技術を残し、未来に繋ぐ、ものづくり。
高度な技術でつくられた個性あふれるテキスタイルによるバッグコレクション。 日本の機織技術の素晴らしさを伝え、新たな需要を生み出すための活動です。
2024.11.9 新しい生地とスモールサイズ 発売
2014年から日本各地の生地産地で、デッドストックとして保管されていた生地を生きた在庫として活用するプロジェクト「LIFESTOCK」を行ってきました。 10年に渡りこの活動を続けていく中で、日本からデッドストックが少しずつ無くなってきていること、 そして年々、機織工場も、職人も減り続け、当時の生地が、今では生産できなくなってきていることに 危機を感じました。
『デッドストックを活用すると同時に、その生産技術を受け継ぎながら新たに生地を作り続ける必要がある。』
高い技術を使って、時間をかけて織られる生地は、それだけ原価も高くなります。ですが、現在のアパレル業界においては、短期間に低コストで大量生産できるファストファッションが主流となり、高度な技術による個性あふれる美しい生地はオーダーが入らず、機械を止め、廃業する工場が後をたちません。 需要を生み出さなければ、日本の繊維産業そのものがなくなってしまう。 私たちD&DEPARTMENTは、この現状を知り、日本の機織技術の素晴らしさを伝え、新たな需要を生み出すために「ARCHIVES」を始めました。
D&DEPARTMENT ファッション部門コーディネーター 重松久恵
10年前に比べると、産地の活性化を推進する行政や若者が増えたように思えますが、現状はまだ厳しい状況が続いています。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、廃業が進んでいます。そのような中で、規模は小さいけれども、世界が注目するような特徴を持った、こだわりの布を作り続けている方々も存在します。産地を訪ね、「LIFESTOCK」のプロジェクトの枠組みでは金額が合わないなどの理由で取り上げることができなかった、こだわりの布も、いつか作れなくなってしまうかもしれないと考えると、それらを残したいという気持ちでいっぱいです。こうした素晴らしい生地が存在することを、多くの人々に知ってもらいたいし、身近な日常で使ってもらいたいと思っています。私たちが製品として販売することで、生地を発注することができ、生産者たちも作り続けることができる可能性があると考えています。その想いから、「ARCHIVES」シリーズを制作しました。ひとつひとつが個性豊かな宝物のような布で作られたバッグを通じて、皆さんに楽しんでいただけたらと思います。
VIDEO
Movie|愛知県一宮 有限会社カナーレ
愛知県一宮市の尾州産地は、古くからの織物産地だったが、明治時代、洋装の時代の流れに対応し、いち早く羊毛工業に着目したのがきっかけで、全国一の毛織物産地となった。1997年に創業したカナーレは、50年以上前のションヘル式織機を使い、低速回転でゆっくりと織り上げ、手作業や加工を加えることによって独自性の高いテキスタイルを確立している。