「暮らしを豊かにする選択」展

長く使い続けることで味わえる楽しさを、

名作椅子「Yチェア」に学びます。

ハンス J. ウェグナー最大のベストセラーであり、 日本人である私たちにも馴染みのある名作椅子「Yチェア」。カール・ハンセン＆サンの本社があるデンマークでは、“HYGEE”（ヒュッゲ）という「居心地の良さ」を根底にした考え方が浸透しています。日本でも暮らしの心地良さへの注目が高まり、Yチェアは多くの人に愛され、日本人の生活に溶け込んでいるロングセラーな椅子です。

D&DEPARTMENT TOKYOでは、2020年に中古のYチェアを大量に仕入れ再販売、2021年にはYチェアを手がけるカール・ハンセン＆サンのものづくりの姿勢に迫る企画展を開催。それらがきっかけとなり、私たちは気づいたことがあります。それは「Yチェアの本当の価値や魅力は買った時ではなく、買った後にある」ということ。

刻んだ歴史は残しつつ、新品のように戻ってくる、修理されてより魅力を増すYチェア。石鹸で洗い立ての木肌のさっぱりとした、白肌が美しく心地良い木肘がたまらないセルフクリーニング後のYチェア。オイルを塗り重ね、時を刻み、経年変化でシミとともに飴色に変化し、まったく別の表情を見せるYチェア。

使い込むことで魅力が増し、その変化を存分に楽しめる名作椅子「Yチェア」は、「長く使い続けられる」という価値を知っている人々の手によってロングライフデザインとなり、その価値観は、私たちの暮らしの質を少しずつ変えています。

今回の企画展では「Yチェアを買った後」をテーマに、手入れ・修理・経年変化を存分に楽しんでいただく方法を、みなさんと一緒に考え、伝える機会としました。依然として消費的な考え方が強く、憧れを手に入れることが目的のようになっているYチェアですが、私たちは「Yチェアを選んでもらうこと」＝「暮らしを豊かにする選択」であると考えます。すでにYチェアを手にしている方も、これから手に入れたい方も、本企画を通して、Yチェアが教えてくれる価値観、長く使い続けることで味わえる楽しさを知り、暮らしに取り入れていただけたら幸いです。