アール・イマキュレとは何か?

三重県の英虞湾を望む大王町、志摩半島にある「アトリエ・エレマン・プレザン」は、ダウン症の人たちのためのプライベートアトリエです。オーナーである画家の佐藤肇さん敬子さんご夫婦はある時、耳の聞こえないダウン症の子どもと出会い、自分たちが今まで持ち合わせていない感性と対面します。目の前で描かれた絵、それは現代社会の中で定義づけられている「知」を遥かに超えた作為的でないもの。本質的な自然界がもつリズムとの呼吸や「間」。直感は鋭く、だけどどこか優しい絵。これまでの美術史に無いものを確信した肇さんたちはその絵から放たれる全てを「アール・イマキュレ(無垢の芸術)」と捉えます。1990年には肇さんの父である武雄さんが開いていた版画工房(1969年-1989年)で学んだ人達が中心となり「アトリエ・エレマン・プレザン」の活動がスタート。2001年、娘のよし子さんと夫の佐久間寛厚さんが本格的に加わり、学生や活動に賛同するスタッフなどと、ダウン症の人たちがアトリエや自らがデザインした住居を持ちながら働く村の計画「Down’s Town Project」の構想が進められています。

 

“Atelier Element Present” is a private studio for people with Down syndrome which is located on the Shima Peninsula overlooking Ago Bay in Mie prefecture. The owner of the studio and artist, Hajime Sato and his wife Keiko Sato met a deaf child with Down syndrome at one point and faced the sensibilities they have never had before. He painted a picture in front of them, and it was beyond the “knowledge” defined in modern society and far less artificial. There was harmony of the rhythms of essential nature and “space.” He had sharp intuition but painted soft and warm picture. Hajime and Keiko were convinced that this sensibility has never been seen in art history, and they started to see every single element of the painting as ”Art Immacul?.”

In 1990, Atelier Element Present has launched by the people who studied at Hajime’s father, Takeo Sato’s woodblock printing studio (1969-1989). Hajime’s daughter Yoshiko Sato and her husband Hiroatsu Sakuma joined this in earnest in 2001, and now they are working on an art village plan named "Down's Town Project" that people with Down syndrome live in the houses designed by themselves and work in the town with students and staff who support the activity.

今回、三重店では「アール・イマキュレとは何か?」と題し、100号の原画の展示をメインに、キャンバスやDown’s Town Projectに関する作品の展示販売を行います。ぜひ、ダウン症のアーティストから生み出される絵や作品が纏うやわらかな世界観に触れ、身を委ねてみてください。たくさんの方にフラットに、それぞれの受け容れ方で感じていただけると思います。またこの活動を隔たりなく応援することでダウン症の方に、自分たちにつながる未来が必ずあります。差別や競争、比較などのない、限りなく自由な美しい身近なアートを体験、共有する機会になれば幸いです。

 

This time, we will exhibit their original paintings(162x130cm) with the title "What is Art Immacule?" and sell some paintings and works related to Down's Town Project. Please give yourself up to the world created by great artists with Down syndrome. We believe that there is always a better future for people with Down syndrome and ourselves by supporting this activity. We hope this exhibition will be an opportunity to experience beautiful, familiar and infinitely free art which has no discrimination, competition and comparison.


アール・イマキュレとは何か?

日程
2023/10/4(水)~12/12(火)
時間
10:00~18:00(最終日は16:00まで)
場所
D&DEPARTMENT MIE by VISON Map D&DEPARTMENT MIE by VISON https://goo.gl/maps/X3jhwaeon6qXGcRUA

●お問い合わせ:0598-67-8570(三重店)

協力:Down’s Town Project

三重県のアート活動から、日本の未来を考える
Down’s Town Projectをつづけていくために、絵を飾ろう。
今回販売するDown’s canvasを中心としたDown’s Town Projectの作品や書籍の売上の一部はアーティスト及び、この活動資金へ寄付されます。ダウン症の方の中は、自分のペースに合わない仕事を続け、体調を崩す方も少なくありません。それぞれの「好きなことや得意なこと」を生業として活かせるように。少しでも優しい未来へみんなで踏み出すために、日々の暮らしの中に絵を飾りましょう。

Down’s canvas 総武線 / Yusuke Fujimoto
幼い頃から電車が大好きなユウスケ君。アトリエではJRから私鉄まで、20年近く色々な電車を描いてきました。中でも総武線はお気に入り。カラフルな窓が入ることが多いのですが、こちらは黄色と白のみで描かれたシンプルで大人っぽい作品です。ユウスケ君のもう一つの大きな特徴は、厚塗り。爽やかで深みのある総武線は、飾る場所を選びません。
A3 or A2サイズ(クレサン マットキャンバス使用 / ジークレー版画 / 裏面に金具、紐付き)店頭にて販売
Down’s canvas ブルー / Yusuke Fujimoto
発売前からお問合せをたくさん頂いていたユウスケ君の「ブルー」、遂に解禁です!「ホンキで癒されてます。ありがとう!!」「静かなる癒しパワーがある作品ですね。」「なんか、心見透かされる感じで泣けます。」「ほんと素敵!一緒に寝たいぐらいです。お布団カバーとかもあったら最高!」とコメント多数。
A3 or A2サイズ(クレサン マットキャンバス使用 / ジークレー版画 / 裏面に金具、紐付き)店頭にて販売
Down’s canvas ピタゴラスイッチ / Miri Anazawa
笑顔がチャーミングなミリちゃん。アトリエに来ると「休憩しに来たんだよ。」と言いながら、その言葉通りゆっくりゆっくり絵を仕上げます。ひとつひとつの形を丁寧に積み上げ、何ヶ月もかけて描かれた作品はどれも宝物のようです。国内外問わずファンが多い作品でもあります。ぜひかわいいミリちゃんの世界をお楽しみください。
A3 or A2サイズ(クレサン マットキャンバス使用 / ジークレー版画 / 裏面に金具、紐付き)店頭にて販売
Down’s canvas 無題 / Shinji Okada
激しい筆使いとはうらはらに、優しくて繊細、ちょっぴり怖がりなシンちゃん。私たちは、彼の作品が様々なシーンでたくさんの人を励まし、生きる力を与えてきたことを知っています。シンちゃんの温かくも力強い作品に、きっと癒されることと思います。
A3 or A2サイズ(クレサン マットキャンバス使用 / ジークレー版画 / 裏面に金具、紐付き)店頭にて販売
アール・イマキュレとは何か?

アトリエ・エレマン・プレザン

ダウン症の人たちの為のプライベートアトリエ。1990年、英虞湾を臨む三重県大王町の伊勢志摩国定公園のなかに、画家の佐藤肇さん、敬子さんにより設立。「エレマン・プレザン」とは、フランス語で「現代の要素」という意味。1993年より続いた東京アトリエは2020年に「ダウンズタウンプロジェクト」へと移行。

アール・イマキュレとは何か?

ダウンズタウンプロジェクト

「アトリエ・エレマン・プレザン」から誕生したプロジェクト。彼らの制作に寄り添う中から見えてきたダウン症の人たち特有の色彩感覚と「調和的感性」を現代社会へ発信するため、様々な活動を行なっている。将来的にはカフェや、アトリエ、Museumなどが集まるダウン症の人たちの感性を中心とした場づくりを構想中。年に数回開催するワークショップには、3歳~50歳までのダウン症の人たちが数多く参加している。