縄文時代から人々の食に深く根ざしてきた日本在来の胡桃「鬼胡桃」。
会津には、昔から北前船により鬼胡桃が集まってきており、かつては多くの胡桃問屋がありました。ミルキーで渋みが少なく、派手さはなくとも、じわっと体に染み込んでいく味わいは、東北に暮らす人々の食文化に深く根ざしています。
今回、会津で100年以上続く胡桃問屋「斎藤金五郎商店」を訪ねました。一般的な西洋胡桃に比べ殻が厚い鬼胡桃は、殻割りも手作業。東北中から山に自生した鬼胡桃などを集める斎藤金五郎商店では、今でも初代から続く伝統的な方法で、一つ一つ手作業で殻割りを行っています。
外国産の安価な西洋胡桃に押され需要が減ってしまった現在では、国内の流通量はわずか1%以下。まさに幻のような木の実です。