岩手 滴生舎の漆器

日本で使われている漆の約97%は中国産。残りの約3%は国産の漆、その7割が岩手県二戸市浄法寺という土地で採集されています。
岩手県浄法寺御山の山麓に建つ「滴生舎」は「浄法寺塗」の工房を併設し、「浄法寺漆」を使った漆器や漆芸品を展示販売している施設です。ツヤを抑えた塗りで加飾はなく、私たちが毎日食卓で使うための漆器を製作、販売しています。

重要文化財の修復に用いられ手に入れることが難しい貴重な「浄法寺漆」。15年育てた1本の漆の木から採取する漆は約200グラム、牛乳瓶1本分です。「滴生舎」で紹介している漆器のほとんどが、布着せをせずに下塗りから何度も「浄法寺漆」を塗り重ね、ふっくらと丈夫に仕上げています。手に口にしっとり吸い付くような感触は漆ならでは。修理をすることで長く使い続けることができます。

今回は、日常使いしやすい器をそろえ、お手入れ方法や食卓での使い方をご紹介します。口当たりの良さ、使うほどに増していく艶など、生活の中で繰り返し手に触れることで実感できる良さがある漆器。お手入れにほんの少し工夫や手間は必要ですが、経年変化を感じながら手に馴染んでいく様子を実感できます。日常生活が豊かになり、漆器のある暮らしを楽しんでいただけるきっかけとなれば幸いです。

期間中、しょうぶ学園「工房しょうぶ」の漆椀もご紹介いたします。鹿児島では漆といえば、仏具の制作に用いられることで知られています。30年ほど前、しょうぶ学園では漆を用いた作品づくりを導入し、その際に川辺仏壇の工芸師に手ほどきを受けた経緯があります。現在は独自の塗り方で生活に馴染む漆作品を多数製作しています。今回は、通常のお取り扱いよりサイズ・色を豊富に揃えてのご紹介ですので、ぜひこの機会にご覧ください。

岩手 滴生舎の漆器

日程
2024/12/5(木)~2025/1/7(火)
時間
10:00~20:00
場所
D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA Map 鹿児島県鹿児島市呉服町6-5 マルヤガーデンズ4F

●お問い合わせ:099-248-7804(鹿児島店)

【年末年始の営業ご案内】
2024/12/31(火)10:00~18:00
2025/1/1(水)お休み
2025/1/2(木)9:30~20:00

岩手 滴生舎の漆器

滴生舎

日本一の漆産地である岩手県二戸市浄法寺町にて「一貫性のある漆器をつくる場所」として1995年に設立。滴生舎では、地元で採られたうるしを使って漆器を製作するというこだわりを長年継続してきた。それは、国産うるしの生産7割を誇る浄法寺の漆文化を守り広めるためであり、浄法寺うるしを使った漆器こそが最も堅牢で美しいものだと信じているからこそ。浄法寺の漆を使った椀とそれをつくる職人の技術を全国へ発信し続けている。

岩手 滴生舎の漆器

工房しょうぶ

鹿児島市の近郊、吉野大地の豊かな環境に知的障がいのある人たちの支援施設「しょうぶ学園」があります。その中にある「工房しょうぶ」は創作活動を通じて、障がい者、健常者の枠を取り除いた対等な関係作りを目指しています。人が心豊かになれるモノを提案し、生活や環境、人について考えていくことが「文化創新」の発露に繋がると考え、障がい者施設という小さな単位ではなく、社会に枠を広げ、福祉的文化に関与できるよう活動している。