鹿児島・阿久根
下園薩男商店のもののまわり

東シナ海に面し、古くから港町として発展してきた鹿児島県阿久根。その阿久根で1939年の創業以来、海産加工業を中心に地域に根ざしたさまざまな活動を行なっているのが「下園薩男商店」です。メインの海産加工はウルメイワシの丸干しを主力に、鹿児島県のみならず全国のスーパー等に展開するなど、日本の食文化を支える一端を担っています。

そんな丸干しも約40年前をピークに消費量が減少。「このままだと丸干しを食べる人がいなくなるかもしれない」という危機感のもと、今まで丸干しを食べたことのない人に手に取ってほしいと開発したのが「旅する丸干し」です。ウルメイワシの丸干しを各国をイメージしたオイル漬けにするという新しさと、ネーミング、パッケージデザインで幅広い層の人が丸干しを手に取る機会をつくることになりました。

その後も「はらぺこイワシ」や「焼海老辣油」など、地域の特産品を活かした商品開発を行うのみならず、2017年には１Fにカフェ・ショップ、2Fに瓶詰工場、3Fをホステルとした「イワシビル」を開業。2022年には、枕崎市にある取り壊し寸前だった築120年の旧金山郵便局をリノベーションし、カフェ・ショップ・宿泊施設を併せもつ「山猫瓶詰研究所」をオープン。商品の製造・販売を超え、地域のコミュニティの拠点としての役割も果たしています。

また、企業理念である「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ人生を豊かにする」の考えのもと、阿久根で活躍する作家・企業・クリエーターなどと、阿久根の魅力を発信するための活動も数多く行っています。

今回は下園薩男商店のオリジナル商品を中心に阿久根らしさを感じる商品とともに、幅広い下園薩男商店の活動をご紹介します。阿久根の今を感じて、阿久根を訪れるきっかけにしていただけたら幸いです。