ロングライフデザインの視点で、各都道府県単位で編集されるガイドブック「d design travel」。その編集方式に沿って、編集部と市民ライターが一緒になり、特集エリアのらしさを紹介する「d design travel WORKSHOP特別号」を制作する活動を行なっています。
これまで、、山形県(2012年)、徳島県(2014年)、沖縄県うるま市(2016年)、埼玉県熊谷市 (2018年)で発刊したワークショップ号ですが、今回6号目となる「千葉海浜エリア号」が完成しました。
プロジェクトがスタートしたのは、2018年11月。キックオフイベントでは、これまでの「d design travel」がどのように作られてきたのか…という裏話を、発行人のナガオカケンメイが話した後、参加者と一緒に千葉海浜エリアの「dマーク」を選ぶならどこだろう?というワークショップを開催。
この中から24名の希望者が参加し、掲載箇所の選定、ロケハン、原稿の書き方、写真の撮り方、編集部からの校正、取材先への確認…と数々の山場を乗り越えながら制作を進めてきました。
ワークショップ号の表紙も本誌同様、参加者のみなさんが該当エリアを巡りながら、その土地を代表するグラフィックを見つけ表紙としています。千葉海浜エリア号の表紙は、美浜大橋に描かれた壁画が選ばれています。
参加した市民ライターの中には、千葉海浜エリア近隣の出身者や、大学や仕事の関係で千葉に移り住んだ方、主婦、デザイナー、百貨店のバイヤー、不動産ディベロッパーやメーカー勤務の方など、年齢や経歴もさまざま。
もちろん、取材や原稿執筆などの編集業務は未経験の方ばかり。
「d design travel WORKSHOP号」でも「d design travel」本誌同様、誰が原稿を書いたかが一目でわかる記名式原稿となっており、さまざまな経歴を持つライターならではの視点で紹介されているのも、とても興味深いものです。
こちらはCAFESのカテゴリで「IMADEYA 千葉エキナカ店」を執筆してくださった君塚さん。
「いつも仕事で商品紹介などの原稿を書くことはあるけれど、自分の名前が載ることで責任感を感じながら書きました。取材を通して店長さんや店員さんと親しくなれ、地元のお店の方々との?がりを強く感じることができた」と参加の感想を話してくれました。
「初稿の段階で5回くらい書き直しして。思っている以上に原稿数が少なかったので、まとめるのに大変だった」との感想に、「本誌よりも少ない文字数なのに、ここまでまとめられたのは凄い!!」と神藤編集長からのコメントも。
こちらはCAFESカテゴリの「Philocoffea Roastery & Laboratory」と、同店のオーナーの梶真佐巳さんをPEOPLE枠で取り上げてくださった多田靖隆さん。
「世界を股にかけて活躍する梶さんの話を聞くことができたのはとても貴重な体験でした。世界で活躍しつつも、船橋という土地をとても愛している梶さんを、地域の人が応援しようとしている雰囲気がとても伝わり、その内容を文章でどう伝えるか悩みました」と感想を。
千葉号取材時に海浜エリアの店も多く巡った神藤編集長も「この店は知らなかった…」とひとこと。
実は千葉号取材時にはオープンしていなかったようですが、各都道府県号が発刊した後の街の新たな成長をワークショップ特別号で紹介できたのも、今号ならではの喜びでした。
ワークショップ完成までの大変さや、喜びを分かち合うみなさん。
本誌と違い、市町村単位で発行されることの多いワークショップ号は該当エリアも狭いため、その土地のらしさを見出しながら、「dマーク」として選定するのは難しくもあります。それでも参加者のみなさんは、制作期間の中で「千葉海浜エリア」のらしさと、この土地のデザインとは何だろう…ということを常に頭におきながら、言葉を選び原稿を制作していきました。
千葉らしさを「おおらかで自由。千葉に受け継がれる“開拓心"」とした千葉号。県南から開拓されてきたという歴史を持ち、歴史が浅いとされる場所。特に海浜エリアは干潟が広がっていた場所に開発が進み、東京へのアクセスも良いことから、多くの団地や住宅が立ち並ぶベッドタウンとなっています。
昔からこの場所に住む人、そして移住してきた人…と新旧が入り混じるこの地域には、大型チェーン店が立ち並ぶなか、昔からの自然を伝える場所、この街に根付いて商売を続けてきた店舗に加え、新しい文化を育んでいこうとする力もありました。ワークショップ号は、千葉が成長していく姿を追うものとなりました。また数年後、そして数十年後に、この土地がどのような進化を遂げていくのか、そして変わらずあり続ける「その土地らしさ」について考える素敵な機会となりました。
d design travel WORKSHOP特別号 千葉海浜掲載箇所
(※記載の箇所で配布中/無くなり次第終了)
SIGHTS(観光)
谷津干潟自然観察センター ※
稲岸公園
千葉県立美術館 ※
椿森コムナ ※
RESTAURANTS(レストラン)
Ocean Table ※
タンジョウファーム キッチン ※
千葉地方卸売市場
千葉の郷土料理 千寿江 ※
SHOPS(ショップ)
TIMBER YARD ※
gris souris ※
佃煮 西敏商店 ※
西千葉工作室 ※
CAFES(カフェ)
Philocoffea Roastery & Laboratory ※
IMADEYA 千葉エキナカ店 ※
CAF?-CRAFTSMAN BASE ※
珈琲とワインのある暮らし25 ※
HOTELS(ホテル)
アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉※
割烹旅館玉川 ※
旅館かわな ※
PEOPLE(キーマン)/敬称略
西田 直海(NPO法人Drops代表)
梶原 紀章(株式会社千葉ロッテマリーンズ 広報)
梶 真佐巳(株式会社Philocoffea)
稲垣 早苗(工房からの風)
その他、D&DEPARTMENT各店でも配付中