サステナブル・シーフード「北海道苫前町ミズダコ」

【UMITO Partners × d47食堂】 海の持続性を考える サステナブル・シーフード
「北海道苫前町ミズダコ」

◯生産地
北海道苫前町(とままえちょう)
北るもい漁業協同組合 苫前支所

◯仕入れ先
小笠原宏一さん(FIP発起人、北るもい漁業協同組合苫前支所 苫前いさり部会 部会長)

◯タコの種類
ミズダコ
※苫前町は北海道内でミズダコの水揚げ量第二位

◯漁業の手法
樽流し漁業

◯ミズダコの特徴

東北から北の日本海に分布しているミズダコは、特に北海道からアラスカにかけての海で多く漁獲されており、苫前町は北海道内でミズダコの水揚げ量第二位の地域。大きさはタコの種類の中でも最大級で、最大で体長が5mほどにもなるくらい大きなタコです(世界記録は体長9.8m・重量136kgらしいですが、市場・レストランに出すミズダコは3~9kgの個体が主)。このミズダコは水分を多く含んでいて、身は柔らかく、弾けるような食感で、甘みが強いのが特徴です。小笠原さんのミズダコは、鮮度維持専門家のアドバイスを受けた丁寧な処理を行っており、水産業者や料理人から高い評価を受けています。

◯北海道苫前町ミズダコのサステナビリティ

留萌管内にある人口3000人ほどの小さな町、苫前町は北海道内のミズダコ水揚げ量で第二位を誇ります。

2019年、伝統的な樽流し漁を後世に引き継いでいくことを目的に、小笠原さんが中心となって発足した漁業改善プロジェクト(FIP*)が、樽流し漁業の改善プロジェクトです。

樽流し漁とは、釣り竿と浮きの代わりとなる「樽」に「いさり」と呼ばれる仕掛けを付けて海に投げ入れ、潮の流れを利用した漁法です。水深や潮の流れに合わせてロープを操作し、いさりが海底を這うように流します。ミズダコは縄張り意識が強く、侵入したものを攻撃する習性があります。いさりにミズダコが飛びつくと樽の動きが止まるので、それを見極めて引き上げ、ミズダコを釣り上げます。

小笠原さんは19歳から漁師を続けています。生まれ育った苫前町がいつまでも続く漁村であって欲しいという思いから、将来に渡って漁業を続けていけるだろうかと考えたことをきっかけに、FIPの活動が始まりました。活動当初は、漁師仲間の協力を仰ぐことに奔走し、理解を得るのに2年かかったといいます。今では苫前町で樽流し漁を営む約30名の漁師さん全員がこの活動に賛同し参加しています。

2.5kg未満のミズダコが掛かった場合には海へ再放流する、といった公的な規制に加えて、UMITO Partnersさんの支援のもと、年間の漁獲量だけでなく、タコが餌とする水産資源の推移、漁による海底の環境や生態系への影響をモニタリングし、科学的知見に基づいた独自の基準値を設け、その基準値を下回ったら翌年の海へ投入する「樽」の数の制限を取り決めるなど自主的な取り組みが行われています。

人口3000人のうち約2割の人が漁業に関わるという苫前町において、ミズダコの漁獲量の安定化は地域のサステナビリティにも繋がっています。初期投資が少なくすみ、潮を読む必要があるため海を知るのにも有効なミズダコの樽流し漁は、漁師の入り口とも言え、漁業の担い手育成の動線となっています。この活動を始めてから3年あまりで20代の新規就漁者は6名も増えたといい、苫前町ではミズダコ漁を中心に持続可能な地域社会づくりが進んでいます。

最後にミズダコを食べる人へ伝えたいことをお聞きしました。
「鮮度のいいミズダコ特有のみずみずしさを味わって欲しい。本物の美味しいタコを知って、みなさんに関心を持ってもらうことから漁業が変わると思っています。」
美味しいタコを食べた人が行動を起こしてくれることで、漁業はより良いものになっていく、そういう良い循環を作りたいという思いを感じました。ぜひ、小笠原さんから届くミズダコを味わって、北海道の海に思いを巡らせて欲しいです。

