スタッフの商品日記 097 DBKオイルヒーター

空気の乾燥や汚れが気にならない暖房機器

誕生
DBKはドイツの電熱機器部品メーカーで、1960年代に世界で初めて移動式のオイルヒーターを開発した。オイルヒーターとは、フィンの中に充填された熱伝導率の高いオイルを電気で温め、その放熱を利用して空間を暖める暖房器具のこと。エアコンやファンヒーターのように風を出さないため、温度ムラがなく、部屋全体がゆっくりじんわりと温まるのが特徴である。当初は可動式のオイルヒーターが無く、発売された同社の商品は欧州で高い評価を得た。主に電熱機器の部品を製造販売しているDBK社は、1946 年、Josef David(ジョゼフ・デイヴィッド)氏、Theo Baader(セオ・バーダー)氏の 2 名でドイツKandel(カンデル)市に会社を設立。 DBK の由来は、David氏、Baader氏、Kandel市 の頭文字からきている。 アイロン、ケトルに使用されるエレメントが初めての商品となり、ヨーロッパ大手メーカーRowenta (ロウェンタ)社で採用されることとなった。D&DEPARTMENTでは、DBKオイルヒーターの「HEZ13/10KBD」をセレクトしている。

 

つづく仲間
日本では、1985年に日本ゼネラル・アプラィアンス株式会社により発売開始。当時の日本では、石油ストーブが主暖房器であり電気暖房を主暖房にする時代ではなかった。日本ゼネラル・アプラィアンス㈱先代社長はドイツ、イタリア、ポルトガルのオイルヒーターメーカーに出向き、一番高品質なものを追い求めた。その際に選ばれたのが、ドイツのDBKオイルヒーター。DBKオイルヒーターは、日本とは暖房の習慣や住環境の違いがあるため、発売当初こそ苦労したが、80年代後半には、高齢者や乳幼児のいる家庭で、火災ややけどの心配がなく、静音で空気が汚れない点から、オイルヒーターが普及し始めた。現在でも根強いファンも多く、ロングセラーとなっている。

 

特徴
DBKオイルヒーターの製造にあたり、一番こだわっていることを尋ねると「あえてデザインを変えないこと」だと言う。日本で販売されている多くの家電メーカーが、毎シーズン、デザインや機能を変えた新製品を発売するため、“ロングライフな家電”は中々少ない。しかしDBK社は、重厚感やお部屋との調和やシンプルでずっと変わらないデザインを好む方に手にとってもらえるようにと、あえて大きくデザインを変えることはしない。

そんなDBK社がオイルヒーターを使用する上で一番重要だと考えているのが「ムラのない温度を作ること」。そのため、ムラの少ない均一化した熱を部屋全体に届けるための工夫がなされている。例えば、取り扱いのHEZ13/10KBDは、内部のオイルに、燃えにくい性質をもつ「難燃性」のオイルを用いている。難燃性のオイルは、熱伝導率が低いため、温まるまで時間がかかるが、一度温まると冷めにくい。また、安価な中国製品が世界的なシェアを伸ばしているが、本モデルについては一貫してドイツ製。オイルが4.2リッターと、他社中国製のものに比べて多く注入されており、他のオイルヒーターの郡を抜いて、より均一な表面温度を実現している。また、オイルヒーターは「輻射式(ふくしゃしき)」で部屋全体を温める。これは、エアコンが温風で部屋の空気を温めるのに対して、オイルヒーターは、赤外線により温めた一点からまわりへ放射する「輻射熱」によって部屋全体を温めている。輻射熱は、高い温度から低い温度の方へ移動する性質を持つため、部屋の上部は温かいのに、足下が冷たいままという状況にならないのだ。

HEZ13/10KBDのタイマーのデザインは、アナログでなんとも言えない愛嬌がある。タイマー付にすると、運転のON/OFFを15分刻みで24時間設定できる。セレクトピンを内側に建てると「ON」、外側に寝かせると「OFF」になる仕組みだ。暖まるまでに時間がかかるDBKオイルヒーターだが、起きる時間に合わせてタイマーをセットしておけば、じんわりと温かい空間で目覚めることもできる。

 

つづく暮らし
DBKオイルヒーターを取り入れると、暮らしはどう変わるだろうか。DBKオイルヒーターは、エアコンと比較すると暖かくなるまでに時間がかかる。しかし、空気を乾燥させることなく、燃料の補充や特別なお手入れもせずに、長く使いつづけることができる。じんわりと部屋を温めたり、作業場の近くに移動させれば、そっと寄り添うように暖をもたらしてくれる。”少しでも早く効率的に機能すること”や”コスパ”、最新のデザインばかりを求められる家電において、変わらずにどんと構えている佇まいや、ゆっくりとした時間の流れを生み出し、生活に寄り添うぬくもりがDBKオイルヒーターにはある。また、火を使わないことだけでなく、オイルヒーターが傾けば自動的に安全装置が発動するため、小さなお子さんや高齢者の方がいる暮らしでも、安心して使うことができる。

<電気料金の比較>
8畳の部屋でエアコンを使用した時
0.105~1.98kW × 1h ×31円/kWh=3.25~61.38円

DBKオイルヒータを使用した時(4~9畳用)
0.5~1.3kW × 1h ×31円/kWh = 15.5~40.3円

エアコンの使用時に加湿器やサーキュレーターの併用もすると、DBKオイルヒーターの方が電気料金は安くなる傾向にあるのではないだろうか。

 

お手入れについて
オイルヒーターは、オイルが劣化することはほぼないため、オイル交換や補充や特別なお手入れは必要ない。フィンの形状などから、ほこりがたまりやすいため、乾いた布やハンディモップ等を使って定期的にほこりを取り除く。汚れた時には中性洗剤を薄めたものを雑巾に含ませたもので拭き、最後に必ず乾拭きをする。必ず電源コードを抜き、余熱が冷めてから行ってほしい。DBKオイルヒーターは、他社のオイルヒーターと比較し、フィンとフィンの間が約5cmあるため、簡単に手を入れることができ、お手入れがしやすい。また、故障や修理の際は日立グローバルライフソリューションズ(株)と提携しているため、出張修理サービスを受けることができる。日本全国に店舗があるため、一部離島などは除き、使用地域を制限されない。

 

お気に入りのポイント
これまで、エアコンのみを使用する生活を過ごしてきましたが、やはり足元の寒さには勝てず去年の12月に念願のオイルヒーターを購入。リビングのダイニングテーブルで過ごす時間が長いので、足元に近づけて使用しています。部屋は大体10畳くらい、やはりオイルヒーターだけでは部屋全体は暖まりにくいので、まずはエアコンとオイルヒーターを同時に電源を入れ、部屋が十分に暖まったところでエアコンの電源を切るようにしています。数時間すると全体の温度は下がるのですが、足元が十分に温まるので、体感ではそこまで寒く感じませんでした。最近はデジタルの液晶表示や機能性に富んだデザインのものが多いですが、それとは違いDBKは電源用ボタンとタイマーくらいで操作がシンプル、デザインは超シンプル。メリットが多いデザインよりデメリットが少ないデザインの方が長く使えるとつくづく思いながら、愛用しています。そして、今日も黙々と働いてくれています。(藤田諒/東京店ショップスタッフ)

 

DBKオイルヒーターの商品ページはこちら