ものづくりの素材を見極める感性や道具へと仕立てるさまざまな技を職人たちに伝え、現在は茶道具だけでなく日常生活の道具などさまざまな技術を持った職人が在籍し、ものづくりへの真摯な姿勢で竹や素材自身の持つ魅力を伝え続けています。

高野竹工