こんにちは、東京店そうじ部部長の有馬です。今回は夏の必需品、手ぬぐいのお手入れについて。
東京店では「東京セレクト」として、戸田屋商店の梨園染手ぬぐいをご紹介しています。
みなさん、手ぬぐいはどのように使っていますか?
私は戸田屋さん独自の色柄が気に入っているので、もっぱらお弁当包みや掛け布として使う事が主でしたが、周辺には手ぬぐい愛用者が多く、聞いてみると、身体洗い・汗拭き・台拭き・食器拭き・最後は雑巾に、と様々な用途に使っていることがわかりました。
綿100%の平織り生地の切りっぱなし。というとてもシンプルな1枚の布なので、色々なシーンで使える楽しさと頼もしさがあります。
さて、今回は手ぬぐいを使って行く上でのメンテナンス(というと大仰ですが…)についての話をしたいと思います。
まず、私のように柄、色合いを大事にしていく使い方であれば、
「 たっぷりの水だけで手洗い→陰干し→アイロンのような熱は加えない。 」
とにかく染料にダメージを加えないようにする事が大切です。
一方、日常でタフに使っていくには、わざわざ手洗いで、というのも面倒だし、洗剤も使いたいな、という事になってくると思います。多少の柄の変化を気にしないで使うなら、洗濯機で洗剤を入れて他のものと一緒に洗ってしまって大丈夫です。もちろん色が全く出ないわけではないので、白物とは別にすること。はじめのうちはどのくらい色落ちするのか、手洗いしながら使ってみてください。
ちなみに、洗濯機でがんがん洗っている手ぬぐいはこのように柄だけでなく、生地もやわらかく、お肌に気持ちよい感じになっています。(上:使用2年/下:新品)
今回はすでに1年以上使っている手ぬぐいを、洗剤で手洗いしてみました。
一般的な液状洗濯洗剤と水で。今回はエコベールを使用しています。
それぞれに使用頻度が違うのですが、少しまだ色が出ているものがあるようです。もともとの色落ち具合も、柄によるとのことです。
何回かゆすぎ、手でぎゅっとしぼりました。
干すときは、ぱんぱん!とよくシワをのばします。ななめではなく、織りに対して平行に。シャツと同じで、ここできちんとのばしてあげておくと、きれいにぴしっと仕上がります。
洗濯バサミで端々をつまんで干してしまうと、隅だけのびてしまうので、四角く干します。今回はホテルの業務用タオルハンガーを使用しました。
このまま店内に置いておいて、3時間でしっかり乾きました。洗濯物は5時間以内に乾かす事がミソで、5時間を過ぎると雑菌の繁殖率がぐっとあがるそうです。手ぬぐいは薄手で切りっぱなしなので、脱水にかけなくてもすばやく均一に乾きます。雑菌が繁殖しにくいので、過剰に除菌する必要がないところが良いところ。
最後に、手ぬぐいは切りっぱなしなので、横糸がほつれてきます。はじめのうちは洗濯機で洗うと結構激しく出てきた横糸が絡み合ってしまったりしますが…
これは、切ってしまって大丈夫です。こつは出てきている横糸だけ切る事。ハンカチのように使っている人は、出先でハサミがないときに、根元をしっかり握り、引きちぎってしまう(!)というワイルドな意見もありました。
このお手入れを続けると、このようにフリンジ状になって、糸は出てこなくなります。
もともと、タオルを筆頭にいろいろな布製品が普及する前は、手ぬぐいが “拭きもの”の主役でした。この乾きの早さは、湿気の多い日本の気候にあっているなあと、
改めて思いました。手軽で、強く、清潔で、粋に使える日常使いの布として、取り入れてみてはいかがでしょうか。
現在、東京店では、ふだんよりも多い100種近い柄を、染めの道具や工場の風景と共にご紹介しています。夏至も越えていよいよ夏の準備に入る時期。是非、好みの手ぬぐいを見つけてください。
NIPPON VISION MARKET「戸田屋商店の梨園染手ぬぐい」
2016年6月28日(火)まで