2017年、岐阜県「ギャルリももぐさ」での「もうひとつのデザイン ナガオカケンメイ展」開催を記念して、展示の解説でもあり、ナガオカケンメイがD&DEPARTMENTで考えてきたことや活動を、ぎゅっと1冊にまとめました。___
幼少期、デザイナーになりたての頃など、 ほとんど語られてこなかった自身の生い立ちから、 D&DEPARTMENT PROJECTで立ち上げた 数々のデザインプロジェクトのストーリーなど、 これまでの活動の軌跡を、334点のカラー写真とともに、 わかりやすく綴った本書。 ナガオカケンメイのデザインに対する思いの深さと、 社会への関わりかたを言語化。 デザインに関わる人だけでなく、 現代を生きる、すべての生活者が意識したい考えかた。
●本書より
ひとは、自然から産業発展のために不自然へと向い、 そこでデザインは生まれた。そして、すべてを経験して、 私たちはもうひとつのデザインを欲しはじめる。 無理が 様々な生態系を破壊してしまうことを体験したからだ。
[巻頭言より]
デザインに関わっていたいとずっと思っていますので、自分の人生を心配しても、“新しく作らない"という 「もうひとつのデザイン」があって欲しいと思うわけです。
[ 序章「もうひとつのデザイン」より ]
売り場はステージであり、 お客さんと作り手が一緒にな れる場所。デザイナーにとってまさに売り場が現場で なくてはならないと心底、思います。
[ 第1章「長岡賢明」より ]
すでに人間の作ってきたものは、機械が完璧に作り出している。人工知能に仕事が奪われていく。いや、違います。 「人間しかできないもの」を作ればいいのです。そして、 「自然にしかできない」ものを愛でる。その変化に敏感になればいいのです。
[ 第5章「経年変化を楽しむ」より ]
関心を持つべきは「売れる」ことよりも「根をはれる」こと。そこに関わっていきたい。
[ 第8章「“らしさ"を引き出す」より ]
〈目次〉
1. 長岡賢明
2. 見つけだす
3. 見かたを変える
4. あたらしく名前をつける
5. 経年変化を楽しむ
6. 再利用してつくる
7. すでにある形を使う
8. “らしさ”を引き出す
9. 業務用品をベースにする
10. 伝え方をつくる