天童木工のもののまわり

時代を超えて愛されつづける、      天童木工のものづくり

1940年、山形県天童市で創業された「天童木工」は、薄いシート状の木を積層し、自在に形を作り出す“成型合板”という技術のパイオニアとして知られています。 無垢材では表現できない美しい曲線と丈夫で軽い仕上がりになるため、デザイナーからの要望も多く、その度に試作を何度も重ね、数々の名作椅子を生み出してきました。

 

その中でも、1960年に誕生した「低座イス」は、D&DEPARTMENT京都店のd食堂の座椅子として、開業以来多くの方に使われ続けています。特徴的な広い背もたれと座面は背中やお尻に沿うよう3次元的に曲げられ、横を向いて背もたれに寄りかかっても、体育座りやあぐらを組んでも不思議と体勢が落ち着き、程よい硬さのあるクッションが身体を支えてくれます。「和室でも違和感なく置けて、くつろげる椅子がほしい」というリクエストに応えた、日本の文化に根付いた椅子でありながら、現在の多様な生活空間でも、多彩な張り地のバリエーションにより今の生活空間でも取り入れることができる、まさに日本を代表するロングライフデザインです。

 

本企画ではD&DEPARTMENT京都店の象徴ともなっている「低座イス」の座り心地の良さやその背景をより多くの人に知ってもらうべく、構造見本や設計図など貴重なアーカイブを展示します。それ以外にも、D&DEPARTMENTが選定した、時代を超えて愛されつづけている天童木工の名作椅子も併せてご紹介。暮らしの価値観や住まい方、生き方が多様化する現代において、天童木工のものづくり、そして、低座イスが長く支持される理由を紐解くことで、その先に得られる暮らしの豊かさとは何なのか、みなさんと一緒に考え、体感いただく機会になればと思います。

 

【もののまわりとは】
「まわり」とは、その「もの」が生まれるに至った全てであり、「もの」を手に入れるとは、単に「もの」としてだけ、物欲としてだけではなく、その「まわり」も手に入れられることです。それを「店」がサポートし、生活者は「まわり」も手に入れることで、「もの」を大切に使い続け、「まわり」に関わる人たちとの交流が、そうした人たち全員の喜びにつながって、健やかなモノづくり、健やかな生活が生まれていく。その継続的な繋がりを「もの・の・まわり」という名前に込めました。地域、暮らし、産業、環境、仲間などを基本にした「まわり」を紹介します。

天童木工のもののまわり

日程
2022/6/11(土)~7/24(日)
時間
12:00~18:00(金・土・日・祝のみ営業)
場所
D&DEPARTMENT TOKYO Map D&DEPARTMENT TOKYO

●お問い合わせ:03-5752-0120(東京店)

床座と椅子座の暮らしをゆるやかに繋ぐ
日本の暮らしから生まれた「低座イス」

D&DEPARTMENT KYOTO d食堂内

坂倉準三建築研究所が、1957年に8代目松本幸四郎邸を手がけた際、「畳の部屋でもテレビを見ながらゆっくり座れる椅子が欲しい」というリクエストに応えて製作。低く作られた座は足を投げ出して座ることができ、広い座面ではあぐらをかくことができます。やや傾斜がついている座面と厚く硬さのあるクッションが、身体を受け止めてくれ、腰に負担をかけず長時間座れます。29cmの座面の高さは、床座やソファーに座る人と同じ目線で過ごすことができます。>特集ページは こちら
低座イスの無料レンタルを行います
体育座りやあぐらをかくながら作業をしたり食事をしたりと、ソファとはまた違った心地よさを実際にご自宅でお試しください。

お申込み方法:店頭受付のみ
レンタル期間:受付日より14日間(お持ち帰りのみの貸出)
レンタル条件:アンケートのご協力と使用写真のご提供
貸出台数:お一人様1脚まで

> 詳細は東京店スタッフまでお問い合わせください。
USED天童木工製品の買取を強化し、店頭で販売いたします
コントラクト用としても製造をしている天童木工の製品は、長く使い続けられる構造だからこそ、使い込むことで更に良い表情に変化していきます。会期中はそんな魅力が増したUSEDの天童木工製品の買取を強化し、買取したものを店頭で再販売いたします。買取・在庫状況は常に変化いたしますので、詳しくは東京店にお問い合わせください。
> 買取フォームは こちら
熟練の職人技が詰まった、天童木工のものづくり
今年で創業82年になる天童木工は、無垢材では表現が困難な、複雑な曲線を可能にする「成形合板」をはじめとした、高い技術力を今日まで伝承させてきました。デザイナーのアイデアと熟練の職人技が生んだ自由な造形の家具は、時代を超えて愛されています。
職人達がつくりだす美しい曲線
自然によって育まれた木は不均質で扱いにくく、職人には木材の性質を読み、その木に合わせて加工する技能が求められます。天童木工には国家資格を持つ技能士が多数在籍しています。中でもマイスターの称号を持つ者は、家具の製造に優れたごく僅かな職人達。彼らの繊細な家具づくりが国内外のデザイナーのアイデアに形を与え、「成形といえば天童木工」という評価を築き上げてきました。
薄く、強く、加工がしやすい成形合板
成形合板とは、単板と呼ばれる薄い木の板を接着剤で貼りあわせ、型に入れてさまざまな形状に成形する技術です。 加工された木材は薄くても強度が高く、無垢材より細い形に仕上げられるため、繊細なデザイン表現を可能にします。天童木工はこの技術を日本で初めて確立し、以来60年あまりにわたって、その技術を磨き続けています。
日本の気候に合わせた乾燥
仕入れた木材を切り出し、そのまま屋外で1年以上寝かせて自然乾燥させます。加工前に乾燥機に入れ、さらに乾燥させることで狂いの少ない材料に仕上げています。
2022年3月15日(火)配信済み D&DEPARTMENT京都店×天童木工
「天童木工 工場見学ツアー|作り手に聞く低座イスの話」
2022年3月4日(金)~4月18日(月)の期間、D&DEPARTMENT京都店で「低座イスを生活に取り入れることは床座と椅子座の暮らしをゆるやかに繋いでいく」というテーマで企画展を開催いたしました。山形の工場とライブを繋ぎ、工場見学ツアーを開催。天童木工の歴史や、貴重な低座イスの製造過程などを動画で見ることができます。> 視聴はこちら



天童木工のもののまわり

天童木工

1940年、山形県天童市に、近郊の大工や建具などの職人が集まった「天童木工家具建具工業組合」として創業。薄くスライスした木板を重ね合わせ、さまざまな形を作り出す「成形合板」の技術を日本で初めて取り入れた家具メーカー。柳宗理や剣持勇といった、日本を代表するデザイナーや建築家とともに、名作と言われる数々の家具を生み出している。