138:作ったものの価値

アーティストで書家の山本尚志さんとのご縁で「アーティストの価値」について飲みながら(彼はお酒は飲めないのですが)よく最近会うので話しています。その話を聞いていて、これは誰にでも、僕にも当てはまることだと思いました。つまり「自分の表現の価値」は、自分の活動の継続が大前提である、という話です。

いつだったか僕にも経験があります。知人が絵の個展をしたので、彼女を応援するつもりで絵を買ったのですが、しばらくして、普通のOLになったというのです。知人には変わりありませんが、僕にとってこの絵の価値は「彼女がアーティストを続けていくこと」でした。

僕に当てはめると「プラマグ」の活動なんかはそうです。1つ約5,000円もするマグは生活道具としての価格をある意味超えています。100円でもコップは買えますが、あえて5,000円払うというところには「ナガオカの活動」に対する対価でもあるということで、僕がこの活動をある日、やめてしまえば、そこで「価値の紐つけ」はぷつりと切れる。山本さんと話していて「アーティストは創作をわかりやすく続けるか、死ぬかです」という「価値」に関する話はわかります。なのでプラマグの活動なども、もしやめたとしても、しっかりD&DEPARTMENTやナガオカに紐づけておくと、価値は残るでしょう。

自分の価値ってなんだろう、と、たまに考えることは誰しもあると思います。その価値とは、ずっとブレずに行なっていること、ではないでしょうか。バーのマスターの価値のベースはずっとバーにいることだし、人は生きていればそれだけで価値があると思います。

何かを価値と意識して生むということは、やはり「続ける」ことを意識するということだと思います。簡単にやめては勿体無いし、他人と共有するとしたらなおさら、そのひとにわかるように続けることが、そのひとの楽しみでもあるのです。

dのマークの入った、例えばTシャツは、私たちが営業と活動を続けていくことで価値になり、より面白い活動をしてみんなに知ってもらうと、なお輝く。絵本を書いて発表して人に買ってもらったら、買った人のためにも活動は続けた方がいいでしょう。くじけそうになっても、その人たちがいる、つまり、繋がっていることで、続けようと思えるでしょう。

長らくFM京都(アルファステーション)でのレギュラーラジオは、ガッツとアリコというディレクターに支えられて続いています。続くことで(少しは)アルファの価値になっていく。価値の大小はともかく、そういう意識で続けるって、いい人生じゃないかと思うのです。