スタッフの商品日記 098 ナインボックス

50年間デザインを変えていない収納ボックス

誕生
ナインボックスは、有賀芳雄氏が約50年前に誕生させた。有賀芳雄氏の兄弟が工場を経営しており、そこで使えるような引き出しを作ろうとしたのではないかとのこと。誕生当時は、現在のカラーとは異なり、灰色一色で、いかにも工場で使う引出しという感じだったが、その後、通常使いもできるように、現在のカラーに変更となった。


特長
中身や用途に合わせて使い分けができる収納ボックス。サイズのバリエーションは、全5種類あるが、外寸が全て同じに設計されているため、スタッキング可能な点が、スペースの有効活用となり、小スペースな場所や事務所内でも使いやすい。重い物にも耐えられる設計になっているので、安心して使用出来る。D&DEPARTMENTでは、200型・300型・600型の3種類を取り扱いしている。ケースが透明なので、中に何が入っているか分かりやすく、型によってはケース内に、仕切り板が付属しており、小さい物も取り出しやすく、整頓が可能。

200型(画像上のナインボックス)

300型

600型



製造
工場では、一台一台手作業で組み立てを行い、人の目で検査を行っている。ナインボックスの本体である外枠は、どのモデルでも共通となっていて、引き出しを支える板の位置を変える事で、複数の引き出しに対応できるようになっている。これによって、必要となる金型の数を減らす事が可能となり、最小限の原料と道具で作られている。不良品が出た場合でも、材料に戻して再利用することで、廃棄量を減らす努力を行っている。ナインボックスの 引出しと引出しの仕切り板は個別に購入することができ、これにより、長く使うことができる。

型によって横の仕切りを変更

トップも手作業で取り付け

引き出しを入れて完成。小スペースでもスタッキングできるので効率が良く作業ができる。



つづく仲間
アリガ産業株式会社は、長野県にて、1966年3月に創業。創業から2017年まで、有賀芳雄氏が経営を行っており、2017年に亡くなるまで働いていた。その後、現在の代表である有賀雄一氏が経営を引き継いだ。当時、有賀雄一氏は別の企業に勤めており、アリガ産業のことに関わって来なかったため、廃業することも考えたが、社員の方に助けてもらい会社を続ける事ができた。




社内でもナインボックスは大活躍!



創業から製造しているのは、ナインボックスに加え、ワーキングボックス、ラブリーケースといった収納ボックス。その他、食堂などで使用するスタンドタイプの箸入れも製造していたが、10年以上前に廃番となった。



つづく産業
自社では、ナインボックスを作るための射出成形機を持っていないため、射出成形機を持っている会社に成形を依頼しているが、経営者の高齢化により廃業することもあり、射出成形を依頼できる会社が減っていることが課題となっている。また、原油から作られるプラスチックは、ウクライナの問題などがあり、価格が高騰していて対応に苦慮しているという現状がある。


つづくデザイン
モデルチェンジをしない。ということと考え、金型などは傷んでくるため作り直しているが、およそ50年もの間、全くデザインを変えずに売り続けることができている。これはひとえに、使ってくださる方のおかげと感謝し、使ってくださる方がいる限りナインボックスを作り続けていきたいと考えている。


お気に入りのポイント
増え続ける名刺をどう整理しようかと考えていたとき、「ナインボックス・600型」にたどり着きました。新人編集者だったころ、「ライター/カメラマン/デザイナー/メディア/メーカー」など、業種別に名刺用クリアファイルを用意。すぐに出し入れと順番の入れ替えが面倒に。そこで、今度は文具メーカーが作っている名刺用ボックスへ。そのボックスも3箱、4箱と増えるにつれ、置き場所問題や、ひっくり返したときの大惨事のリスクが出てきました。「ナインボックス・600型」は、小さな引き出しが6個付いていて、引き出し1個に700枚ほど名刺が入ります(詰めすぎると、見づらいのでこの程度がおすすめ)。一般的な名刺用ボックスが1箱あたり800~1000枚入りだから、それよりも引き出し1個あたりの容量は少ないですが、何箱も並べずにすむのでスッキリします。6個ある引き出しを、名刺に3個分、デスク周りの小物整理に3個分とふり分けてもよさそうです。今は、メールやチャットで仕事が始まり、実際にお会いして名刺交換をする時には、プロジェクトはすでに走り出している、ということも増えてきました。先方の住所なども、メールの署名欄で確認できる時代です。それでも「初めまして」のご挨拶とともにいただいた名刺には居場所がほしくて、「ナインボックス・600型」はこれからも使い続けることになりそうです。(田邊直子/web・書籍担当)



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