日本人の体型に馴染む コンパクトなカステリチェア
DSCシリーズ、通称「カステリチェア」は、D&DEPARTMENTでは創業当時からUSEDアイテムとして愛着を持って買取を行い、時にはカスタマイズを行い販売を続けてきた大切な椅子。日本国内での製造が終了してから約20年を経て、近年では、USEDとしてもなかなか出回らない椅子になってきているカステリチェアをイタリアのアノニマ・カステリ社と福岡の輸入代理店STOOL社の協力により、日本人サイズのカステリチェアを、D&DEPARTMENT別注モデルとして2020年に蘇らせた。
アノニマ・カステリ社は、1877年にイタリアでエットーレ・カステリ氏が家具職人として創業。その後、アノニマ・カステリ社は、伝統的なブルジョワ家の家具から、素材の質など細部をこだわり、実験的な技術や人間工学の最先端を取り入れていきました。第二次世界大戦後すぐに設立されたデザインセンターで、様々なデザイナーと協力しながら家具の開発をおこなった。カステリチェアのデザイナー、ジャンカルロ・ピレッティ氏もその中の一人として、様々な家具を発表してきた。
ジャンカルロ・ピレッティ氏は、カステリ社のデザイナーとして勤務。代表作として現代の折りたたみチェアの原型となる「Plia(プリア)」を1967年に発表。プリアは、発売から全世界で700万台以上販売され続けている。
プリアの発売前となる、1965年にDSCシリーズ、通称「カステリチェア」がジャンカルロ・ピレッティ氏によってデザインされた。 カステリチェアは、1脚の椅子をベースに、折り畳み式やベンチ式にしたり、サイドテーブルやアームレストのオプションが付けられることで、空港、劇場、会議室などの大規模な集合空間を演出した。
カステリチェアの構造的な特徴は、 枠となる金属フレームに、成形合板を挟み込み、締め上げて固定させるクランプ式構造と呼ばれる。木に金属を打ち込むと、長年負荷がかかるとどうしても木が負けてしまう。クランプ構造であれば、直接、木を痛めることなく、結果的に耐久性に優れる。実際、入荷してくるUSEDは公共空間でハードに使われていたと思われるが、構造が故障しているものというのはあまりなく、細かいパーツ交換や張り替えで対応ができる。
垂直に積み上がるスタッキングは、本体への負荷も少なく、その積み上がった姿も良い。スタッキングチェアとしてはやや重さがあるが、その分様々な動きや姿勢に耐えられる安定性がある。
成形合板でつくられた座面とモタレの曲線は、美しく見ているだけでも充分と思ってしまうが、美しいだけでなく人間工学に基づいた曲線は、ゆるやかに身体に寄り添い、長い間座っていても疲れない。
日本では、岡村製作所がカステリ社と技術提携を行い1982年に発売。 日本人向けのカステリチェアを含むDSCシリーズはグッドデザイン賞金賞など、いくつかのグッドデザイン賞を受賞したが、現在では残念ながら製造が終了。
D&DEPARTMENT別注モデル
日本国内での製造が終了してから約20年を経てイタリアのアノニマ・カステリ社と福岡でTONなど名作家具の輸入代理店をしているSTOOL社の協力により、日本人の体型に馴染むサイズのカステリチェアを、D&DEPARTMENT別注モデルとして2020年に蘇らせた。
イタリアのカステリチェアは座面が47cmと高めで背面、座面も大きい。小柄な日本人が長時間座るにはどうしても疲れが出てくる。D&DEPARTMENT別注モデルは背もたれ、座面もコンパクトだけれど、ゆったり座れ、テーブルにも合わせやすい座面高42cm。しっかりと脚が床に着く事で、脚も疲れにくく、日本人の体型に合わせた座り心地の良い高さとなっている。
製造は、50年以上カステリチェア(DSC106)の製造を続けているイタリアのアノニマ・カステリ社。その印として脚の内側に刻印がされている。
お気に入りのポイント
はじめてカステリチェアに座った時、その座り心地の良さに感動しました。面積が広く、3次元形成の座面・背面。自宅の作業用の椅子として使用していますが、長時間座っていても疲れません。本当に日本人の体型に馴染みます。座り心地はもちろんのこと、木とアルミの素材の美しさ、業務用感のある細い足の佇まいも惚れ惚れします。“D&DEPARTMENTの創業当時からUSEDアイテムとして愛着を持って買取、販売し続けてきた大切な椅子”というのもお気に入りのポイント で、ダイニングチェアをお探しの方には、必ず!おすすめしています。(平田鈴乃/ D&DEPARTMENT TOKYO)
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