自然の暖かさで包み込んでくれるブランケット
誕生
韓国チェジュ島にオープンしたD&DEPARTMENTの宿泊施設「d room」のために制作。上質なリネンの織物を作っているTENJIN-FACTORYに、ホテルで使うイメージや雰囲気に合わせて製作を依頼。肌触りを重視しているTENJIN-FACTORYは、幾度も様々なウールの糸で試作を重ね、目指す風合いに近かった優れた羊毛産地の一つであるオーストラリア クーマ地区のクーマラムという糸でブランケットを製作。その糸はとても弾力があり、柔らかいのが特徴。織り方にも工夫をこしらえてあり、たて糸にはコットンの細番手を1cm間に約95本という高密度にし、ジャカード装置を使い、細やかで立体感あふれるワッフル織りにしている。元々クーマラムがもっている弾力性がさらに増幅され、肌触りのいい織物ができあがった。
つづく仲間
d room ブランケットを製作しているTENJIN-FACTORYの創業は、初代が操業を開始してから70年以上は経過している。創業当初から先染め織物にこだわり、美しい色合いが長く持続するよう、糸の芯までしっかり色を浸み込ませた後に布に織り上げる。昔ながらの織り機を使い、独特の風合いを大事に織物を作っている。
つづく産業
山梨県の郡内地域にある富士吉田市は、1000年続くと言われる古くからの織物産地。江戸時代の元禄文化の頃は、当時の文化人を中心に人気を集めた「郡内縞」と呼ばれる絹の着物地を作っていた。明治から昭和の初期までは、「甲斐絹(カイキ)」という羽織の裏地が人気となり、やがて洋装の時代の訪れとともにそれは消滅してしまう。しかし、織物作りの火は消えてはいなく、第二次大戦後には郡内縞や甲斐絹で培った技術で傘地、布団地、背広裏地、洋服地、ネクタイ地、マフラー、インテリアなど、多種多様な織物作りが行われた。素材も絹だけでなく天然繊維から化合繊まで幅広く用いた結果、昭和30年代は「ガチャ万」と呼ばれる好景気を体験することになる。そして、この時をピークに現在まで長い期間縮小傾向を突き進んでいった。このような経緯の中から、近年は織物を使った自社ブランドを立ち上げて、プロダクトの販売を手掛ける事業者が増えている。TENJIN-FACTORYもそのような事業者の一人。自社ブランド化することで、従来のサプライチェーンに縛られず、自由に販路も選べる。今の目標は、海外の人達にも自社の製品をお届けすること。
製造について
布に触れたときや見たときに感じる安心感や喜びを通して、人々の心を和ませる織物の開発を心がけている。自社工場では、主に触角と視覚の視点から研究開発を行い、日々、織物を作っている。
素材
自然素材の布は、使用する環境や状況に応じてそれを使う人に快適さを与える。暑いときは暑いなりに、寒いときは寒いなりに人を暑さや寒さから守ってくれる。このように人との親和性が高く、環境への負荷も少ないことから、こだわりを持って天然繊維の布作りをしている。
つづく暮らし
生活の場で目的をもって使われた時に、きちんとその責任を果たせるようなモノ作りを心がけている。ブランケットの場合は、寒い季節に布団の中で暖かく、快適に眠れるような保温力が求められるが、この機能をきちんと付与することが大切だと考えている。
お手入れについて
ドライクリーニング推奨。手洗いの場合は、ウール用洗剤を使用し、柔軟剤・漂白剤は使わず、手洗いする。脱水後は、陰干しを推奨している。タンブラーの使用は控える。
お気に入りのポイント
このブランケットを触った時、思わず顔を埋めたくなりました。そして、身体を優しく、そして大きく包み込んでくれるサイズのため、寝具としてはもちろん、肌に触れるソファカバーとしても使いたいブランケットです。毛布として使用する場合、エアコンの効いた夏場はこれ一枚で、冬場は毛布として、自然な暖かさで心地良い眠りを助けてくれるのも嬉しいポイント。ワッフル織で織られているため、表面がよく見ると凸凹になっているのですが、この凹凸部分が肌にあたるとふわふわな触り心地。自然素材で作られているため、敏感肌やアトピーの方にもおすすめしたいブランケットです。(富田朱音/商品部)
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