プロジェクトの詳細|UMITO Partners - ウミトパートナーズ
北海道苫前町ミズダコ樽流し漁業改善プロジェクト(FIP)


*FIPについて
漁業改善プロジェクト(FIP:Fishery Improvement Project)とは、サステナブルな漁業を目指し、持続可能性における課題解決を計画的に取り組むプロジェクトです。応援したい行政・企業・NGOなどと連携しながら進めます。

 

■メニュー情報

「北海道苫前町ミズダコ」のザンギ 1,200円(税込)
海の資源を調べながら一本釣りに似た樽流し漁で獲られるミズダコ。北海道ならではの食べ方「ザンギ」で。揚げてもなお水の滴るジューシーさを噛み締めてください。
※ディナータイム(17:30以降)限定メニュー


「北海道苫前町ミズダコ」のタコ飯セット +1,000円(税込)
ジューシーな食感を残すため蒸し煮にしたミズダコの煮汁で炊き上げたタコ飯。小鉢と味噌汁付き。
※食事メニューと組み合わせてご注文ください。

 

■提供期間
提供期間|2024年8月2日(金)~9月中旬予定 ※数量限定・なくなり次第終了
提供店舗|d47食堂(渋谷ヒカリエ 8F) Map

 

サステナブル・シーフードについて
現在、世界の水産資源の3分の1以上は持続可能ではないかたちで漁獲されているといわれています。また、ゴミや排水によって海が汚れたり、気候変動によって水産資源である魚の生息域が変化するなど、海の環境保全の重要性は高まっています。サステナブル・シーフードとは、今ある豊かな海を守り、将来にも渡ってその恵みを食べ続けていくことができるように、水産資源や海の環境に配慮し持続可能で適切に管理された漁業によって漁獲、または養殖された水産物のことをいいます。サステナブル・シーフードを積極的に消費することで、私たちは水産資源や海の環境、海と共に生きる地域社会を守る活動に参加することができます。

プロジェクトの詳細はこちら >> 海の持続性を考える サステナブル・シーフード


※サステナブルな漁業や養殖業を目指し、持続可能性における課題解決を計画的に取り組むプロジェクトFIP(Fishery Improvement Project)やAIP(Aquaculture Improvement Project)から調達された水産物もサステナブルシーフードに含まれます。

 

パートナー企業
株式会社 UMITO Partners
「おいしい漁業が、続く社会を」をコンセプトに、ビジネス・サイエンス・クリエイティブの強みと国内外の専門的ネットワークを活かし、漁業現場・シェフ・地方自治体・企業との協働を通じて、ウミとヒトのための事業を創出するために伴走する企業。課題を抱える生産現場や地域社会に寄り添うことを大切にし、持続可能で適切に管理された漁業を実現するためのサポートを行っています。
UMITO Partners HP >> umitopartners.com

 

■提供店舗
d47食堂 ( Instagram / Facebook / 渋谷ヒカリエHP )

D&DEPARTMENT PROJECTによる、47都道府県と季節を感じる定食屋。各地に根付く、その土地ならではの食材や食文化を活かしたメニューが味わえるほか、ワークショップや勉強会も開催。食を通じて、生産者や器のつくり手の想いとともに、各地の個性と魅力を伝えている。今年から、海の持続性についてお客様と一緒に考える「サステナブル・シーフード」の活動をUMITO Partnersと共にスタート。

住所  東京都渋谷区渋谷2-21-1 ヒカリエ 8F
電話 03-6427-2303
営業時間 月火木|11:30-20:00 金土祝前日|11:30-21:00 日|9:00-11:00/11:30-20:00
※水曜定休
※毎月第1,3,4日曜はd47食堂モーニング開催のため、朝の時間帯も営業しています。