京都市の町中に工房を構える「桶屋近藤」。木桶を何十年と使い続けることができるよう、材木選びからこだわり、四季の変化に合わせた素材の下準備、製造まで、店主の近藤太一さんがおひとりで担当しています。木材と箍(たが)のみのシンプルな構造だからこそ、修理しながら長く使い続けることができます。
「おけマグ(大きいサイズ)」は、専用のフタ付き。「おけマグ S」はフタはありません。
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「おけマグ」の完成後、リクエストから生まれた、小さめサイズ。
京都店スタッフ 板津
「おけマグ」の完成後、さらにナガオカさんのリクエストから生まれた、小さめサイズのカップです。参考になったのは岐阜県「丸直製陶所」のスキトオカップ、北海道「高橋工芸」のKAMIグラスと同じ寸法。両者とも全体的に薄作りで、それぐらい薄い桶マグができないかという提案から何パターンもデザインを作っていただき、生まれました。桶は木片を箍(たが)で締めて作る「箍物(たがもの)」と呼ばれ、鎌倉時代に中国から伝わった技法です。わっぱなどの「曲物(まげもの)」に比べ、小さな木片から大きな容器を作ることができ、水分を通しにくいことから、昭和初期頃まで風呂桶やおひつ、洗濯たらいなど、各家庭で生活道具として使われていました。桶は木材と箍(たが)のみで構成されており、変化する環境の中でも何十年と使い続けることができるよう、近藤さんは材木選びから慎重に行い、季節に合わせて木片を下ごしらえし、約1年弱かけて作られます。シンプルな構造だからこそ、修理も可能です。桶谷近藤さんの好きな木桶の使い方は、出張帰りの新幹線車内でシウマイ弁当をつまみに、吉野杉桶ぐいのみを使って日本酒を頂くことだそうです。