「sim design」Yチェア修理見学レポート

Yチェアの立体商標登録やリペアを行う「sim design」の坂本茂さんによる、Yチェアのクリーニングとペーパーコードの張り替えを見学しました。

車通りも少なく、聞こえるのは鳥の鳴き声と木々のそよめきだけ…。そんなゆっくりとした時間が流れるsim designの空間で、Yチェアのメンテナンスが行われています。

Yチェアをはじめとした名作椅子たちがところ狭しと積み上げられています。これらはすべて修理を待つ個体たち。経年変化によって生まれた圧倒的な存在感に、スタッフみな、息を飲みました。名作椅子たちのオーラに後ろ髪を引かれつつ、早速Yチェアのリペア実演を見学。

①クリーニング


▲もともと張られているペーパーコードを取り除く。


▲お湯で溶かした石鹸で、すみずみまでクリーニング。
黒い部分が汚れ。使っていくうちに汚れていくという、あたりまえのことを再確認。


▲クリーニング終了。クリーニング前の姿と比べると、明らかに汚れが落ち、綺麗になりました。後は乾かして、張り替えを待ちます。

②ペーパーコード張り替え


▲中心に向かって、ペーパーコードを編み始めます。ここからこの作業の繰り返し。
ものすごいスピードで淡々とペーパーコードを編み上げていく様は、まさに職人技。


▲新しく編まれたペーパーコードはすきまなど一切ありません。
この丁寧な仕事が見た目の美しさ、座り心地の良さに直結します。


▲およそ1時間足らずで1脚のYチェアの張り替えが完了。


こちらが今回修理が完了したYチェア。美しく編まれたペーパーコードによって座り心地は新品同様。経年変化した木部に新品のペーパーコードが合わせることで、唯一無二のYチェアに生まれ変わったのを感じます。

「何度でも直して使いたい」と思えることこそが、Yチェアが名作椅子たる所以。
是非何年、何十年もかけて自分だけのYチェアに育ててみてください。