マルニ60 2019年新作の魅力

先日発表された、マルニ60の新作。
その展示会を見に、maruni tokyoへ行ってきました。

 

1960年代に流行したような、ネップ糸の入った新しい張り地に…

オークフレームチェアの背もたれが高めになった、新しいサイズ。

 

そして、もっとも注目すべきは新しい塗装、オイル仕上げです。

ソファやコーヒーテーブルなどのリビングアイテムのみですが、通常のウレタン塗装に加えて、これからはオイル仕上げもお選びいただけるようになりました。(キノママシリーズを除く)

 

現在の日本の木家具メーカーで多く採用されているのはウレタンやラッカーなどの合成樹脂の塗料。日々のメンテナンスはほとんど必要なく、ユーザーにとってはとても扱いの楽な仕上げです。

その一方で、「家具を愛用して育てる」ということにはあまり向かない塗装です。目立つ傷がついてしまったり、ある程度の塗膜の寿命を迎えてしまうと、ユーザーにはなすすべなく、メーカーや専門業者に頼んで再塗装する以外に方法がありません。

そして、再塗装すると新品のようにピカピカになってしまいます。この方が良いという意見もあると思います。まっさらなスニーカーが好きな人もいれば、履きこなれた感じが出てきたスニーカーが好きという人がいるように。後者の場合、家具も長年愛用してきたなりのこなれた様子がなくなってしまい、味気がないと感じる人もいるとおもいます。

今回マルニ60で採用されたオイル仕上げはというと、合成樹脂塗料のような強靭な膜をつくらずに、木を優しく保護する程度の膜しかありません。しかも、この膜もだんだんと乾燥していきます。ちょっと面倒だけど、一般家庭では半年に1回程度、定期的にユーザーがメンテナンスとしてオイルを塗り直してあげないといけない。でも、キズや汚れがついた時に、部分的にやすったりオイルを塗り直したりして、自分で手当ができ、経年のこなれた感じもどんどん蓄積していけます。よく手入れをすれば、10年後にはいい感じの深い艶が出た自分だけの家具になっていると思います。

マルニ60のオイルは国内で製造されており、紅花油・亜麻仁油を主成分としたF☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの放出基準でもっとも安全とされているレベル)を取得している優しいオイル。硬い塗膜はつくりませんが、天然ワックスを配合しているので、通気性と撥水性があります。なので、ちょっとした水分がかかってしまった程度なら弾きますので、すぐに拭いてしまえば大丈夫です。さらさらと伸びがよく、つんとした臭いもほとんど感じませんでした。

しっかり乾拭きすれば大丈夫。

 

ミナペルホネンの経年で変化していく生地や、昨年限定販売したオイルレザー採用のTATSUNOレザーなど、経年も楽しめるアイテムにどんどん挑戦していくマルニ60、今後が楽しみです。

 

先日の展示会では、しっかりオイルメンテナンス講座もしていただきました。詳しいお手入れ方法やオイル仕上げの家具の使い方は、ぜひ店頭のスタッフに聞いてみてください。

バレンタインにちなんでチョコレートを模した木片サンプルを用意してくれました。

 

今日、東京店には新しい生地、サイズ、塗装の展示品が入荷してきます。静岡店では3月15日から「マルニ60 これまでとこれから」展が、鹿児島店では3月12日から「素材と経年変化」展がはじまります。

店舗によりマルニ60の取扱がない場合があります。詳細は各店舗へ直接お問い合わせください。